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聴覚障害者(ろう者)バス運転士誕生に3つのリアルなエピソード

聴覚障害者(ろう者)のバス運転士誕生に見る3つの見どころ

聴覚障害者(ろう者)のバス運転士がYahoo!ニュースで話題になっています。2016年4月に施行された道路交通法施行規則の改正で、免許取得の条件が緩和され、ろう者の二種免許の取得が可能になったことで、日本で初めてろう者のバス運転士が誕生しました。



これまでの二種免許の取得条件は、「補聴器を使用せずに、10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聴こえること」でしたが、2016年4月の改正で、その条件を満たすために補聴器の使用が認められることとなったのです。

視力が悪い人は眼鏡等使用が認められているのに、これまで聴力だけが矯正を認められないというのは、考えてみたらおかしな話です。

視力が悪い人は眼鏡等使用が認められている

それはともかく、このニュースのよかったところは、決して「バス会社が障碍者を採用、感動して頂戴」という“美談”ではなく、もっと泥臭い話であることです。




全国初、ろう者のバス運転士 支援と理解で発車オーライ!
https://news.yahoo.co.jp/feature/907

私は、この記事には、障碍者と就業に関する話として、3つの積極的な点があると思いました。

1.困難なことがあったらそれに噛み合う対策をたて前に進むことを諦めない
2.バス会社の採用を巡る議論は差別ではないからこそ正直に晒した
3.聴覚障がい者に対しては「誤解」がある

あらすじを書きます。

松山建也さん(25)は、最初運送会社のドライバーになりました。

ろう者の採用経験がない会社であることを知った松山建也さんは、ろう者であることによるコミュニケーションの不安を相手に抱かせないよう音声認識ソフトやSNSを用いたコミュニケーション手段を面接で提案し、晴れてドライバーとして入社を果たしたそうです。

さらに、職場では社長に、「ろう者のドライバーをもっと増やしたらどうか」と提案。

慢性的な人材不足と、ろう者のドライバー就職に道を付けました。

次に、二種免許を取得して、夢だった観光バス会社を中心に転職活動を開始。

観光バス会社を中心に転職活動を開始

5社不採用になったものの、5社目では社内で率直な議論がかわされました。

採用に反対した人は、決して差別の気持ちからではありません。

「どのようにフォローすればよいか、想定ができなかった。お客様とのやりとりや安全面、社との連絡をどうすればいいのか、と」(取締役・統括本部長)

乗客の安全を考えるべき公共交通機関なら、あって当然の議論です。

しかし、社長は熟慮の上、一転採用を決めます。

「(筆談)ボードを持ってきたり、(音声)変換器があります、とか。今までトラックの運転手をやってて(ろう者の)仲間も増えていたのに、夢がバス運転士やから、って辞めて。要は、退路を断って来た。これは相当な思いがあるな、と」

「(不採用を決めて)家に帰ってからも、ずーっと、彼のことが気になって仕方がなかったんですね。僕がチャレンジしてやれへんかったら、誰がチャレンジしてやるんかなと……」

人生は必然と偶然の撚(よ)り合わせ、というのは私の持論です。

松山建也さんの、目前の困難を前向きに対策する「必然」が、社長との出会いという「偶然」とあざない、松山建也さんは晴れてドライバーになりました。

もし、松山建也さんが前向きに対策することを怠り、「差別だ、障碍者差別だ」とだけ騒いでも、何も結実しなかったでしょう。

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障碍について知らなければならない


早稲田大学障がい学生支援室に勤務する志磨村早紀さん(28)の、「聴覚障がい者に対する偏見というより、誤解が多い」というコメントも記事は紹介しています。

聴覚障害の中には、話せるけれど正しく聞こえない、という「感音性難聴」があります。

手話は使わないから、聴覚障害に見えないことで、逆に不都合なこともあります。

私が普段、高次脳機能障害は、見た目に障害が出ないから可視化しにくい、と書いている通り、障碍者への理解と支援は、まずその障碍について知ることだと思います。

このニュースはトピックスのように、すぐには消えないと思いますので、関心のある方はぜひ御覧ください。

ふしぎだね!?聴覚障害のおともだち (発達と障害を考える本) -
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聴覚障害のある友だち (知ろう!学ぼう!障害のこと) -
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nice!(255)  コメント(21)  [編集]
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コメント 21

pn

人工肛門もなんだ。
確かにメガネは良くて補聴器はダメって理屈は変ですよね。
by pn (2018-03-20 23:19) 

ゆりあ

確かに、補うべき道具があれば問題ない感じですよね。
by ゆりあ (2018-03-20 23:59) 

うつ夫

出会いも運のうちですね
by うつ夫 (2018-03-21 00:26) 

藤並 香衣

そういわれればそうですね
聴覚障がいの方にも進路が開けていくと良いですね
by 藤並 香衣 (2018-03-21 00:39) 

ナベちはる

補助するための道具があれば、あとはそれを使えば…なので、障がいというだけで進路が狭くなるのは寂しいですね。
by ナベちはる (2018-03-21 00:51) 

nikki

言われてみればそうですね。
最近障がい者が活躍する場面が増えました。

しかし、この記事とはちょっと外れますが、
名古屋城を木造再建することが予定されていて、
そこにエレベータをつけるかつけないかで、
障がい者団体が抗議しているという話があります。

by nikki (2018-03-21 01:32) 

犬眉母

為せば成る、で何事も
前向きなことが大切ですね。
by 犬眉母 (2018-03-21 01:55) 

末尾ルコ(アルベール)

先ほどまで入浴しておりました(笑)。最近は朝風呂が多いのですが、スケジュールの都合上。しかも昨夜は夕食後、(ちょっと寝よう)と思ってベッドに入り、気がついたら0時を回っておりました(とほほ)。それはさて置き。

聴覚障害者(ろう者)バス運転士誕生に3つのリアルなエピソード・・・これは様々な示唆をいただけるエピソードですね。この世の中、「社会的思い込み」というものが無数にあると思うのですが、実はそうしたもののほとんどは、ある種の発想の転換などによって解消できる場合が多いという事実のとても大切な例であるような気がいたします。気がいたします。
いっぷく様が挙げてくださっている「3つの積極的な点」、素晴らしいですね。特に「1」はどのような立場の人であれ、人生の中に起こるすべてのものごとに対して適応できる心構えです。「社会的思い込み」に加え、「個人的思い込み」も人生の可能性を大きく左右しますね。様々なシーンで「ここから先は進めない」と思い込んでいる人が多く、そうした人たちは話をしていてもおもしろくないですね。人生はいろんなことを創作できる場であるのに、プラモデルみたいに「決まったこと」しかできないと思い込んでいる人がとても多いです。本日のエピソードは松山建也さんの人生に対する実に積極的な取り組みというだけでなく、すべての人に対して大きな示唆を与えていただけます。
「知る」ことも本当に大切ですね。もちろんあらゆる事象に対して「パーフェクトに知る」ことは困難ですが、少なくとも「知ろうとする努力」を怠るべきではありません。どんな物事に対しても、「できるだけ正確に把握しよう」という努力ですね。当然のことのようでありながら、実は多くの人ができてないし、わたし自身もものごとによっては「できている」とは言い難いことも少なからずあります。自らの反省も含め、大きな示唆をいただけました。ありがとうございます。

剛力彩芽(笑)。確かに、アイドル女優路線ではなく、「つのだじろう的世界」の体現者となった方が、しっかりした作品(笑)を残していたかもしれませんね。まだ若いので、これからでも遅くありません、ぜひ剛力彩芽主演『亡霊学級』を実現させていただきたい。作品完成のあかつきに、わたしが鑑賞するかどうかはさて置いて(笑)。

>蓋を開けたらゴキブリがたくさん入ったゴキブリまぜご飯になっていた

このテのえぐいエピソードは、つのだじろうはお手のものでしたね。やや記憶は曖昧ですが、『亡霊学級』では確か弁当箱の中が芋虫でいっぱいだったシーンもあったと思います。あれは心底気持ち悪かった(笑)。そもそも『恐怖新聞』って、雨戸を閉めていても突き破って中に入って来るんですよね。(こりゃあ、どうやっても逃げられない)とビビりまくりましたよ。つのだじろうって、自分で漫画に描いていたようなことをだいたい信じていたのだったと思いますが、信じていて怖い漫画を描けるというものでもなく、その点は才能だったんでしょうね。

>父親が見つけて、大事なものを忘れるなとか言って引越し先まで運んでしまった

いっぷく様のお気持ちを忖度(笑)してくださらなかったのですね。あまりに怖い漫画とか写真が載っているものは、「同じ空間」にあってほしくなかったです。今見れば「ネタ」でしかない「心霊写真」の類いも、子どもの頃は「部屋にあってほしくない」ものが多かったです。
楳図かずおも怖かったですよね~。それと、漫画としてのクオリティも高い作品が多かったと思います。楳図かずおは、恐怖漫画ではないですが、『まことちゃん』も好きでした。

祖父母がプロテスタントだったという件はいつもお話させていただいておりますが、わたしが20代くらいに精神的地獄とも言える状態に陥った時、救いを求めて、カトリック、プロテスタントともにいくつかの教会を訪ねたことがあります。しかしわたしにとってはまったく「救い」になりませんでした。このあたり、日本のキリスト教界のそらぞらしさだと思うのです。あくまで「わたしにとって」ですが、教会の説教よりは、イエス・キリストについて書かれた優れた書籍を読む方が遥かに多くの示唆を受けましたです。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-03-21 02:26) 

Rinko

いっぷくさんの「人生は必然と偶然の撚り合わせ」という言葉、名言ですね~。
この事例のように努力を重ねあきらめない人に素晴らしい「偶然」が訪れることを願います。
こうした目に見えない障がいを持つ方々の事に対する理解をもっと深めていかないといけないですね。
by Rinko (2018-03-21 07:56) 

ヤマカゼ

前向きでガッツのある方ですね。
by ヤマカゼ (2018-03-21 08:07) 

Take-Zee

おはようございます!
耳がちゃんと聞こえるのにイヤホンで大音量。
目が見えるからスマホでゲーム。
こんな輩(やから)から免許はく奪する方法を
考えて欲しいものです。

by Take-Zee (2018-03-21 08:11) 

kohtyan

聴覚障害者も、二種免許OK、遅すぎました。
視覚は常人より、すごい感覚を持っておられると思います。
by kohtyan (2018-03-21 11:26) 

アールグレイ

ろう者の方の、バスの運転手さん、良かったです(^_^)
ほかの職種にも、増えてほしいです。
誤解が、多いですよね。
by アールグレイ (2018-03-21 11:29) 

makkun

確かに障害に伴う不便さは多々ありますので
平等の観点からして健常者と同等に事が出来る環境は
絶対に必要です。
松山建也さんの件を筆頭に
希望者への対応が完璧になされる事を期待したいです。
by makkun (2018-03-21 13:29) 

斗夢

わたしは近眼でメガネをかけています。
障害者にはなれないとしても、せめてメガネ代を所得控除して
もらいたいと思ったものでした。
by 斗夢 (2018-03-21 13:34) 

なかちゃん

補聴器で対応できるような障がいだからまだ良いのですね。
でも、こんなステキなお話も自動運転の普及というやつに乗っ取られてしまって、誰も免許が取れなくなったりして(^^;

by なかちゃん (2018-03-21 14:01) 

hana2018

自身のもつの困難を諦めずに、前向きに対策したご本人。そして社会のもつ思い込みにとらわれなかった社長との出会いから、松山さんは夢をかなえられた・・・との事ながら。。こうした事例が特別でなくなるには、まだ人々のもつ偏見をなくすだけの時間がかかると思います。道が開けたのは朗報に違いありません。
私ごとですが、昨年の夏にあまりに耳鳴りが酷かった事より、耳鼻科で調べてもらったら左耳の聴力がほぼなかった事が判明しました。医師が言うには脳神経が原因としか考えられないと。
それがある日突然であったのか?それとも受傷した時からのか?自分でもわかっていないのです。
身体に加えて、聴力が半分なのも不便ですよ。
by hana2018 (2018-03-21 14:54) 

チャー

よい出会いから良い人生がおくれる 導かれる何かがあったのかもしれませんね 良い話だと思いました
by チャー (2018-03-21 18:27) 

johncomeback

確かに眼鏡はOKで補聴器はNGって変ですね。
偏見より誤解、それよりも無知・無関心が問題のような気がします。
by johncomeback (2018-03-21 19:16) 

クッキー

公的資格の取得条件を見直す必要は有りますよね
by クッキー (2018-03-21 20:37) 

いっぷく

みなさん、コメントありがとうございます。

>こんな輩(やから)から免許はく奪する方法を
>考えて欲しいものです。
>by Take-Zee (2018-03-21 08:11)

そういう話ではなくて、
聴覚障害者と就業の話です。
記事をちゃんと読んでからコメントしてください。
by いっぷく (2018-03-22 01:03) 

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