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『クレージー作戦 くたばれ!無責任』坪島孝、植木等、浜美枝

クレージー作戦 くたばれ!無責任

『クレージー作戦 くたばれ!無責任』(1963年、東宝)を久しぶりに観直しました。日航機が群馬県御巣鷹山山中に墜落した8月12日は、本作を監督した坪島孝監督の祥月命日です。12日のブログは、おそらく日航機関連の記事が増えるでしょうから、私は坪島孝監督について書きます。(画像は『クレージー作戦くたばれ!無責任』より)



昨年も、この日は坪島孝監督について記事にしましたが、その手がけた作品のベスト5を書きました。

坪島孝監督(クレージー映画)の祥月命日は日航機墜落の日だった

その中で、最初に挙げさせていただいたのが、『クレージー作戦 くたばれ!無責任』です。

このブログで何度も取り上げたとおり、当時は、東宝クレージー映画がドル箱でした。

当時助監督だった坪島孝監督が、いきなりそのドル箱作品を手がける大役を任されます。

しかも、「無責任男」で人気爆発したシリーズなのに、タイトルは「くたばれ!無責任」。

そのタイトル通り、坪島孝監督は、シリーズを軌道にのせた、古澤憲吾監督とは「好一対を成す演出」(小松政夫)の作品を作り上げました。

以降、東宝クレージー映画において、古澤憲吾監督と共にメイン監督として活躍することになります。

私が思うに、古澤憲吾監督は、植木等の破天荒なキャラクターとともに、ミュージカルとハードなアクションが加わったSF的な構成です。

一方、坪島孝監督は、ファンタスティックな喜劇の中に、社会風刺的としてのメッセージを滲ませる繊細な演出が特徴です。

その代表的なものが、本作や、『クレージーだよ奇想天外』(1966年)、『クレージーの怪盗ジバコ』(1967年)などではないかと思います。

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喜劇の形態をとったサラリーマン世代への応援歌


田中太郎(植木等)は、鶴亀製菓の無気力サラリーマン。

石黒専務(山茶花究)の発案で、発売予定のハッスル・コーラの試飲役を命じられました。

蚊の泣くようなボソボソ声の太郎(植木等)は、ハッスル・コーラを飲むことで急に元気に。

植木等明るく行こう.png
『クレージー作戦くたばれ!無責任』より

この間、元気か出てくることを表現するため、画面がモノクロからカラーに変わる演出があります。

通勤バスでは、いつも順番に並ばないチンピラを諌め、同じバスで通勤する大東京商事の交換手・前川恵子(浜美枝)に見直されて交際が始まります。

ところが、ハッスル・コーラは興奮剤入りのため販売不許可に。

石黒専務(山茶花究)は、大江山社長(清水元)に責任を求められ、エキスを抜いた普通のコーラを販売する子会社を作り、そこに責任のすべてを押し付けることにしました。

子会社には、大沢丑松課長(ハナ肇)以下、太郎(植木等)、社長秘書を解任されそうになっていた小谷(谷啓)、以下、木塚(犬塚弘)、安川(安田伸)、桜田(桜井センリ)、石井(石橋エータロー)と、リストラ候補だったクレージーの面々が出向(といっても親会社にもはや籍はない?)します。

しかし、ハッスル・コーラの効果を信じる太郎(植木等)はめげず、恵子(浜美枝)に協力してもらい、大東京商事の社長(上原謙)とのコンタクトに成功。販売契約をとりつけ売上を伸ばします。

そして、せっかく開発費などの経費が回収できたところで、所期の目的は達成できた、これ以上子会社に業績を伸ばされたら、親会社の方が株主から何を言われるかわかったものではないと、石黒専務(山茶花究)は生産をストップさせます。

納得行かないクレージーの面々に、石黒専務(山茶花究)は、子会社を続けたければ、5000万の株を引取れと難条件をつけます。

太郎(植木等)以外の人間はいったんは諦めましたが、太郎(植木等)は、せっかく自分たちで軌道にのせた会社じゃないかと諦めません。

大東京商事の社長(上原謙)と懇意にしているバーのマダム(淡路恵子)を介して、銀行の支店長・金丸(田武謙三)にアタック。それがうまくいかないと、今度は頭取の岩下(東野英治郎)を浴場まで追いかけて、融資の話をつけます。

ところが、融資の話を知った石黒専務(山茶花究)は、子会社を吸収して融資契約を本社に切り替えようと裏で話をつけてしまいます。

クレージー裏切られ.png
『クレージー作戦くたばれ!無責任』より

しかも、ハッスル・コーラは、実は興奮剤抜きの、たんなるコーラだったことも知り、太郎(植木等)はがっくり。ヤル気を失います。

植木等しょんぼり.png
『クレージー作戦くたばれ!無責任』より

が、恵子(浜美枝)に、コーラがニセモノでも、頑張った事実は本物。太郎さんは太郎さんなんだから自分の思った通りの道を進めと励まされ、元気を取り戻します。

このへんはもう、青春映画のような展開です。

親会社では一階級上の辞令が出ていましたが、会社の勝手なやり方に嫌気がさした7人はそれをビリビリにやぶき、「自分たちでやっていけることがわかったので」と会社を去ります。

そして、ラストシーンは、丸の内仲通りを歌いながら闊歩。坪島監督らしい、ピーカンのシーンでエンディングです。

クレージー行進.png
『クレージー作戦くたばれ!無責任』より

レビューでは、ストーリーに対する評価はそれほど高くありませんが、当時のサラリーマンの観客には、きっとウケただろうなあと思います。

シリーズ晩年の、詐欺師や、人の褌で何かをしようとする植木等のキャラクターと比べても、明らかにこの時期の植木等演じる役は輝いていました。

頑張れば、後はなんとかなるさ、という清々しさは、何年たっても、何度観ても全く色褪せることがありません。


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