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『吸血鬼が愛した大和撫子』フレッド・ブラッシーの妻が書く35年

吸血鬼が愛した大和撫子

『吸血鬼が愛した大和撫子ーフレッド・ブラッシーの妻として35年』(三耶子ブラッシー著、栄光出版社)という本を読みました。日本人女性が、いきなりアメリカ社会にとびこみ、老いるスターレスラーとの国際結婚生活を送りながら、日本女性として恥ずかしくない毎日を生きてきた、という話です。(上の画像はGoogle検索画面より)

吸血鬼が愛した大和撫子

フレッド・ブラッシーというのは、力道山が活躍していた頃、アメリカ・ロスアンゼルス地区(WWA)で世界ヘビー級チャンピオンとして君臨したレスラーです。

得意「技」は、噛みつきと急所打ち。

そして、相手レスラーだけでなく、観客を罵倒するマイクパフォーマンス(アジテーション)。

よく聞け、このヘタレ野郎ども!

観客の男どもはバカばかり。こいつらはどうしようもない奴らだ。避妊の大切さがわかるだろう

などと観客を煽ることで、興奮した観客は、ブラッシーが叩きのめされるのを観るために会場に足を運びます。

要するに、レスラーとしては悪玉(ヒール)です。

今で言う、炎上商法かもしれません。

しかし、プロレスラーは、どれだけ客を呼べるかが大切。

観客から憎悪を買う悪役レスラーの悪党人気は、興行上、不可欠なのです。

相手の血が映えるよう髪は銀髪に染め、1962年に来日した時は、ヤスリで歯を研ぐというパフォーマンスを見せました。

試合では、グレート東郷を噛みつきで流血させ、プロレス中継を見ていた老人がショック死したと話題に。

それに対して、“銀髪鬼”フレッド・ブラッシーは、その数字が本当かどうかはわかりませんが、悪役然とこううそぶきました。

レスラーとしてのキャリア全体では92人が心臓麻痺で死んでいる。俺は100人を目指してたんだが、だめだったな」(『プロレス社会学』同文館出版)

しかし、リングを降りると、私生活は信義や情に厚く、約束を守る誠実な人間であった、といわれています。

そんなフレッド・ブラッシーが、生涯の伴侶に選んだのは、九州巡業中にその着物姿に一目惚れした、両角(もろずみ)三耶子さんでした。

日本では、レフェリーのジョー樋口を仲介して連絡を取り、結婚前に会ったのはたった3回。

当時、日本プロレスのブッカー(招聘外国人レスラーの契約担当)をつとめていた、日系人レスラーのミスター・モト(岩本勝、アメリカ名はチャーリー・イワモト)が、仲人をつとめて婚姻しました。

フレッド・ブラッシーが51歳、三耶子さんが24歳でした。

ブラッシー夫妻は、フレッド・ブラッシーが亡くなるまで35年間、連れ添いました。

といっても、本書はたんなる純愛物語でもなく、フレッド・ブラッシーを神格化しているわけでもありません。

詳細は本書をご覧いただければと思いますが、たとえば、フレッド・ブラッシーはたしかに誠実で几帳面な人で、実は「ショック死」にも心を痛めていましたが、一方、偏食で、また人にものを教えるのはあまり得意ではないという欠点も明らかにしています。

そして、結婚したのが現役晩年のため、結婚生活の多くは、ケガの後遺症や病気の療養の時間だったことも告白しています。

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晩年になっても“リップサービス”は忘れなかった


以前ご紹介した、『1964年のジャイアント馬場』(柳澤健著、双葉社)という本にも、フレッド・ブラッシーが出てきます。

若手時代のジャイアント馬場が、1961年に武者修行でアメリカにやってきましたが、マネージャーのグレート東郷に下駄で殴られるところを見て、フレッド・ブラッシーがジャイアント馬場のことを、可哀想に思って胸をいためたというのです。

フレッド・ブラッシーは、その頃から、ジャイアント馬場が、嘘をつかない真面目な信用できる人間であると思ったそうです。

ジャイアント馬場はその後、日本に帰ってトップレスラーとなり、自分の団体(全日本プロレス)を設立しましたが、フレッド・ブラッシーはオープニングシリーズに駆けつけています。

そして、前夜祭のレセプションには夫妻で参加。

ジャイアント馬場と歓談していましたが、マスコミが近づくと、さっと表情を変えて、立食のフォークをジャイアント馬場に向け、「聞け変態野郎。俺はババの長い身体を二つ折りにしてやる」と、さっそくネタを提供したそうです(笑)

年配の方なら、プロレスファンでなくても、フレッド・ブラッシーという名前はご存知だと思います。

本書は、スターレスラーであるフレッド・ブラッシーのリアルな姿や、国際結婚の難しさを楽しさとしてしまう三耶子夫人の前向きな生き方などが描かれていて、完成度の高い読み物になっています。

新刊ではありませんが、お勧めできる一冊です。

吸血鬼が愛した大和撫子―フレッド・ブラッシーの妻として35年

吸血鬼が愛した大和撫子―フレッド・ブラッシーの妻として35年

  • 作者: 三耶子 ブラッシー
  • 出版社/メーカー: 栄光出版社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本

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ナベちはる

35年もの間の出来事が1冊の本に詰まっていることに、とても重みを感じます。
by ナベちはる (2016-08-26 00:50) 

うつ夫

ブラッシーの奥さんが日本人という話は聞いたことがありますが、どんな人かは謎でしたね。
by うつ夫 (2016-08-26 01:42) 

yamatonosuke

得意技が噛みつき?
噛みつきでスターになった凄いレスラーです。
非日常的な行動がうけたのでしょうか。
by yamatonosuke (2016-08-26 01:42) 

アニ

懐かしい、昭和の名レスラーですね〜^_^
by アニ (2016-08-26 06:02) 

土芽

悪役やヒールを演じてる人のほうが実は礼儀正しかったりしますよね。
今でも大変だと思いますが当時の国際結婚はさらに大変そう。
by 土芽 (2016-08-26 06:16) 

pn

トランプさんも実はこんな感じなのかな?
by pn (2016-08-26 06:25) 

Take-Zee

おはようございます!
噛みつきのブラッシー、鉄の爪エリック。
昔のプロレスは流血シーンが多かったですね
でも、人口の血のりとも騒がれたことも・・・

by Take-Zee (2016-08-26 06:49) 

green_blue_sky

ブラッシー、懐かしい。
悪役でしたね(^_^;)
暑い日がまだまだ続きそう。ひまわり、台風9号で倒れたところが多いので見納めになりそうです・・・
by green_blue_sky (2016-08-26 07:02) 

Rinko

私はプロレスは苦手ですが、父と夫が大好きです。笑
ここで読んだ話しを得意気にしてみたいと思います^m^
by Rinko (2016-08-26 07:50) 

pandan

台風の進路が気になります。
by pandan (2016-08-26 08:07) 

utamaroco

昔のレスラーは千両役者ですね。
by utamaroco (2016-08-27 01:00) 

タカシ

は先日、youtubeでヒールレスラーになる前のブラッシーの試合を見て感じたのは、この人には4の字固め、バックドロップ等の必殺技が無い本来は不器用なレスラーだと思うのでヒール転向によりスターレスラーになれましたね。普段の顔は優しい顔立ちですね。奥さんも当初は英会話も満足に出来ずコミュニケーションの面で苦労されたでしょうが、それを乗り越えられたのだから偉いと思います。
by タカシ (2017-11-25 22:34) 

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