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『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』の「恐ろしい」内容は?

『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』(幕内秀夫著、講談社)を読みました。近頃話題の糖質制限。著者は、糖尿病の食事療法に過ぎなかった糖質制限が、いつの間にかダイエット法になり、さらに健康を維持する食事法に「格上げ」されていることに疑問を呈しています。

幕内秀夫さんというと、『粗食のすすめ』(新潮社)を書いて有名になった人です。

その人が、『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』という、糖質制限批判を書いたのは、意外なイメージがあったので、同書を読んでみました。

どちらかといと、糖質制限を勧める側にいるような感じがしたからです。

まあ、『粗食のすすめ』は、肉食をやめ、粗食を実践することで長生きできるというような内容でしたから、ご飯をやめて肉と卵と乳製品を食べろ、とする糖質制限派とはそもそも合わないのでしょうけど。



今回の『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』では、論点が2つあります。

ひとつは、ダイエットそれ自体のインチキぶりを解説しています。

ダイエットそのものの批判は、論点が拡散するので今回は触れませんが、同書には、ダイエットはどうやってブームになり、そしてどうして終息するのか、ダイエットに効果があるのか、など詳しく解説されています。

もうひとつは、糖質制限を主張する人たちの主な論拠について懐疑や批判の主張を行っています。

私が読みながらメモ書きした、ポイントになると思われる点を枚挙します

・ダイエットは、「○○を食べるだけで痩せられる」「○○を食べても痩せられる」など、「極端(意外性)」であることがブームのきっかけである→肉を食べても痩せられるとする糖質制限ダイエットはまさにそれにあたる
・米は昔から食べられている。「糖質」だからいけないというわけではなく、精製された砂糖や異性化糖(シロップ)などが悪いだけ
・脂質も、肉や魚などの脂質ではなく精製された油が悪い
・肉や卵を食べていればいいという糖質制限派の主張は食生活のバランスを壊す
・刑務所の食事は御飯の量が多いがそれでも痩せる。理由はおかずが少ないから。つまりご飯が太る理由にはならない。糖質制限をダイエットと結びつける根拠はこの点でも崩れる
・縄文時代は肉が主食という糖質制限派の主張は考古学的に正しくない
・イヌイットは肉食だから、がんや心筋梗塞がなかったと糖質制限派は主張するが、イヌイットは短命だから生活習慣病になる前に生涯を終えただけ
・子どもが本能で糖質を選ぶのは糖を必要としているから


玄米がいい、白砂糖が悪いというのは、民間療法家もよく主張するのですが、私は若干懐疑的です。

なぜなら、玄米についているビタミンやミネラルの量はそれほど多くなく、1回の食事でみかん1個食べれば補える程度のものだからです。

なのに、それを摂るか摂らないかでそんなに健康の明暗がわかれるものなのか、という点が疑問なのです。

ただ、大いに共鳴できる点もあります。

幕内秀夫氏も書いていますが、食生活と健康は、交絡因子もありますし、何を食べればどうなると簡単に言えるものではないのです。

にもかかわらず、ご飯をやめて肉を食え、と食のバランスそのものを変えさせようとする糖質制限派の主張は、ちょっとこわいなあと思います。

食事

食材には、人間にとって有益なものも毒になり得るものも含まれています。いろいろなのをバランスよく食べることで、その相殺や均衡を保ってきているはずなのに、医学的に太鼓判を押せる根拠もないまま、食事の大きな柱を捨てて、他の柱だけで成り立たせてしまってもいいのでしょうか。

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著者批判よりも立証が大事


著者の幕内秀夫氏によると、糖質制限批判には、たくさんの批判が来るらしい。

理由は、それでひとつのビジネスが成り立っているから、その人達にとっては糖質制限を批判されると困るのだろう、ということです。

その見立てがあたっているかどうかはわかりませんが、たしかに、レビュー記事を検索してみると、かなりムキになった批判記事がいくつかありました。

たとえば、著者の過去の書籍の何ページと、今回の書籍の何ページはいってることが違うとか、事細かにクレームをつけているのですが、今回書かれている指摘に対する論駁にはなっていないのです。

そうなると、糖質制限の白黒というより、著者を否定する個人攻撃というニュアンスが強いですね。

なんでそんなにムキになるの?と、私も思いました。

そもそも糖質制限なんて、スパンの長い前向き調査をやって、結論が出ているのならともかく、そうでないわけでしょう。

どちらにしても引き続き調べるべきことでしょう。

なのに、ひたすら他の意見にネガティブな追跡をしている後ろ向きな記事を見ると、気持ち悪いなあと思います。

そういえば、私も、このブログで「がんもどき理論」に懐疑的なことを書くと、必ず荒れるんです。

抗癌剤はもちろん、病院の通常治療や健康診断までも全面的に否定してくれるとありがたい産業の本音と、身内を病気で亡くした人たちの今の医学・医療に対する逆恨みとの合作だろうと私は解釈しています。

その人たちの主張は、まず結論として自分たちの信じるものがあって、それに疑問や批判を加えるものを攻撃するわけです。そうなると宗教ですね。

でも、でもそういうのって、なんか虚しいですよね。合理的でも建設的でもないから。

同書の話に戻りますが、大事なのは、食生活と健康の関係についての真相です。

著者の本書における指摘を反駁できるのか。糖質制限の正当性について医学的に太鼓判を押せる検証を行っているのか。

反駁できないのなら、行っていないのなら、糖質制限は、自殺者まで出したナントカ細胞と同じ「仮説」にすぎません。

自殺は行き詰まって自分の意志で亡くなるわけですが、糖質制限を信じて寿命を縮める人がいたら、いったい提案者はどう責任を取るのかなと私は思います。

私はこの分野の研究者でもないし医療従事者でもありませんから、専門的な立場からモノを言ったり、自分で調査したりはできません。

ただいずれにしても、マスコミがなにか新しい主張をセンセーショナルに取り上げても、すぐに飛びつかずに、批判者の意見も知った上で考えたほうがいいのではないかなあと思います。

その意味で、糖質制限に関心を持たれている方は、その推奨意見だけでなく、同書も読まれたほうがいいでしょう。賛成反対はいろいろあるでしょうけど。

世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」 (講談社+α新書)

世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」 (講談社+α新書)

  • 作者: 幕内 秀夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 新書

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