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昭和の劇場用映画番組、名解説者を思い出す

昭和の映画番組、名解説者

今も一部残っていますが、昭和の地上波テレビ番組には、午後9時、ないしは10時から、「○○ロードショー」「××映画劇場」という番組名で、各局劇場用映画作品を放映していました。そこでは、解説者が作品解説とともに、ときにはお馴染みのフレーズで番組の顔としてのポピュラリティを獲得していました(上の画像は『東宝昭和の爆笑喜劇DVDマガジン』(Vol.5)より)



今日、Facebookのタイムランを眺めていたら、昭和の映画番組解説者を懐かしむ投稿がありました。

昭和の映画番組、名解説者

解説者は、番組の最初、もしくは最初と最後に当該映画作品について語ります。

1970~80年代の劇場用映画番組と解説者をざっと思い出します。

月曜ロードショー(TBS)……荻昌弘
水曜ロードショー⇒金曜ロードショー(日本テレビ)……水野晴郎「いやー、映画って、本っ当にいいものですね」。
木曜洋画劇場(テレビ東京)……木村奈保子「あなたのハートには、何が残りましたか?」
土曜洋画劇場⇒日曜洋画劇場(テレビ朝日)……淀川長治
土曜映画劇場⇒日曜映画劇場⇒土曜映画劇場(テレビ朝日)……木崎国嘉増田貴光「来週もまた、あなたとお逢いしましょう!」、筈見有弘児玉清
ゴールデン洋画劇場(フジテレビ)……高島忠夫
日本映画名作劇場(東京12チャンネル=現テレビ東京)……白井佳夫品田雄吉

映画番組に解説者がどうして必要だったのか。

劇場用映画をテレビサイズと放送時間内に編集するため、補足解説する必要があったことがまず挙げられると思います。

昔のテレビのサイズで見せる場合、映画のサイズの左右両端をカットすることがあり、それによって映画館で見るときと比べ、その場面で写っている人が一人少ないなど、絵コンテが当初の映画用のものとかわっていることがあります。

もうひとつは、作品制作の裏話やエピソードを語らせるためですが、こちらは映画雑誌や芸能メディアに書かれているような、ありふれた内容も少なくなかったですね。

ただ、無名のマニアよりは、映画記者出身者や俳優のほうが説得力があるだろうということでの起用だったと思います。

淀川長治(土曜・日曜洋画劇場)





映画評論の草分け的存在。

小森和子や水野晴郎を見出したのもこの人です。

様々な人が見るテレビにおける優しい口調と、映画雑誌編集人としての舌鋒鋭い批評を使い分けていました。

荻昌弘(月曜ロードショー)





映画はエンタテイメント。

金持ち喧嘩せずではありませんが、日々の生活であくせくせず経済的に余裕のある人が道楽で見ることでその良さがわかる。

そう思わせるのが、荻昌弘の解説でした。

この人は、お金持ちのお坊ちゃん、東大時代は自分で映研を作り、学生時代から映画評論を始めています。

決して奇をてらった解説ではありませんが、オーソドックスに作品の随所に批評の目が行く届き、話をきいた後、勉強になったという感じがしました。

「お坊ちゃん」と書きましたが、あくまでそういう育ちだったというだけで、思想がブルジョワジーという意味ではありません。

批評家のポジションは体制派ではいけないという理由からか、日本社会党を支持する立場からの政治的発言でも知られていました。

水野晴郎





この人は逆に、不遇な「ほしのもと」で、映画を心の拠り所にしてきたようです。

洋画配給会社出身ですが、軍服を集めるとか、自分で映画を作って主演するとか、評論家というよりオタクでした。

でもそういう人は、映画そのものが好きなので、解説者としては、うってつけだったのだろうと思います。

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その他


映画番組自体はまだ現在も一部地上波に残っていますが、少なくとも昭和時代の作品は、CS、BSが扱うようになり、またDVDやブルーレイなどで一般に発売されるようになりました。

そのDVDに、映画番組のように本編の前に解説が入る場合があります。

たとえば、東宝クレージーキャッツ映画を26本DVD化した『東宝昭和の爆笑喜劇DVDマガジン』(講談社)では、冒頭の画像がそうですが、植木等の付き人であり、自身も出演者だった小松政夫が、淀川長治のモノマネで解説をしています。

関係者ということで、当時の撮影における楽しい裏話、エピソードが毎回語られています。

私の好きな作品である、東宝の森繁久彌主演「社長シリーズ」は全作DVD化されていますが、作品ごとに、宴会部長役で出演した三木のり平の息子である、小林のり一が解説しています。

昭和の映画番組、名解説者

まあ評論家といっても、番組で放送する作品を悪くは言えませんから、悪いものは悪い、面白くないものは面白くない、という突っ込んだ批評は望めませんでしたが、その中で誰がいちばん印象に残ったかといわれると、私は荻昌弘さんを挙げたいですね。

みなさんは、お好きな映画評論家(解説者)はいらっしゃいますか。

荻昌弘のシネマ・レストラン -
荻昌弘のシネマ・レストラン -
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コメント 18

pn

テレ東の木村奈保子ですなー(^-^)
by pn (2017-10-17 23:25) 

ナベちはる

「いや~、映画って ホントに 良いものですね」という声が、今にも画像から聞こえてきそうです。
by ナベちはる (2017-10-18 00:31) 

末尾ルコ(アルベール)

昭和の劇場用映画番組、名解説者を思い出す・・・この話題はいくらでも語れるわたしですが、小松政夫のお写真はスゴイですね(笑)。
荻昌弘や水野晴郎も好きでしたが、結論から書きますと、わたしとしては「淀川長治に尽きる」といったところです。しかし実は高知、当時民放は日テレとTBSしかありませんでしたので、『月曜ロードショー』と『水曜ロードショー』(『金曜ロードショー』)しか観ることができませんでした。「ではなぜ、淀川長治なのか」となりますが、『日曜洋画劇場』の放送がなくても、淀川長治は「誰でも知っている」メジャーな存在でした。わたしは小学時代から映画ファン的になったので、映画雑誌でもちろんいつも文章を読んでましたし、ラジオ番組も愉しみに聴いていました。NHKの番組などにもちょいちょい出ていましたね。
淀川長治のテレビ解説は「何でも褒めている」ように見えますが、実はいろんなトリックが仕掛けられていて、随所に「分かる人にしか分からない」発信をしている場合があります。蓮實重彦と武満徹の対談でも、淀川長治は「つまらない映画は、口では褒めながら、態度で〈観る必要がない〉ことを表現している」と言っていて、放送局としてはそれはどうかというのはありますが(笑)、人間としての広さ、深さは圧倒的でした。
淀川長治、蓮實重彦、山田宏一という、「映画を語る人間の頂点3人」の鼎談本『映画千一夜』は、わたしの宝物本の一つですが、蓮實重彦、武満徹、横尾忠則、坂東玉三郎ら、常人(笑)は恐れ多くてなかなか近づけない人たちも、淀川長治が相手だと子どものようになってしまうのは、間違いなく人間としての広さ、深さに心酔していたからだと思います。

淀川長治についてだけでもいくらでも書けますし、荻昌弘や水野晴郎についても書きたいことは多いですが、ここはグッと自重して(笑)ここまでにしておきます。

いっぷく様がお書きくださった『乱れる』のお話を拝読していたら、またすぐに観たくなってきました(笑)。『乱れる』の時点で加山雄三は「若大将」なのですね。これは『若大将』シリーズをまだまともに観たことない不届きなわたしとしては、ぜひとも近日中に鑑賞せねばならないですね。
お話を拝読しながらあらためて感じたことは、「俳優」を語るのであれば、できるだけその人の作品の総体を観ておかねばならないということです。『乱れる』という映画を観て、『乱れる』という作品を語ることはできますが、『若大将』シリーズを観ていなければ、『乱れる』の加山雄三に既に「後の加山雄三」が表れていることは気づきようがありません。当然のことのようでいて、つい見逃してしてしまいがちなことを気付かせていただきました。
加山雄三の場合、「悪気の無さ」というキーワードがポイントですね。何と現在の、機嫌よくステージで歌いまくる加山雄三にまで「悪気の無さ」が満ち溢れています。しかもこの前の番組では、お客さんがいつも以上に盛り上がっている。「ずっと変わらぬイメージでスターであり続けている」という点では数少ない一人だと理解できました。

>「女ですもの。あなたから告白されてから、あなたの姿が見えないと、あなたを探すようになったわ。そのくせ、あなたがそばにいると、不安で不安で、気が狂いそうだったの」

この台詞は、鑑賞者であるわたしも、思わず身を捩りそうになります(笑)。しかも高峰秀子が言っているという。わたしは『カルメン故郷に帰る』も大好きなのですが、成瀬巳喜男作品の中の最高の表現者でありながら、『カルメン~』のようなある意味過激な役もやっていた大女優の姿を観ると、時代が違うとはいえ、今の女優たちを観るのがバカバカしくなります。

>ガス人間・土屋嘉男を事故で死なせた加山雄三
  ↑
この部分、ツボです(笑)。まさに「ガス人間、フォーエバー」ですね!

前川清は子どもの頃からよく目にし、耳にしてきた男性演歌歌手の一人で、知らぬうちに歌える曲もけっこうあるんです。体形が、子どもの頃に見ていた印象と変わらないと言いますが、あの頃よりカッコよく見えるのが凄いなあと。
前川清のインタヴューのお話などをうかがうと、やはり考え方も以前からおもしろいところのある人のようですね。テレビでトークをしていても、「軽く外す」のがとても上手く、「自虐」も随所に発揮されます。程度の問題もありますが、「自虐」がまったくできない人って、けっこう困った性格が多いような気がします。
「就職試験管さんとの思い出」も堪能させていただきました。「こう答えてほしい」という質問に、「想定以外の答えが返ってきて」憤慨するような人は困りますね。  RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2017-10-18 00:42) 

うつ夫

増田貴光は別の意味で印象深かった。
by うつ夫 (2017-10-18 01:45) 

Rinko

子どもの頃は家族揃って映画番組をよく観ていました。すごく懐かしい面々ですね^^

by Rinko (2017-10-18 08:01) 

なかちゃん

昔は水曜ロードショーしか見ていなかったような気がします ^^
富山は民放の数が少ないからなのか、あるいは他のを全く観るつもりがなかったのかは分かりませんが…
水野晴郎の解説については、『いや~、映画って良いものですね』『いや~、映画って面白いですね』『いや~、映画ってホントに面白いですね~』と、自分が感じたことをランク付けして言ってたと、後でテレビの番組で見たことがあります(^^)

by なかちゃん (2017-10-18 09:29) 

hana2017

個人的には紳士的な風貌で、理路整然と解説をする、品田雄吉さんが好きでした。
荻昌弘さんがそれほど裕福な育ちをされていたのは知りませんでした。彼は映画評論家としてだけでなく、各地の美味しいものを知るグルメとしても顔ももっていました。
食も含めてやはり文化は、一定レベルを超えた余裕のあるところで育つもの♪
by hana2017 (2017-10-18 10:36) 

チャー

とても懐かしい面々です^^
TV映画 黄金時代でしたね。コメンテイターのカラーがしっかりあり、その解説ぶりも楽しかったです。小松正夫さんのものまねも楽しかったです
では・・・・今日はこれにて
「サヨナラ サヨナラ サヨナラ」
by チャー (2017-10-18 11:21) 

藤並 香衣

水野晴郎さんですね~
そういえば、解説も含めて楽しみにみていました
by 藤並 香衣 (2017-10-18 11:54) 

johncomeback

なんと言っても、「それではまた次回をお楽しみに、
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!」の淀川長治さんです(^^)
by johncomeback (2017-10-18 13:16) 

JUNKO

懐かしいお顔ですね。どの方の時もしっかり見ていました。映画が最大の娯楽の時代に育ちましたから。
by JUNKO (2017-10-18 13:21) 

Take-Zee

こんにちは!
サヨナラ、サヨナラの淀川さん。
懐かしいですね("^ω^)・・・

by Take-Zee (2017-10-18 15:53) 

arles

さよならさよならの人ー。
懐かしいわ
by arles (2017-10-18 18:45) 

ヨッシーパパ

中学生の時だったかなぁ?
銀座で淀川長治が一人で歩かれているところを見かけたこと上がります。
小さかったけれど、インパクトはありました。
小森のおばちゃまは、六本木の彼女の喫茶店で、大学生の時に後輩の女の子と話題作りに行った時に、小犬を抱いて隣の席まで来てくれました。
懐かしいです。
by ヨッシーパパ (2017-10-18 18:46) 

そらへい

淀長さんは、映画の解説よりも前に
西部劇「ララミー牧場」のあとに番組の解説を
例の調子でしていたのが印象に残っています。
かなり古い話ですが。
by そらへい (2017-10-18 20:08) 

kohtyan

懐かしい顔ぶれですね。
やっぱり、淀川長治さんが一番印象があります。
小松正夫さんの、ものまね上手ですよね。
by kohtyan (2017-10-18 21:19) 

makkun

昔は良いテレビ番組が多かったので
夜の8時となればテレビの前に座ったものです・・
日曜洋画劇場が一番の想い出ですが
映画の解説者と言えば「淀川長治」になりますね~


by makkun (2017-10-19 13:36) 

nikki

映画解説者でいえば、淀川さんですね。

映画といえば、テレビ東京12チャンネル時代、
1日に映画を3回も違う作品を放送してた時代があった。
午前中、昼の午後、夜。
よほど放送する物がなかった時代なのかな。

今は、レンタルDVDだったりネットのオンデマンドだったりBS、CSで見ることができるので地上波で放送する意味があまりなくなってきてますね。
by nikki (2017-10-20 21:43) 

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