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カリキュラマシーン、子どもを対等に扱った教育番組

カリキュラマシーンという、一風変わった教育番組が、1974年から1978年まで日本テレビ系で放送されていました。つい、懐かしくてそのDVDボックスを買ってしまいました。

この番組を手がけたのが齋藤太朗さん。日本テレビのディレクター・プロデューサーで、比較的最近では「欽ちゃんの仮装大賞」や「午後は○○おもいッきりテレビ」を担当しました。

齋藤太朗さんの番組作りのコンセプトは、「ディレクターにズームイン」(日本テレビ放送網)という書籍に詳しく書かれていますが、つねに「逆転の発想」「既説や建前や慣習を否定する」というスケプティックな方向性を貫いていた方で、今よりも自由度が高かった60~70年代のテレビ界にその意欲と能力は全面開花していたと思います。

YOUTUBEにもアップされているようですが、69年に「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」という番組が放送されました。

売れっ子のタレントを揃えて、短いシークエンスでひとつのネタを次々披露していく新機軸で、テレビ史を振り返る企画では必ずといっていいほど取り上げられる番組のひとつですが、実は「カリキュラマシーン」の実験的な番組だったというのは意外でした。

それで、「カリキュラマシーン」はどこが「既説や建前や慣習を否定」していたかというと、教育番組でありながら、「おかあさんといっしょ」で歌われるような歌は一切出てきません。

出演者も宍戸錠、藤村俊二、吉田日出子、渡辺篤史、岡崎友紀、常田富士男、桜田淳子、フォーリーブスといった、当時大人の番組で第一線で活躍していた人たち。

他局の子ども番組のメイン出演者は、イメージもありますから、その番組の専属専業状態だったのですが、そうではありませんでした。

中身は、「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」の「完成版」らしく、やはり短いシークエンスで次々新しい話が登場。「教育番組」なのに、いわゆる「俗悪番組」に入りそうな、どぎついネタも遠慮なく出てきました。

たとえば、タバコの火を手の甲につけるとか、金魚入りの水槽の水を飲むとか。しかも、当時アイドルとして紅白歌合戦に7年連続で出ていたフォーリーブスの江木俊夫がそれをやっていましたから、よくジャニーズ事務所が許したなと思います。

要するに、教育番組といいながら、作り方は大人の番組なのですね。その理由を齋藤太朗さんはこう語っています。
大事なことは、子供の教育番組をやろうってなると、必ずやるのが、大人が子供レベルになって、「何とかちゃん」なんて言うんだよ。パイロット版を作ったときに、「何とかちゃん」ってやったら、子供は、大人がいい年して「何とかちゃん」なんて、バカだとしか思ってない。「お前」っていう方が、子供はいうことを聞く。
つまり、子供相手にやるっていう感覚はやめようと思った。子供扱いというと変だけど、対等でいこう、と。子供に見せちゃいけないとか、もちろんありますよ。普通は「子供には無理だ」とか、「害がある」ってことを逆にやろうって。音楽なんかでも、子供番組だとチンタラしたのしかなかった。そうじゃなくて、大人の音楽でちゃんとやろう、と。対等にやることで、子供がついてきてくれるだろう、というのがあったから、(中略)
子供はバカじゃない、と思ってる。知識の範囲とかが狭いだけで、感覚的には分かってるの。ただ、言葉はないしね、論理的に組み立てられないけど、感覚的には分かってんですよ。お母さんの気持ちを察して、気分が悪いと子供ってすーって離れてく。ちゃんとわかってんの。理屈では言えないけど、頭では分かってる。子供ってものすごい鋭いから、「何とかちゃん」なんてバカにしちゃダメなんだよ。(DVDボックス・解説より)

私は、この「対等にやろう」というコンセプトが非常に新鮮でした。

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たしかに、大人は子どもよりも知識と経験にまさるわけですが、子どもに対して「何とかちゃん」という接し方をするうちに、本当は対等であるべきところまで、意識や自覚がなくても“上から目線”になってしまうことがあるんじゃないか。

私も子どもを持って、そんな思いをすることが実際にありました。

もちろん、なんでも対等がいいわけではありません。教育はそれほど単純ではありません。

ただ、テレビ番組に対して、教育問題を総花的に包括した表現をしろというのも無理な話で、横須賀の元首相じゃありませんが、「ワンフレーズのメッセージ」を明確にもっているなら、それは番組としては評価できるものではないかと思います。

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コメント 13

ゆうのすけ

斬新な番組でしたよね!
学校に行く前で あまり見れませんでしたが・・・。ーー;
私は あの「♪しゃばどぅび どぅ~ば しゃびどぅば・・・」のテーマソングが聴きたくて CDを買って 一時ヘヴィロテでした。^^☆
by ゆうのすけ (2012-10-20 01:26) 

銀狼

カリキュラマシーンとは懐かしいです!^^
よく観ておりました。。。
「10の束」とか「5の固まり」とかって表現は
いまだに憶えております^^

by 銀狼 (2012-10-20 01:27) 

1stdmain

テレビだから、あんまり教育教育してもつまらないですしね
by 1stdmain (2012-10-20 02:07) 

旅爺さん

あの頃は爺も巨泉×前武ゲバゲバはよく見てました。
欽ちゃんや思いっきりテレビは楽しみましたが齋藤太朗さんは知りませんでした。近年はあの当時の様に人を引き付ける番組は無いですね。
by 旅爺さん (2012-10-20 05:19) 

pandan

「カリキュラマシーン」みてました、
どんな内容だったかよく覚えてないけど、
みていたのは覚えています。


by pandan (2012-10-20 05:44) 

hatumi30331

番組作り・・・・最近は安上がりな物が多くて
もっとしっかり練った物を作って欲しいですね。^^

子どもにも人権があります!
そこんとこしっかり意識して欲しいですよね。
by hatumi30331 (2012-10-20 07:58) 

さうざんバー

子どもの感覚ってホント鋭いです(^^;)言葉に出来なくても、センスと言うのか、何か感じているのは、ホント良く分かります(^^)v 
この番組自体を知りませんでした(^^;)でも、午後は〇〇・・最初の方は、ホント面白かったですが、ダンダンなんか・・・(^^;)最近の番組ももうちょっと考えて欲しいですね(^^;)ゞ
by さうざんバー (2012-10-20 10:23) 

Mitch

ご訪問とnice!、ありがとうございます。
最近はタレントを並べて、ワイワイキャーキャーの番組ばかりが多く、テレビがつまらなくなったと感じています^^;
by Mitch (2012-10-20 11:30) 

はる

私も「ゲバゲバ」がカリキュラマシーンの実験版というのはかなり意外でした。
カリキュラマシーンはテレビっ子の私の中でも大好きな番組の一つでした。
「♪ねじれてねじれてキャキュキョ♪」と「♪あいつの頭はあいうえお♪」の歌は今も頭の中をリフレインすることがあります(笑)
特に「ねじれて~」の歌でおねぇさんが体をねじらせて、「う~ん、ねじれてぇ」という振り付けは子供の心をわしづかみにされました(笑)教育番組というくくりだったので、こういった馬鹿馬鹿しいシーンも親に気兼ねなく見れたのが子供としては嬉しかったんだと思います。
私もDVD買ってしまおうかな?心揺れます。
by はる (2012-10-20 14:24) 

モッズパンツ

カリキュラマシーン大好きでした。確か朝の時間帯でしたよね。懐かしいですね。w (´∀`)ノ

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2012-10-20 17:37) 

chima

カリキュラマシーン…知りません^^;
ピタゴラスイッチとかシャキーンが好きでしたけど
下の子が入学してからはほとんど観てないです~
今は0655だけ時々見てます
大人向けだから子どもたちも喜んでみるのかな~と思います
by chima (2012-10-20 23:19) 

hnhk

放送時は物心が付いていなかったのか、「カリキュラマシーン」?です。
「おかあさんといっしょ」が苦手だったので、もう少し早く生まれていれば、かじりついて見たかもしれません(^▽^)/
by hnhk (2012-10-21 11:44) 

ゲバゲバ

上の方も言っておられる様に、ねじれてねじれて♪の歌の
う~ん、捻じれて~♪は幼稚園児でしたが心に残っていますね。
おかあさんと一緒とかロンパールームとかは子供の時も
つまらないなと思っていましたがカリキュラマシーンは好きでした。
by ゲバゲバ (2013-06-18 16:49) 

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