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『夜逃げ屋本舗』青春俳優の10年後は“合法的夜逃げ屋の社長”

夜逃げ屋本舗

『夜逃げ屋本舗』(1992年、光和インターナショナル・日本テレビ/東宝)が、明日5日、日本映画専門チャンネルで、19時5分から放送されます。青春俳優として一時代を築いた中村雅俊が、10年後に演じた役は、合法的夜逃げ屋の社長でした。



『夜逃げ屋本舗』は、債権者に追われる多重債務者を、正当な手段で夜逃げ斡旋する業者“ミッドナイトラン”と、それを阻止する金融機関“大帝都信販”とのたたかいを描いたハウツーコメディです。

夜逃げ屋“ミッドナイトラン”の社長は中村雅俊、大帝都信販調査室の調査員は大竹しのぶが演じています。

正しい知識とノウハウで「夜逃げ」を展開させるために、宇都宮健児弁護士が協力している本格的な作り方です。

宇都宮健児氏『ニコニコ生放送』に出演

まあ、単純に考えれば、「借りたものは返すのが当たり前だろう。返さないのが悪い」ということになります。

私は、この考え自体は、人として失わないでほしいと思います。

が、契約社会の現代は、それを逆手に取って、契約さえすればプロセスは第一義的には問われないと、かなり強引な絵図を描いて、弱い人を追い込む場合が往々にしてあります。

また、取引先が急にトンでしまったことで、連鎖的に経営が立ち行かなくなってしまう場合もあります。

合法的だけれど、モラルがなかったり、理不尽だったりする追い込み方をされるのなら、合法的に逃げたっていいじゃないか、という考え方もあるわけです。

私自身は、自己破産というのは無責任で嫌だな、という考えを以前もっていました。

それによって、どれだけの人に迷惑をかけるだろう、と思い巡らせてしまうからです。

でも、自分を殺さずに復帰させる道筋を残すことで、それは後から埋め合わせができるかもしれない。

責任を一人でかぶって首をくくっても、何も解決しない。

だから、自己破産もまた「あり」なのかも、という考えも、歳をとってから持てるようになりました。

世の中というのは、価値観や利害の衝突が絡むとむずかしいものですね。

青春俳優からサルベージ俳優へ


私がこの作品に興味を持ったのは、日本テレビ・東宝の作品として、中村雅俊が出演していることです。

中村雅俊といえば、文学座研究生時代の1974年、東宝制作、日本テレビ放送の『われら青春!』の主演教師役に大抜擢され、お茶の間に登場しました。

われら青春.jpeg

その当時は、宮城訛が完全には抜けておらず、番組自体の視聴率もさほど高くなかったのですが、スタッフや共演者の間に、「俊(ドラマでの役名)をスターにしよう」という機運が盛り上がっていたそうです。

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以来、『つくし誰の子』『俺たちの勲章』『俺たちの旅』『俺たちの祭』『青春ド真ん中!』『ゆうひが丘の総理大臣』と、なんと1980年まで、日本テレビはたてつづけに主演ドラマのチャンスを与え続け、中村雅俊は青春群像劇の象徴的俳優にのぼりつめました。

しかし、名子役がいずれ消えてしまうように、世代的キャラクターが定着してしまうと、歳をとった時にその脱皮が難しくなります。

中村雅俊も、『俺はおまわり君』(1981年)という警官ドラマで、これまでの青春キャラクターとは違う“単なる中間管理職”を演じ、その壁を感じざるを得ませんでした。

案の定、日本テレビの、中村雅俊を主人公とした一連のドラマは、ここで終了しています。

挫折や動揺を隠さず、試行錯誤を繰り返したあの青春群像は、歳をとったらどうなるのか。

普通のサラリーマンではつまらないし、かといって夢を壊すような役も演じてほしくない。

そんなふうに思いながら10年。

沈黙を破って登場した元青春俳優の役は、「合法的夜逃げ屋の社長」でした。

その意味で、この作品は、俳優・中村雅俊の大河ドラマを見るような趣もあると私は思っています。

明日の19時5分。関心のある方はいかがですか。

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