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『スチュワーデス物語』の“聖地”羽田訓練センターの今昔

『スチュワーデス物語』(1983年、大映テレビ、TBS)を久しぶりに見ました。ドジでのろまな日本航空(JAL)客室乗務員訓練生の松本千秋が、苦難や葛藤を乗り越えて一人前のスチュワーデスになるまでを、大映ドラマらしく大仰に描いています。その訓練場所として使われた実在する訓練センターは、今は高層ビルに建て替わっていました。

10月1日に『赤い迷路』について書いたときに、大映ドラマについて振り返ってみたいと思い、てはじめに今回『スチュワーデス物語』を鑑賞しました。



40代以上の人なら、「大映ドラマ」という言葉をご存知だと思います。

大映テレビという会社が制作した、一連のドラマのことです。

1980年代ぐらいまでのテレビドラマは、局や下請け制作会社が制作するスタジオドラマとともに、映画会社やその子会社を前身とする制作会社も、積極的にドラマ制作に関わっていました。

日本テレビが出資して日活系のスタッフが活躍したユニオン映画、新東宝が前身となる国際放映、そして大映テレビなどがその代表的な制作会社です。

もちろん、作品によって内容は違いますが、大映ドラマといえば、総じてセンセーショナルなストーリーや、漫画チックですらある定型的で真似されやすいセリフなどが特徴のエンタテイメントです。

映画会社の大映が、テレビ映画(ドラマ)を作る部門を倒産直前に分社化したのが1971年。その前後は大人向けには『ザ・ガードマン』を、若年層向けには『おくさまは18歳』『なんたって18歳!』など岡崎友紀主演の作品を作り、70年代後半は宇津井健山口百恵などが主演の『赤い』シリーズを制作しました。

80年代は、より青春世代層にターゲットを絞った作品を作るようになりましたが、その先鞭的作品になったのが、83年に制作した『スチュワーデス物語』であったといえます。

主演の堀ちえみと『スチュワーデス物語』については、以前「堀ちえみ『青い夏のエピローグ』と『スチュワーデス物語』の真相」というタイトルの記事をこのブログで書きました。

原作を180度変えたエンタテイメント


『スチュワーデス物語』の原作は日航の職員だった深田祐介氏。私も原作は読みましたが、ドラマと見比べると、果たして「原作」といっていいものかどうか、というぐらい180度設定が変わっていました。

小説の『スチュワーデス物語』の松本千秋は、国立大学を優秀な成績で卒業したエリートであり、全てにおいて如才なくふるまえる品格のある女性に描かれていました。

まあたしかに女性にとっての花形の職業である以上、それがリアリティのある設定なのかもしれません。

ところが、ドラマの堀ちえみ演じる松本千秋は、ドジでのろまで、学歴もなく語学など特技もない。しかも面接試験では、風間杜夫教官からあっさり駄目だしをされています。

どうしてそれが採用になったのかが説得力をもって描かれていないのはちと不満ですが、ドラマとしては、欠点だらけのほうが面白かったのでしょう。

旧訓練センターと穴守稲荷神社


『スチュワーデス物語』は、日本航空の全面的な協力を得て撮影されたため、ロケでも旧空港や旧訓練センターが毎回のように出てきました。

旧訓練センターは、運航乗務員や客室乗務員が、実機を模した訓練室で、接客や非常救難などの訓練を行うところです。『スチュワーデス物語』に限らず、映画やドラマでは飛行機に乗っているシーンの撮影でしばしば使われました。

私も、何度か乗客役のエキストラで、この訓練センターに行ったことがあります。

京急羽田空港線の穴守稲荷駅から5分ほど歩いた、環状八号線に面したところにありました。

道路を隔てて、先日羽田七福いなりで最後に巡った穴守稲荷神社と隣合わせの場所でした。

今年の3月、日航は新整備場地区に建てた新しい訓練センターをマスコミに公開しましたが、ということは、旧訓練センターはどうなったのか。

住居用高層ビルが立ち、その上に「名残り」を留めるように、ボーイング747のフライトシュミレーターが置かれています。

絵がないとわからないので、ドラマから画像失礼。これが、穴守稲荷側から見た当時の訓練センターです。

穴守稲荷と訓練センター
『スチュワーデス物語』第2話より

そして、現在はこうなっています。

穴守稲荷神社から

ビルが大きくなってしまったので、同じポジションでは収まりきらず、引いて撮りました。

布団か毛布を干している人がいますね。景観上も目立ちますし、そもそもすべって布団とともにストンといっちゃわないか心配です。

ちなみに、ビルの中にはコンビニもありました。

ところで、なぜ、ドラマが穴守稲荷神社側から旧訓練センターを撮影しているか。

訓練生が、ルートインフォメーションの試験の結果待ちで、訓練センターの隣にある穴守稲荷神社の境内で待機していたのです。

そこに風間杜夫教官がやってきて、全員合格を伝えると、みんな喜んで境内で踊りだすという、青春映画やドラマでよく見るエンディングだったのですが、撮影のために半日は参拝客が入れないでしょうから、日航だけでなく穴守稲荷神社もドラマに全面協力だったんしょうね。

昭和のドラマですが、エンタテイメントとしてはいま見ても十分楽しめる作品です。

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