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『他人を非難してばかりいる人たち』ネット私刑に熱中する心の闇

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『他人を非難してばかりいる人たち バッシング・いじめ・ネット私刑(リンチ)』(幻冬舎)を読みました。著者は、精神科医の岩波明氏。ネットで起こったバッシング事件を振り返り、マスコミやネット民はなぜ他人を徹底的に傷つけ糾弾したがるのか、について自らの見解を述べています。







Amazonのレビューの中に、本書を「玉石混淆という印象」と評している人がいますが、全く同感。

なるほどと思える指摘と、これおかしいんじゃないと思える部分とがあります。

ということで、本書の感想については、賛成したり、反対したり、ややこしいのですが、なるべく整理して書きます。

自分を「神」と勘違いしているマスコミと一部大衆


前半は、これまでに起こった、ネットの炎上やマスコミのいくつかのバッシング事件について、批判的に振り返っています。

これは、とくに否定するものではありません。

たとえば、岩手県の地方議員が、病院の対応にクレームをつけたことを、ネット民がいつまでも執拗に非難したことで、議員は結局自殺したことがありました。

ネット民は、責任を感じるどころか、その議員が軟弱であるとあざ笑う書き込みを続けました。

でも、それはおかしい。

学校のいじめで自殺する事件があると、ネット民はいじめた側を責めます。

さすれば、その議員に対する自分たちの行為はどうなのか。

ダブルスタンダードでしょう。

要するに、ネットのバッシングに大義はないのです。

著者は、マスコミやネット民が、自分を「神」と勘違いしているのではないかと指摘しています。

う~ん。

私は、大衆にそれほどの意識はないと思います。

何か、根拠や大義を確認しているわけではなく、思うがままに暴言を書き連ねている、思慮も恥も知らない、卑怯で刹那的なおバカさん、という以上の意味は無いと思います。

芸能人の些細な言動で炎上する件


芸能人の些細な言動で炎上する件について、著者はこう述べています。

われわれは、芸能人や「スター」が破天荒なことをしてくれることを期待しているし、彼らの予期せぬ言動を楽しんでもいる。

だから、そういった類の記事やニュースを、真剣に受け取る必要はないし、斜め読みしてすぐに忘れてしまえばよいのに、真面目にタレントの態度や発言を批判すること自体、バカバカしいことだ。

私は、この意見について全面的には賛成できません

「タレントの態度や発言」が、社会に影響をあたえる場合もあるから、タレントなら何を言ってもいいとは思いません。

おそらくこの著者は、芸能界をコバカにしており、その本音がここには表れています。

ただし、エンターテインメントとしての虚実ないまぜの言動を、額面通り受け止めて叩くことのおろかさを指摘している点は、この著者の言うとおりだと思います。

たとえば、このブログで過去に書いた、テレビカメラが回っていないところでも横柄な態度をやめない泉ピン子

泉ピン子、“最恐”なふるまいの真相
泉ピン子、ご意見番報道で改めて考える“最恐論”

どこまで地なのか、キャラを演じているのか、虚実ないまぜです。

でも、虚実ないまぜであることが、彼女の戦略なのです。

にもかかわらず、このブログで、私がそうした見方もできるんだよ、と紹介した時、泉ピン子を批判しないのはおかしいと食い下がる意見が一部にありました。

もしかりに地だとしても、別に世間に迷惑がかかるわけでもありません。

大半の一般人は、泉ピン子とは付き合いがないでしょうから、別に彼女の言動に気色ばむことはないのです。

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ではなぜそうなるのか


著者は、日本人特有の嫉妬心地域の眼差しがない個人主義信仰のなさなどのせいで、バッシングが起こると書いています。

ここは、レビューでも叩かれていました。「根拠となるデータがない」と。

まあ、学術論文ではないので、著者の全くの主観だと私は受け止めています。

そして、私の主観としては、「嫉妬心」は賛成できますが、「地域の眼差しがない個人主義」や「信仰のなさ」は、賛成できません。

だったら、地域の監視や「村八分」のある田舎がそんなにいいのか、という理屈になります。

私は、同じマンションの隣人のこともよくわからない東京の方が暮らしやすいです。

東京のほうが地方よりも、有意に犯罪が多く人が残酷だというデータもありませんからね。

宗教がないとだめなほど人間は弱いのでしょうか。

変なカルト教団に入ったほうがよほど反社会的なリスクが有るでしょう。

そして著者は、バッシングする人々は、国民の中に特殊な言動に走る人がいるわけではなく、普段は他者と変わらない「普通の人」や「善人」が、あるとき突然豹変するところに問題があるといいます。

これも賛成します。

人間は間違い得る存在であり、すなわち、誰もがその「豹変」の危険性をもっているということなのです。

また、普段「マスゴミ」などと言っているくせに、マスコミが描いた特定の方向に議論が集中する単細胞なところも日本人特有のもの。

嫉妬心が強いのは、アメリカなどと違い同質な集団なので、些細な優劣がことのほか重大に見えるなどと指摘しています。

まとめ


これまであった、バッシングの流れを大まかに捉えたい人には、便利な本だと思います。

著者の意見部分については、私にかぎらず、Amazonレビューでもかなりいろいろな批判の意見が出ていますので、決してうのみにするのではなく、自分はどう考えるか、というきっかけとして読んでみたらいいのではないかと思いました。

他人を非難してばかりいる人たち バッシング・いじめ・ネット私刑 (幻冬舎新書)

他人を非難してばかりいる人たち バッシング・いじめ・ネット私刑 (幻冬舎新書)

  • 作者: 岩波 明
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2015/09/30
  • メディア: 新書

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nice!(311)  コメント(6)  [編集]
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コメント 6

pn

何も考えず憂さ晴らしをしているだけじゃないのかなー?攻めてる自分に、あるいはかばっている自分に酔っているみたいな。
by pn (2016-05-10 06:19) 

旅爺さん

「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」
石川五右衛門が行った事ですが、人間が居るうちは
いじめも犯罪も無くならないでしょうね。
by 旅爺さん (2016-05-10 07:15) 

旅爺さん

家内にはいつも叱られてますがネット私刑なんてやったら
リンチされるのは爺の方です。ク~~~!”
by 旅爺さん (2016-05-10 16:48) 

関谷貴文

ネットもたまにいいこと書いてありますが、歩留まりが悪くて・・・
by 関谷貴文 (2016-05-10 19:31) 

utamaroco

人は悪口が好きなんでしょう。
by utamaroco (2016-05-11 01:48) 

お名前(必須)

レビューに賛否ってネット私刑楽しんでる奴が怒ってるだけの典型的なクソレビューでしょ。
by お名前(必須) (2017-10-18 18:04) 

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