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アントニオ猪木VSタイガー・ジェット・シンのルネサンスなき“真実”

アントニオ猪木VSタイガー・ジェット・シンの記事を、「真実」の新連載として2012年に読まされるとは……。

週刊大衆の12月24日号(10日発売)目次に、「熱狂新連載 激闘!プロレス重大事件の真実」というタイトルがあったので、今さらプロレスにそんなものあるのかと疑いながらも、実際に読まなければわからないと思い一応買って読んでみました。

さすれば、「重大事件」というのはなんと、タイガー・ジェット・シンの「伊勢丹前白昼襲撃事件」(1973年10月)だそうです(笑)

記事は、アントニオ猪木と倍賞美津子夫妻(当時)が新宿で買い物をしていたところ、抗争相手のタイガー・ジェット・シンが襲撃した。しかし、アントニオ猪木は告訴せず、タイガー・ジェット・シンとの試合に勝って決着をつけたという話です。

それ、今さら「重大事件の真実」なんて書くような話ではないと思うのですが……

しかも、記事は随所に、当時の「東京スポーツ」やプロレス雑誌に出てきたような談話が書かれています。
「私は歴史を作ったのだ。ブッチャーやプロディ、ヒールの人気レスラーは大勢いるが、新開の社会面を賑わし、プロレス史に残る事件を起こしたのは私だけだ。そうだろう?(ニヤリ)」←シンの発言(中略)
ところが、シンとの戦いでは、投げ技や関節技など技らしい技はほとんど使っていないのだ。額をナックルパート(拳)で切り裂き、鉄柱に思い切り叩きつける「喧嘩殺法」である。
「力道山は空手チョップで“怒り”を表現した。馬場のプロレスには“怒り”はどこにもない。力造山のプロレス、闘魂を継承したのは俺だよ。そのことを、シンとの戦いを通して改めて実感したよ」←猪木の発言
「伊勢丹前白昼襲撃事件」は、抗争を盛り上げるためにあらかじめ決めておいた“アングル”であったことは、元レフェリーだったミスター高橋が10年も前に暴露しています。

本当に刑事事件だったら、そんな盛り場で目撃者だっていっぱいいるのに、警察が黙っているわけがないでしょう。

最後の馬場を誹謗する猪木の発言も、いかにも昭和プロレス的で懐かしい。こんな挑発で、当時は猪木信者が熱くなったんですよね。

ただたんに「怒りのアングル」を採用したか否かだけの違いなのに、さもジャイアント馬場とは違うプロレスのような言い方で、アントニオ猪木はファンにアピールしていたのです。

「こんなプロレスをやっていたら10年もつところが3年」といいながら20年以上やってしまった猪木らしい談話です(もちろん、それで観客を盛り上げた猪木のプロレス能は天賦の才といっていいと思いますが)

つまり、記事は40年前の出来事を振り返っているのではなく、1973年当時の常識と価値観そのままの状態で2012年に「新連載」と称して書いているのです。

プロレスはすでに冬の時代に入り、先日もプロレスリング・ノアが、元チャンピオンである小橋建太の解雇や秋山準らの退団を発表したばかり。そんな厳しい現実がつらくて、著者や編集部はファンのこともおもんぱかったつもりで40年前にタイムスリップしたのでしょうか。

しかし、今さらこんな書き方をしても、プロレスファンにすら「何、これ」とコバカにされるだけでしょう。

すでに暴露や解明されてしまったことは、どうがんばってもファンタジーの世界には戻せないのです。それを無理に引き続き同じファンタジーで語ろうとするから、プロレス・ファンタジー全体が否定されてしまうのです。

それまでのファンタジーが崩れてしまったら、新たなファンタジーを創るしかないのです。

善し悪しの評価はいろいろあるでしょうが、たとえば芸能界は、夢を売るべき芸能人が、ひな壇番組でいかにもありがちな普通っぽいエピソードを話したり、人気商売を逆手にとって「炎上商法」に活路を見出したりしています。

それは、銀幕時代とは全然違うスターのあり方ですよね。でも、芸能人が自らのキャラクターで商売をしていることに違いはありません。つまり、それもある種の“ファンタジー”商売です。

何でもありのタレントと、アスリートの範疇にあるプロレスラーでは、全く同じものとして語ることはできないかもしれませんが、プロレスだってそのような発想の転換が必要ではないでしょうか。

しかし、最近のレスラーのキャラ作りは、やれキャ×バ×クラ通いだの、やれ地元の駅でハナ肇の真似をして銅像に扮しただの、アスリートとしてのファンタジーというものをちょっと勘違いしているようですね。

だから、プロレスは低迷したまま浮かび上がれないのかもしれません。

いずれにしても、記事の中身はともかくとして、これは私たちにひとつの示唆を与えてくれたと思います。

私たちは、不可逆的に進歩する社会で生きています。昔を懐かしく振り返ることはあってもいいけれど、昔は昔でしかない。だからたんなる回顧や昔への逃げ込みではなく、ルネサンスがなければいけないのではないか、ということです。

まもなく投票日ですが、劇場型選挙、タレントへの投票、ワンフレーズスローガンへの幻想、組織ぐるみ選挙……、すでに解明されてしまった“選挙ファンタジー”は繰り返さず、今回の選挙ではきっぱり捨て去りたいものです。

そして、有権者としてルネサンスを意図し、それを期待できると確信をもてる投票行動を起こしたいと私は思います。……というまとめ方は強引でしたか?

さて、今日の無料スポットは、入新井西児童交通公園(東京都大田区)です。交通公園というのは、かつて我が国で活躍した汽車や消防車などを置き、自転車や三輪車などを貸し出して走らせるコースを設けた公園です。

入新井西児童交通公園
写真で見るとおり、入新井西児童交通公園は、C-57-66という蒸気機関車が保存されている少し手狭な交通公園です(撮影は9月です、あたためすぎですね)。

Cー57ー66
なぜ取り上げたかというと、この機関車は静態ではなく半動態の保存だからです。

蒸気機関車のピストンが動き大動輪が回りだす
平日なら1日2回、土曜は1日3回、日曜祝日は1日4回、いきなり汽笛がなり、蒸気機関車のピストンが動き大動輪が回りだす(動輪が1分に6回転する)デモンストレーションがあります。

C-57-66は1938年に誕生。貴婦人という愛称で、1944年までに201両製造され73年に廃車された、実働35年の大型旅客用蒸気機関車です。時速約100キロで安定した走行を行ったといいます。

C-57-66以外には消防車2台も保存されています。すでに伝説の乗り物になってしまった蒸気機関車を、もっともリアルに体験できる都会の公園。駅から歩いて5分ほどです。遠方からでも訪ねてみる価値はあるでしょう。

◆入新井西児童交通公園
大田区大森北4-27-3
03-3765-0403(管理事務所)
JR大森駅東口より徒歩5分


週刊大衆 2012年12月24日号 [雑誌][2012.12.10]

週刊大衆 2012年12月24日号 [雑誌][2012.12.10]

  • 作者: 双葉社
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2012
  • メディア: 雑誌


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コメント 17

utamaroco

早く言えば思考停止ということ?
by utamaroco (2012-12-11 05:38) 

pandan

またプロレスが盛り上がる時代が
くるかもしれませんね。
by pandan (2012-12-11 05:51) 

su-nya

有名人の立ち位置とは。プロフェッショナルであるとはどういうことか。

色んな所に機関車の展示はありますが
動くのは見たことがありません…☆
by su-nya (2012-12-11 06:30) 

サンダーソニア

プロレスって やっぱり・・という感じしかありません。
盛り上がっている父親の横で
子供ながら 変?と思っていましたから。
by サンダーソニア (2012-12-11 07:59) 

川島

おはようございます^^
インドの猛虎と言われたタイガー・ジェットシンさんは素晴らしいヒールでした♪
by 川島 (2012-12-11 09:03) 

昆野誠吾

交通公園はいつ見ても
ワクワクした気分にさせてくれます。
魅力的なものは何歳になって変わりませんね♪
でも乗り物系は圧倒的に男性が多いのでしょうか!?
by 昆野誠吾 (2012-12-11 09:40) 

chima

子どもの頃蒲田に住んでた祖父母に
機関車のある公園に連れて行ってもらった記憶があります
ここだったのかなぁ?

by chima (2012-12-11 11:26) 

さうざんバー

昔、故実祖父が好きで、よくプロレス観戦をしていましたが、馬場さんのは血だらけになるので、あんまり好きではなく、猪木さんのはプロレスショーのような気がしてなんとなく見れた様な気がします(^^;)今、プロレスは地道に地域振興と合わさって頑張って、ショーの様にやっているようですね(^^;)頑張って欲しいです(^^)v
選挙は、イロイロ悩んでいます(--;)知りたい事が聞けない(--;)歯がゆいです(--;)ゞ
by さうざんバー (2012-12-11 11:43) 

alba0101

ご訪問&コメントありがとうございます^^

子供の頃はプロレスが怖くて見ていられませんでした..
(^^;)
by alba0101 (2012-12-11 12:04) 

アニ

プロレスはショーであるから面白いのであって、そこに
本気を求めたらダメというのは昔からのプロレスマニアは
皆感じていると思います。

今のプロレスが衰退したのはK-1とかに押されショーを
捨てたことに大きな理由があると思ってます。


by アニ (2012-12-11 13:03) 

ゆりあ

そういえば、プロレスはかなり衰退してしまいましたよね^^;
子どもの頃は、ジャイアント馬場さんが好きでした^^
アントニオ猪木さんも嫌いではなかったのですが・・・
蒸気機関車を展示している公園はありますが、こうやってデモンストレーションしている公園は珍しいですよね^^
子どもたちが喜びますね~^^
by ゆりあ (2012-12-11 16:02) 

reicoo

蒸気機関車ファンにはたまらない公園ですね。
動かないものはよく見ますが、これは動かせるくらい
機関車の状態がよかったということなんでしょうか。
by reicoo (2012-12-11 21:24) 

なんだかなぁ〜。横 濱男です。

蒸気機関車のデモンストレーションは、凄いですね。
JR大森駅の蒸気機関車は、動かない?
動かないなら、動くようにして欲しいな。。
楽しいよねえ。。
by なんだかなぁ〜。横 濱男です。 (2012-12-11 22:22) 

uryyyyyy

いっぷく さん、こんばんは。

ショーは娯楽の世界だけに
とどめておきたいものです。
by uryyyyyy (2012-12-11 23:10) 

ダミアン88

カナダでプロモーターとしても敏腕だったというタイガー・ジェット・シン。猪木はいいクリエイターと出会えたんですよね。ハンセンやジェット・シンはすばらしい人格者ですよ。
by ダミアン88 (2012-12-11 23:22) 

銀狼

プロレスを楽しむには、いい意味で単純である事と
想像力を働かせられる事、虚実ない交ぜの世界観を
楽しめる余裕がある事だと思っております。
それが総合格闘技などの出現によって
「リアル」さが求められるようになってしまった事が
プロレスの衰退を招いたのではないかと。。。
しかし、今の新日本などを見ていると
まだまだプロレスもイケるな、と思わせてくれますね。
総合で現実の世界ばかりを見させられる事に疲れた人たちが
プロレスの持つファンタジーな世界観を
欲してきているのでしょうか。。。

by 銀狼 (2012-12-12 00:18) 

☆KEY

蒸気機関車の写真に誘われて来てみたら、交通公園ですか。
先月、相模原の交通公園に行きましたが、そこの蒸気機関車は動きません。
by ☆KEY (2012-12-12 02:02) 

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