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牧伸二さんの生き方に背いた泉ピン子の“浪費裁判”

牧伸二さんの自殺が報じられて1ヵ月半たちます。『実話ドキュメント』(2013年7月号)で「漢の生き様を語る」というタイトルの連載をもっている“毛の商人”高須基仁氏が、やはり自殺したポール牧さんとともに、2人に哀悼の意を綴っています。
漢の生き様を語る
私の生業のエロスと同様に、「笑い」に対し人々は常に「下」に見る。つまり、お笑い芸人を「可愛がる」、そして「愛し」もするが、「敬いはしない」のが世の常だ。だからお笑いで成り上がった芸人は笑われない芸能の歌手・俳優・司会業に機を見て転じ、小説家あるいは芸術家にあこがれ目を向ける。ひととき成り上がった芸人が、くっだらないお笑いだけに留まるのは至難の業だ。究極の手元不如意に陥ったポール牧と牧伸二は、生涯くっだらない「指パッチン」と「ウクレレの、あ~、やんなっちゃった節」の芸風にこだわった2人だった。

要するに高須基仁氏は、牧伸二さんやポール牧さんは、名前が売れてもブレずに生涯お笑い芸人を貫いたのだとほめているわけです。

芸人が「小説家あるいは芸術家にあこがれ目を向ける」パターンとしては、映画監督になっても「お笑い」のスタンスも完全には捨てないビートたけしのような生き方もあれば、女優業「に機を見て転じ」、お笑い芸人時代を完全に捨ててしまっている泉ピン子のようなパターンもあります。

何しろ泉ピン子は、芸人時代を黒歴史ととらえているのか、師匠である牧伸二さんに対しては、「線香の一本どころか弔電すらも送っていない」(『週刊実話』5月24日号)というのだから驚きです。

そういう人ですから、かつて下積み時代は明らかに“食べさせてもらった”所属事務所(佐藤事務所)に浪費した代金をおしつけて裁判沙汰になったこともありました。

泉ピン子の買い物代金3億円以上を立て替えていたと主張していた元所属事務所の佐藤綾子社長が、返還を求める民事訴訟を東京地裁に起こしたのは2000年7月のことでした。

騒動の発端は1999年12月、泉ピン子が18歳の頃から所属していた佐藤事務所を辞め、独立したことから。泉ピン子は「だれもがもう昨日と同じでは生き残っていけないんだ」と円満退社を強調していましたが、実際には灰皿を投げつけるほどの修羅場だったといいます。(『日刊ゲンダイ』2000年3月24日付)

泉ピン子は佐藤事務所から何度となく金を借りており、その額は積もり積もって4億円近くにまで膨れあがっていたと報じられました。(『日刊ゲンダイ』2000年3月29目付)

泉ピン子は取材に対し「借金はありません。女として最後の10年間を頑張りたいということ」と全面否定。(『スポーツ報知』2000年7月17日付)

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一方で佐藤事務所には、2000年3月31日までに金銭問題をクリアすると約束していた。ところが期日になっても返済はおろか、連絡ひとつなかった、というのです。(『日刊ゲンダイ』2000年4月11日付)

これに激怒した佐藤綾子社長はマスコミ各社にファックスを送り金銭問題を暴露。2000年7月12日に、立替金約3億5000万円の返済を求める訴訟を起こすに至ったのです。

脚本家・橋田寿賀子氏は、彼女をこうかばいました。

「ピン子は『自分は数字のことはわからない』って、お金は全部ママ(佐藤社長)に任せてきた。弁護士の先生に聞くと、税金をいくら納めてるかも知らなくて、それが借金になったらしいのよ」(『週刊新潮』2003年5月22日号)

いくら泉ピン子が主演ドラマをもっているタレントだからと言って、「いくら納めてるかも知らな」い金が3億5000万円もほったらかしになるのは不自然です。

すでに当時から、泉ピン子の高級ブランド品の買い漁りがその原因であることは周知の事実でした。

今にして思うと、これは当時、医師である夫が他の女性に子供を作ってしまったことへのストレスととともに、自分はお笑い芸人出身なのだから、より女優らしくふるまわねばならないという成り上がり意識も強く働いたのかもしれません。

いずれにしても、泉ピン子は、すでにこの時点で「芸人一筋」だった牧伸二師匠の生き方に背いていたわけです。

芸能ライター・新谷一氏は当時、泉ピン子についてこう切り捨てました。

「どんな人間でもだれかしら好意を持ってくれるもの。しかし私は彼女を褒めた人を一人も知らない。それが芸能生活35年の彼女への評価」(『日刊ゲンダイ』2000年3月24日付)

芸能人は「キャラなくば立たず」だと思いますので、泉ピン子の人の道を外れた態度がリアルであれ芸であれ、それでタレントとしての存在感を示せるなら、それは貫くべきだと思います。

サラリーマンやOLのような振る舞いを求める方が的外れでしょう。

人から嫌われる生き方を貫くというのは、それはそれで強い精神力が必要だし、ぶれない生き方に対して好き嫌いは別として「信用できる」という評価もあり得ます。

ただし、大川興業のところでも書きましたが、自分だけが笑われ憎まれて完結するのではなく、他者をリアルで道連れにするキャラづくりは私も見たいと思いません。

この裁判がどのような結末になったか、おそらくは和解になったので詳細は報じられていません。

いずれにしても、お金でもめるのはキャラや人間性評価以前のこととして願い下げにしたいし、そんな人が主演し、そんな人をかばった脚本家による『渡る世間は鬼ばかり』なるドラマは、同じプロデューサーであっても、70年代に一世を風靡した『肝っ玉母さん』や『ありがとう』などと同じカテゴリのものとして感情移入する気にはどうしてもなれませんでした。

芸と人間性は別とはいいますが、演者と視聴者の間にも信頼関係ってあるんじゃないでしょうか。

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