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あなたは率直にどう思う?LCCバニラ・エア問題と障がい者の対応

LCCバニラ・エア

奄美空港で、LCCバニラ・エアの関西空港行きの便を利用した半身不随で車いすの男性が、階段式のタラップを腕の力で上ったという「事件」。いつも障がい者の話題を書いてきたので、やはりこの件についても書かない訳にはいかないでしょうね。



ネットでは、二転三転してますね。

当初、LCCバニラ・エアが叩かれ、次に男性が確信犯でトラブルを起こしていることが指摘されて「当たり屋」「プロ障害者」などと言われ、さらに今日になって、BuzzFeed Japanという媒体で、「車椅子の女性」なる証言者が出てきて、「誰かが声をあげないと変わらなかった問題」と述べたと報じています。

ここがツイッターのまとめ記事です。

https://togetter.com/li/1124862

かりに横車やクレーマーであったとしても、それが社会発展の突破口になる可能性はありますから、その意味で今回の騒動を全否定はしません。

ただ、もうこういう騒動は今回限りであってほしいと私は思います。

公共交通機関の中でも、飛行機というのはきわめてセキュリティーにデリケートな乗り物です。

安全輸送と、すべての乗客の快適な乗降のために、たとえ障がい者だろうが高齢者だろうが、航空会社として譲れないことはあるだろうし、それを理解できないようなら、利用をご遠慮願うこともあるだろうと思います。

今回、私が入っているFacebookの障がい者関連の7つのグループでは、誰一人この問題をとりあげていません。

それが、障がい者一般が今回のことをどう思っているか、をよくあらわしていると私は思いました。

障がい者でない私が何か述べても説得力がないかもしれないので、障がい者のコメントも引用します。

『テトラポッドに札束を』という本を、このブログでもご紹介しましたが、テトラポットに13歳の時に頭からぶつかり、頚椎を損傷して首から下が動かない車椅子生活となった和佐大輔氏は、私のFacebookの一番最初の「友達」なのですが、彼はFacebookで、今回のことをこう述べています。

そーいえばもう遅い話題かもしれないけど、そしてわざわざ僕が言うことじゃないけど、バニラエアでの搭乗拒否事件って、バニラエアの方に同情する。僕が飛行機に乗るときはLCCには乗らないし、LCCだとしたら事前に確認する。なぜなら「普通じゃないのはこっち」だから(苦笑)
例えば「公共の場」だったらバリアフリーは徹底してほしいよ。だって僕も税金払ってるし、国民だから。でもさすがにどこかの離島の田舎までバリアフリーにしてくれとは言わない。だって予算がないもの。予算があって、かつ、障害者の利用が十分に想定される公共の場で起こった問題なら、そりゃやばい。
太った人がLCCを利用した時に狭さに逆ギレしても多分、あんまり共感されないと思う。でも障害者となるとみんな過敏だから、どうしていいかわからないから、とりあえずけしからんってなる。でも冷静に考えて、「イレギュラーはこっち」なんだよなー(苦笑)その自覚を持って生きてますよ、我々は。


全ての障がい者の意見がこうだとは限りませんが、少なくとも、障がい者の中に、今回の騒動について賛成でないことを公言している人物がいる、という事実にはなると思います。

みなさんは、どう考えられましたか。

付記
木島英登「まぁ自分がどういうふうに見られているかっているのは分からないですけど、障害をもとに飯を食ってるとか言われても、まぁ実際そうです。皆さん容姿の綺麗な人はモデルになったり、話がうまかったら芸人になったり、自分の個性を活かして仕事をしているだけなので、別にプロ障害者でもいいかなと思いますけど」
http://netgeek.biz/archives/98767


この男性は、航空会社への事前連絡というルールを守っていません。しかもそれは過失ではなく、ルールを守らないことを公式サイトで公言しています(騒ぐことが「仕事」だから)。事前連絡すれば乗れる保証があったのかなどという反論もありますが、それは論点のすり替えです。

安全輸送と、すべての乗客の快適な乗降を前提として、それと両立する形で障がい者に対する配慮が「加わる」ことを求めるのではなく、障がい者のためならそれらを否定してもいいという態度に、少なくない障がい者が「ついていけない」と感じていると思いました。



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商品名を変えて実質的な値上げ?


今日、みなさんにこっそりと、何が何でもお伝えしたいことがあります。

パスコの『ホイップメロンパン北海道メロン』。

『ホイップメロンパン』シリーズの新商品だそうです。

ホイップメロンパン北海道メロン

ホイップメロンパン北海道メロン

ホイップメロンパン北海道メロン

が、どこかで見たような気がすると思ったら、以前ご紹介した『ホイップメロンパン富良野メロン』にそっくりでした。

ホイップメロンパン富良野メロン

ホイップメロンパン富良野メロン

ホイップメロンパン富良野メロン

パッケージのデザインも画像もほぼ同じです。

違うところといえば、商品名が、「富良野メロン」と「北海道メロン」というところ。

あとは、外袋商品名上の「メロン風味のビスケット生地をトッピング」が、「メロン果汁入りのビスケット生地をトッピング」に、左側の「富良野産メロン使用のクリーム」が「北海道産赤肉メロン果汁」に、パン画像下の「メロンホイップクリーム入り」が、「メロン風味のホイップクリーム入り」にと、わずかずつ変更されています。

どれをとってもほとんど違いはないよね? という気がします。

実際にパンを見てみると、外見もそっくり同じ。

表面のビスケット生地の格子状の溝の色まで似ています。

違うのは中のクリーム。

白っぽかった『ホイップメロンパン富良野メロン』に比べ、赤肉メロンの色に近くなりました。

そして量が少ないです。

『ホイップメロンパン富良野メロン』はたっぷりのホイップクリームが入っていて、パンよりもクリームの量が多いと感じたくらいでした。

それに比べると、今回の『ホイップメロンパン北海道メロン』は、クリームが2割は少ないのではないかと思います。

パンとのバランスを考えたらこのくらいでも少なすぎるということはありませんが、『ホイップメロンパン富良野メロン』がびっくりするぐらいクリームが多かったので、姉妹品というか新商品としては、ちょっとグレードが下がったような気もします

ただ、ホイップクリーム自体はしっかりとみずみずしいメロン味ですし、表面のビスケット生地もメロンの風味で、メロン味のメロンパンを食べたい人には満足できるパンでしょう。

テトラポッドに札束を (単行本)

テトラポッドに札束を (単行本)

  • 作者: 和佐 大輔
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/10/10
  • メディア: 単行本

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コメント 30

うつ夫

太ってる人も遠慮しろ、というのはわかりやすいですね。
障がい者差別ではなく、誰でも制約や制限はあるかもしれないと。
by うつ夫 (2017-07-01 00:18) 

nikki

障害者の人でも意見が違いう人がいるのですね。
無理してLCCに乗ることもないし、
この記事を読んでどちらが悪いのかわからなくなりました。

今日のパン、特定地域から大まかな地域になって、
実質値上げですか。

深夜バス、書き忘れましたが、
名古屋大阪間は3000円です。

by nikki (2017-07-01 00:29) 

藤並 香衣

チケットを取る時点で確認できなかったのかなぁ
そう思いました
by 藤並 香衣 (2017-07-01 01:02) 

yamatonosuke

バニラエアのニュースを聞いたとき、
回りの乗客は助けなかったの?と思ったのが最初の感想でした。
by yamatonosuke (2017-07-01 01:53) 

末尾ルコ(アルベール)

LCCバニラ・エア問題・・・わたし、昨日この問題を知りましたが、件の男性の行動はある意味障がい者の方々に対する「否定的な特別視」を助長してしまう可能性が大きく、多少大げさな言い方に聞こえるかもしれませんが、社会の分断の一要因になりかねない感じを受けます。既にお記事の中にもあるように、この男性を「プロ障害者」などと呼ぶ向きもあり、もちろん軽々にそういう言い方をする方にも大きな問題がありますが、現実に「プロ市民」と呼ばれている人たちの言動が、ある方向に向いた社会的運動や発言をかなりの割合で無価値化してしまっているということもありますから、今回のような行動は「すべきでない」と、わたしも思います。難しい問題ではありますが、このような行動が高ずれば、「対立を煽り」、時に「憎悪を煽る」方向へ向かいかねないと感じます。

『ホイップメロンパン北海道メロン』・・・むむむむむ、「富良野」と「北海道」と、どちらにより「美味しそう」と感じるかは微妙ですが、なにせメロンを食べる機会なんて滅多にありませんので(とほほ)、地名からは甲乙つけ難いところです。しかし確かに、「富良野」の方のクリームの量は実に潤沢ですね。これだけあれば、半分くらいは食パンにつけてメロンクリームサンドとか作って食べられそうな気がします(笑)。それにしても同じPascoが似たような商品を出し、クリームの量だけ明確な違いがある。どのような企画・商品開発会議において、この決定が行われたか実に気になります。

山田姉妹がザ・ピーナッツの曲を歌うということで、いっぷく様が詳しくお書きになった文章を拝読していたこともあり、ひときわ感慨深いものがありました。山田姉妹のファーストアルバムの選曲は、わたしの好みとしては今一つ二つ三つだったもので、ザ・ピーナッツもそうですし、どんどん幅広くレパートリーを増やしてくれれば、ぐうっとおもしろくなると思います。わたし自身、ザ・ピーナッツと、その受容され方など、もっと深く知りたくなってきました。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2017-07-01 02:26) 

kinkin

確かに、一理ありますね。
例えの太っている方のエコノミー搭乗は正しくその通りですね。
他の方もコメントに書いてますが、他の搭乗者の手は借りられなかったのかな・・・
どちらにとっても反省点が沢山ありますね。
by kinkin (2017-07-01 07:04) 

pn

中には弱い立場を振りかざす奴も居ると言う事ですよね。
格安店で過剰サービス期待する人が多くなったのと次元は一緒のような気もします。
by pn (2017-07-01 07:23) 

johncomeback

旅先(現在千葉県香取市)にて押し逃げですm(._.)m
by johncomeback (2017-07-01 07:29) 

saru

緊急脱出の時はどうするんだろ?
by saru (2017-07-01 07:57) 

こんちゃん

以前知り合いに少し障害がある人がいたのですが、その人は障害を武器にするというか甘えるのが当たり前のような態度をとるのでちょっと困ったことを思い出しました。
このメロンパンこんなに変化があったなんて全く気が付きませんでした。
by こんちゃん (2017-07-01 08:21) 

チナリ

おはようございます。

>この男性は、航空会社への事前連絡というルールを守っていません。しかもそれは過失ではなく、ルールを守らないことを公式サイトで公言しています(騒ぐことが「仕事」だから)。事前連絡すれば乗れる保証があったのかなどという反論もありますが、それは論点のすり替えです。

テレビのニュース番組でこの男性がさも当たり前かのように事前連絡をしなかったと言っていたのを見て、「それはルール違反でしょう」 と思いました。

この男性曰く、「事前連絡をしても、拒否されるから」 だそうですが、航空会社さんとしては事前に連絡するようにとのルールがあるので、障がい者さんという問題は抜きにしてもやり方が違うような気がします。


今回はホイップクリームのメロンパンですね。

私はホイップクリームは好きなのですが、メロンパンが苦手なので好きなものと苦手なものが合わさった今回の商品はどのような感じなのかなと思いました。

by チナリ (2017-07-01 08:33) 

Take-Zee

こんにちは!
LCCの問題は難しいですね。
コスト削減、サービスカットで低運賃を実現しているのが
LCCです。
 普通のサービスに戻せばLCCは成り立ちません。
ほんの少数の方のためにLCCを止めるのは、もっと多くの
方が不満を持つでしょう。

 国内において身障者を大切にするなら、普通のキャリヤ
(JAL、ANA)を税金使って無料にして差し上げるほうが
良いのではないでしょうか?

 なんでも、かんでも公平にというのは無理があります。
今回のLCCの対応は一石を投じましたね。

by Take-Zee (2017-07-01 08:49) 

犬眉母

障がい者に限らず、現行ルールに不都合や事情を抱える人は、
普通は「どうやって既存のルールと折り合いをつけようか」と考えるものですが、
この方は、「どうやって事を構えようか」と狙っているふうに見えます。
by 犬眉母 (2017-07-01 09:42) 

旅爺さん

身障者にタイして会社の教育が生ってないんですね。
メロンパンに中身がある!”是非買いたいものです。
by 旅爺さん (2017-07-01 10:49) 

うめむす

こういう確信犯的なやり方に、疑問を感じます。
目論見通り(?)ニュースに注目が集まりましたが、
ネット上での意見を読んでも、
健常者の共感を得るどころか、まったくの逆効果です。
率直に申しあげると、私も不快です。

今回のようなことで、バリアフリー問題を考えることが、
あらぬ方向へ向かわないように願います。
いつも、いらぬ迷惑を被るのは、
障害者であれ、健常者であれ、
真面目に生きている人たちです。

by うめむす (2017-07-01 11:03) 

伊閣蝶

このLCCの問題は、一面的な感情論で括るのは難しいなと感じておりましたが、同じ障碍者の方からのご意見を拝読し、目の前が開けたようにも思います。
航空機は、他の公共交通機関に比べてかなりデリケートな乗り物で、状況によっては同じ機に搭乗した全員に影響が及ぶ可能性も決して低くはなく、それゆえにうるさいほどに注意点を列記するのでしょう。
そうしたことも考慮しなければと改めて気づかされました。
by 伊閣蝶 (2017-07-01 13:34) 

チャー

話が二転三転している事 知りませんでした
始めの報道だけで鵜呑みにしていたので驚きました 難しい問題ですね 話は 一方だけでなく
多方面から聞かなくてはいけませんね
それでも 本質は見えないのでしょうね

富良野メロンパンに1票!
断然 クリームが美味しそうです(^ ^)
by チャー (2017-07-01 13:36) 

レインボーゴブリンズ

昔からある言い回しで「安かろう悪かろう」というものがあります。ある意味でLCC航空会社も、これに当てはまると思います。搭乗する側にも、それなりの覚悟が必要だということでしょうか。
by レインボーゴブリンズ (2017-07-01 14:40) 

エンジェル

事前に連絡をしなかったこの男性に問題があるように思いましたが、こうして騒ぎになってこの会社も障害者用の昇降機を今後導入していく方向になったそうなので、それを狙った確信犯なのかと思いました。そうまでしないと改善されない日本社会の現状が悲しいです。
by エンジェル (2017-07-01 15:42) 

makkun

私はLCCバニラ・エアはANA系だと知り驚きましたが
格安となるとここまで手を抜いてしまうのか・でした。
翌日のニュースでは
「翌日昇降機を設置する予定」だったと言ってましたが
信憑性はゼロに等しく疑いは大です。
皆さんが書かれたコメントを読んで
こういう事でも「千差万別」の意見があるんだと
身障者として肝に銘じた私です。

by makkun (2017-07-01 15:58) 

テリー

LCCでも、障害者の方が、乗りたいというのは、わかりますが、LCCは、座席のピッチが、小さく、万一、事故発生で、飛行機から逃げないといけない時に、90秒以内で、逃げられるとは、とても、思えません。
もっと、重要な問題が、見逃されていますね。
by テリー (2017-07-01 18:38) 

tai-yama

奄美大島ならJALの障碍者割引でもLCCに近い運賃で乗れ
るのに。今回の騒動を機にバニラが撤退することだってあ
り得るのに。島民の方の交通手段を奪うようなパフォーマン
スはやめて欲しいと思ってしまいました。
by tai-yama (2017-07-01 19:36) 

ゆきち

話は両方からちゃんと聞いてみないとわからない、というのが感想です。
LCCはコストを下げるためにサービスは最小限に絞っていますから、やはり事前連絡は必要だったと思います。
メロンパン「北海道」ではなく「富良野」を探します。
by ゆきち (2017-07-01 21:37) 

れもん

ニュースでいうタラップを腕の力だけで上ったというのに衝撃をうけましたが、その背後になにかあやしい事情が隠されているらしい?本当のところはどうなんだろうと思います。しかしプロ障害者とかプロ市民とかいう言葉はいやですね。偏見がこもっている。
by れもん (2017-07-01 21:58) 

ワンモア

 私も記事にしようか悩んでいましたが、こういうデリケートな問題に切り込めるには、いっぷくさんだろうなぁとちょっと期待しておりました(^^)
 そして、その内容は期待以上のものでした。皆さまのコメントも参考になります。
 正直、障がい者の中に、今回の騒動について賛成していない人たちがいることに嬉しく思ってます。
by ワンモア (2017-07-01 22:23) 

utamaroco

和佐さんは巧すぎですね。人たらしです。
こういう言い方だと、車椅子生活でも手を差し伸べてくれる人はいると思うし、障がい者からの要望という形で何か提言されても対話もできます。

それに引き換え、、「別にプロ障害者でもいいかな」の人は・・。
by utamaroco (2017-07-01 22:51) 

クッキー

LCCは過剰サービスをカット、ギリギリの人員配置等で
運営している会社、事前連絡なしで押しかけて搭乗に見える
設備が無いのをわかっていて、サービスを提供させる?
第一報だけで判断はできず、LCCを叩くのは?
自分はルールを守らないでサービを強要に取られない行動
障がい者は怖い・我儘と偏見が広がらない事を祈ります。
関係無いけど、私の従兄弟は障がい者です。
by クッキー (2017-07-02 13:42) 

どもん

乙武さんの記事を読み、同じ障害者として怒りと違和感しか覚えなかったので、反論を込めてかきます。不愉快ならスルーしてください。

 バニラエアが謝罪したのは法律に反したからではありません。 あくまでも木島氏の感情に配慮した結果です。それは各種報道でもきちんと書かれています。
当初、男性は同行者に車いすごと担いでもらって上ろうとしたところ、転落の危険があると制止されたということで、バニラ・エアは、不快な思いをさせたとして謝罪しました。
 以上のように、いずれも謝罪をしたのは「不快な思いをさせたから」であり、法律上で問題になるような事をバニラエア側はしていません。
 これに関して「障碍者差別解消法」を持ち出し、同法の違反行為だと批判している人もいますが、これもデマです。同法は理念法であり、罰則規定も条項内に二つ存在しますが、一つは第19条で規定された秘密保持義務に反した場合の罰則で、もう一つは第12条で規定された報告義務違反です。
 国交省がバニラエアに事実確認を求めたのも前述した第12条によるものですし、それによって何らかの行政処分が下るという話ですらありません。
 そもそもの話で云えば、奄美空港は元々(この事件が起きた段階で)日本で唯一の車椅子の対応が不完全な空港で、それも2017年7月に昇降機を導入する事で対応する予定でした。
 また同法は理念法であると前述しましたが、理念法である以上、障碍者差別に関しての各企業の取り組みは努力義務でしかありません。つまり、事業者が同法の違法行為として裁かれるのは主務大臣や行政の指導・要請に応じなかったり、虚偽の事実報告をした場合です。
 もし仮に感情の問題として対処したのが虚偽報告に当たるのであれば、報告義務違反として国交省の告発で警察が動くハズですが、そういう動きはありませんよね。
 さて、今回の件で「バニラエアが障碍者差別解消法違反を犯した」と論じている人は、一体同法のどの条文を論拠にそう主張しているのでしょうか? 不思議な話ですね。ひょっとして、今回の件で「障碍者差別解消法違反だー」と騒いでいる人たちは、同法の名前しか知らず、条文を読んだ事すらないのではないでしょうか。

 障碍者差別解消法第8条では事業者に対し、障碍を理由として障碍者と健常者の間で不当な差別的扱いをしない事、障碍者の権利利益を侵害してはならない事が記されています。
また事業を行うに辺り、障碍者からバリアフリー化の提言をなされた場合、その負担が過重でないとき、これについて合理的配慮を行うよう記されています。
 前述した通り、同法は努力義務ですから、航空会社における同法の遵守について国交省は「航空会社に一任している」としており、殆どの航空会社は利用客の事前連絡による対応を持って合理的配慮としています。
 これに関して「健常者なら事前連絡なんて必要ないだろ!障碍者だけが事前連絡が必要なんて差別だ!」と騒いでいる方が多数見受けられますが、とんでもありません。
事前連絡が必要なのは障碍者だけではなく、妊婦や老人もそうですし、障碍の有無に関わらず、菜食主義や宗教食向けの機内食対応が必要な場合、事前連絡なしに用意するのは不可能です。
 また一方で「現場でフレキシブルな対応が出来ないのはサービスが足りない」みたいな批判も見受けられますが、これはサービスされるのが当然といういわゆる「お客様は神様です症候群」が前提となっている妄言ですね。公共交通機関とはいえ航空会社も利益を目的とする企業ですから、対価以上のサービスは行えません。
仮に行うとすれば、それは文字通りの無償奉仕であり、事業者側の純然たる好意の賜物です。
 それでも尚、事前連絡という必要最低限の手段さえ無視し、現場で即応するのが当然であり出来ないのが差別と論じるのであれば、その人にとっての差別とは「自分の要求を対価なしに叶えてくれない全て」という事になるのでしょうね。
 そもそもの話として、仮に事前連絡が出来ない緊急の問題性が生じた場合、これは健常者であるとか障碍者であるとか関係のない話であり、一切は利用者の要求に対し、事業者の譲歩と配慮で決定される事です。
事前連絡は不要、現場で即応すべきと論じている貴方に質問です。貴方は事前に相談出来るにも関わらず一切の相談をせず、それでも自分の要望を相手が叶えてくれるのが当たり前だと思ってるのですか? あるいは緊急的な問題が生じたとして、それを相談するでもなく相手が解消してくれるのが当たり前だと思っているのですか?

 木島さんは「歩けないことを理由に飛行機に乗れない」と語っていますが、これは事実認識に齟齬があります。正しくは「自力歩行が困難な人は非常脱出90秒ルールに抵触し、安全に配慮出来ないため断られた」です。

「非常脱出90秒ルール」とは簡単に説明すると、これは「緊急時、乗客・乗員全てが航空機から脱出する場合、脱出が90秒以内に達成出来ない旅客機の構造はアウト」という国際条約を根拠とする航空法上のルールです。各航空会社はこれを元に避難誘導の訓練を行います。
 当然、乗客の身体能力に大きな差異がある場合(例えば自力歩行が困難な身体障碍者、妊婦、ご老人、小さな子供が多い団体など)、90秒ルールを達成するためにそれらの介助要員を増やす必要性があるのは、常識的な想像力があれば理解出来ると思います。
重要なのは、航空会社は全ての乗客の安全に配慮するための義務を背負っているという事です。ルールを無視し、無理矢理飛行機に乗り込んだ人が緊急トラブルによる事故で死ぬのはその人の勝手ですが、その無謀な人のために他の乗客が犠牲になるのは本末転倒を通り越した極めてナンセンスな話です。
今回の騒動に関する一番の問題は車椅子客の搭乗を断った事でもなければ、行きの便と帰りの便で対応が異なった事でありません。行きの便で「安全上の問題」として拒否した事前連絡なしの車椅子客の搭乗をなし崩し的に許してしまった事こそが一番の問題なんです。
 これこそ国際法に反する愚行であり、むしろ帰りの便の担当者が、頑として規則違反を理由に搭乗拒否をした事こそ、安全運行を維持するための正しい対応と云えるでしょう。
 もちろん、事前に連絡した結果、障碍者の搭乗拒否は有り得る話です。悲しい話ですが、それは様々なサービスを切り落とす事で料金の低価格化を図っている格安航空会社なら尚更です。
 しかしそれは差別だからではなく、自力歩行不能な障碍者(お客様)の安全を確保できないという理由でしかありませんし、格安航空会社よりは高くなりますが、大手の航空会社はそうした安全面に大きく配慮しています。
また障碍者向け割引サービスも充実しており、プランによっては健常者の半額以下で搭乗可能な場合もあります。もちろん、健常者がそのサービスを単独で受けられる事はありません。しかしそれはあくまでも障碍者に対する配慮であり、健常者に対する差別ではありませんよね。
 同様に、障碍の有無や様態を航空会社に対して事前連絡し、その対応を求めるのも障害者を差別するためのモノではありません。それは安全を維持するために必要なほんの些細な配慮を、航空会社が請うているのです。この配慮は障碍者のみならず、健常者でも特別な事情・理由があれば必要である旨も前述した通りです。
 想像してみてください。仮に貴方が自力歩行不可能で車椅子利用が必須の身体障碍者としましょう。貴方は航空会社の制止を振り切り、無理矢理飛行機に乗り込みました。そして実際に事故が起きたとき、貴方は誰の介助もなく機体から脱出する事が出来ると断言できますか?
貴方が持ち込んだ(規定に反する)車椅子のために通路が塞がれ、他の乗客あるいは乗員の命が危険に晒される可能性にまで考えが及びましたか?

 今回の事件と極めて酷似した類似判例があります。
 この判例は、障碍を持ち、規定上で介助が必要な乗客Xが航空会社Yに対し、事前にそれを知らせず当日対応を求めた話です。今回のケースとほぼ同じですね。
 結論から申しますと、敗訴したのは訴えた障害者側(乗客X)です。一審の地裁で敗訴し上告するも、高裁では控訴棄却されて判決が下りました。判決主旨は、乗客X側は全て介助なしで自力で搭乗可能と主張し、介助者と同行せず、かつ予約時に障碍の有無や詳細を航空会社側に一切伝えず、当日そのまま搭乗しようとしました。
しかし、乗客Xは言語障碍により意思疎通が困難、かつ身体障害により食事やトイレも一人で行えないという状態。乗客Xは「飛行機が発着するまでトイレも食事も我慢する」と主張するも、生理現象を完全にコントロールするのが不可能である以上、事前通告なしに航空会社Yがそれに対応するのは無理と判断され、搭乗拒否はセーフ
ティ上適法であり、債務不履行責任を問う事は出来ないとの見解が裁判所の判断。

 これは平成20年、つまり9年前の判決ですから、昨年に障碍者差別解消法が施行された日本において、このケースと同じ結論になるとは限りません。しかし、仮に木島氏がバニラエアを訴えたとして、おそらく大同小異の結論になったと思われます。

 実際問題として、格安航空会社(LCC)に、大手航空会社と同じサービスの質を求めるのは難しいです。そもそも前述した通り、この騒動が起きた段階で、バニラエア側には障碍者の受け入れ態勢が出来ていませんでしたから、どのみち木島氏が事前に連絡したところで(自力歩行が困難な同氏の)搭乗拒否は不可避でした。
 しかし、だからといって航空会社が差別を助長しているワケではありません。障碍者差別解消法が理念法であり、各事業者のそれが努力義務でしかない点、また障碍者対応を行っているLCCが存在した点、LCCの低価格はあらゆるサービスを最低限度に抑える事で低価格を維持している以上、一定以上のサービス提供が不可避な乗客対
応をする事は出来ない点、また事前連絡せずに強行してゴネ得で搭乗する事は安全運行に支障を来たす可能性があった点などを鑑みれば、木島氏の行為は決して障碍者のためなどではなく、彼のエゴイスティックで独善的な目的を果たすための手段=パフォーマンスとしか表しようがないのも事実です。
元々バニラエアは来月にも昇降機の導入を予定していましたし、今まで拒否していたからとこれから先もそうとは限りません。そういう意味ではタイミングが悪かったと見るべきかもしれませんし、もし木島氏が全ての事情を知った上で強行したならば、それは障碍を盾にした非常に卑劣な行いです。
公共交通機関と一口に云っても、タクシー、バス、長距離バス、電車、航空機のそれぞれで必要な努力義務や安全への配慮は異なります。
バリアフリーが進んだ結果、あらゆる公共設備がノーマリゼーション化された未来は理想ですが、その理想を叶えるためには莫大な予算と努力が必要ですし、現状ですぐさま達成出来ない事は誰にでも理解出来るハズです。
「健常者と同じようにLCCのサービスを受けられないのは差別だ!」と主張される方もいますが、航空機の利用者は(その料金価格から鑑みて、一般的には)富裕層向けの公共交通機関であり、LCCといえども生活困窮者がおいそれと利用できる類のものではありません。
航空券の検索サイトで関空〜奄美までの価格を検索してみたところ(2017年6月29日現在で)最低価格4550円から最高価格3万円オーバーまで幅広い検索結果が出力されましたが、これは普段の移動手段としてバスや電車を使っている層からすればかなりの高額です。
 タクシーは(距離と単価の相関関係で考えれば)もっと高額で、10kmほど走っただけで3000円を超える事も珍しくありません。しかもタクシーの場合、車椅子に対応したモノは殆どありませんし、あっても料金が割り増しとなり、どうしても健常者が乗る場合より高くつきます。
車椅子利用者が乗車できないタクシーは、障碍者に対する差別でしょうか?

 最近はノンステップバスが増えましたが、まだまだ完全ではありません。またノンステップバスでも障碍者用スペースは限られており、それは健常者と比べて不利である点は事実としてあると思います。しかし、それを解消するために各バス会社はどれだけの負担を払うべきなのでしょうか?
利益を無視したり採算を度外視してまでも障害者のために尽くすのは当然なのでしょうか?
 電車でも規定外のサイズの手荷物を持ち込めば手回り品料金を取られますが、車椅子利用者が手回り品の規定サイズを遥かに超える大きさの車椅子に搭乗したまま電車に乗り込んでも割り増し料金を取られません。これは健常者差別でしょうか?

誰でも公共交通機関を低価格で利用出来ないのは、本当に差別なのでしょうか?もしそうであるならば、国交省は障碍者差別解消法を理念法とはしなかったハズです。出来る事と出来ない事、達成に際して相応の時間がかかる事、それらを総合的に鑑みた結果の努力義務なのです。
一方でその隙間を狙い、サービスを捨てる事で価格を安くしたり、逆に料金は高くなりますがサービスを充実させつつも、障碍者に配慮して障害者割引や特約を採用している公共交通機関は数多く存在します。それはどちらも障碍者差別でもなく、もちろん健常者差別でもありません。
映画館のレディースデーが男性差別でないのと同様に、各々の公共交通機関のサービスの形態と対象が異なるだけです。

 遠い地域や他国への旅行に用いる事が殆どの航空機と、日常の移動手段として頻繁に使うバスや電車を無理矢理「公共交通機関」と云う枠組みで括り、必要とされる安全性やその理由、関連法案の差異の一切を無視し、自分のイデオロギーを満たすために無理矢理混同していませんか?
 もちろん、真に平等な社会を目指すならば、あらゆる差異は解消されねばなりません。しかし、そのために負担すべき義務や配慮も当然存在します。そしてその義務や配慮は健常者だけが負うべきモノではなく、障碍者も共に背負うべきモノです。それこそが真に平等であるという事ではないでしょうか。
 安易なアファーマティブアクションは逆差別を生じさせますし、杜撰な差別認定は対立や隔絶を生みます。我々がなすべき事は、一人一人がほんの少し配慮すれば皆が気持ちよく暮らせる社会のはずです。
 例えばの話、清掃員がいるからとあちこちにゴミをポイ捨てするのを正当化してしまえば、世の中はあっという間にゴミだらけになる事は想像に難くありません。
航空機のチケットは事前予約で購入するのが当然で、窓口で購入するにせよネットで購入するにせよ、購入時に相談する機会はあったハズです。それを意図的に行わず、事業者にも、また事業者以外の他の乗客に迷惑をかける行為は、果たして本当に差別の解消に繋がるのでしょうか?
 ご老人や妊婦が電車に乗ってきたら席を譲る。
 目が見えない人が危険な場所に足を踏み入れようとしていたら、お声をかけて注意を促し、誘導する。
 耳が聞えない人が緊急アナウンスを聞き取れてなかったら、筆談で警告を促す。
 足の悪い人が横断歩道を渡るのに難儀していたら、一緒に渡ってあげる。
 車椅子の方がスロープを探していたら、スロープの場所まで誘導してあげる。

障碍を持つ我々も出来る範囲で健常者に配慮すべきではないでしょうか。もちろん、席を譲れとか介助しろという話ではありません。我々の事情を知らない人のために、我々の事情を出来る範囲で相談すべきです。その小さな配慮が、結果としてお互いを助けるための礎になるハズです。
それとも、事前に連絡して対応を求めるのはそんなに困難な事なのでしょうか。配慮をするための配慮を求める事は、それほど差別的な事なのでしょうか。
 もし「配慮とは常に健常者が障碍者に対してなすべきモノであり、その逆は差別だ」とおっしゃるのであれば、それは最早独善的なイデオロギーを前提としたエゴそのものでしかないでしょう。
 そこにあるのは平等ではなく、障碍者を頂点とし、そんな障碍者に対して健常者が無限の配慮をするのが当然という差別的社会そのものです。
そんな貴方の世界は(貴方の中で)貴方一人だけの楽園として成立しているのかもしれませんが、そうではない殆どの人たちは皆、自分と自分以外の人のための小さな配慮を、日々それと気付かずに行っている事を知って欲しいと切に願います。
by どもん (2017-07-02 17:04) 

こじろう

LCCを使いたいって気持ちは分かるけど,事前に連絡をしなかったのはマズイと思うんだ。
だって,本当はそんなことがあってはいけないけど,万が一の時,誰かが彼を運んで機外へ出なくちゃいけないんだけど,乗務員にそれができるだけの時間と体力がないと思うんだ・・・。
だから,事前に問い合わせるのは重要だと思うんだけど,みんなはそんな万が一の事って考えないんだろうか?
by こじろう (2017-07-02 20:12) 

関谷貴文

木島氏を擁護する人も気持ちがわかりません。
事実から目をそらしているだけの気がする。

このブログ記事には書かれてないけど、木島って人は機内で、「トイレにいくのが面倒なので容器に尿を取る。それは勘弁してもらいたいな」などと言ってるんですよ。
昇降機云々という揉め事のきっかけだけを見るのではなくて、木島って人の本質が何か、世間は障がい者にどうして欲しいと言ってるのか、擁護するならそこまで見てからにして欲しいです。

擁護してる人は、そのへんどう考えてるんですか。後学のため是非知りたいです。

by 関谷貴文 (2017-07-02 23:41) 

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