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自由民主党の改憲構想は“プロレス”なのか

自由民主党の改憲構想が、今回の選挙の争点になっています。ですからその話題は、参議院通常選挙投票日の前日に取り沙汰す話ではないかもしれません。ただ、いつも楽しみに読んでいる『週刊ポスト』の今週号に、自由民主党の改憲問題が出ていたので、賛否とは少し違う視点でちょっと触れさせていただこうと思います。

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その読み物とは、不定期に連載されている元議員たちの座談会です。これまで、村上正邦(元自由民主党)、平野貞夫(元民主等)、筆坂秀世(元日本共産党)の3氏で進められてきたのですが、最近矢野絢也氏(元公明党)が加わり4氏になりました。

3氏の呼吸の合ったやりとりに比べて、まだ矢野絢也氏が慣れていないというか、ちょっとKY気味でハラハラするところがあるのですが、みなさん、バッジを外したときの経緯から、所属していた党とも関係が悪くなった孤老のOBたちです。

国会だけでなく各党に対しても遠慮会釈なくものが言える点が、ひも付き評論家の八百長話よりは信用できるし面白いと思っています。

私は、この連載の経緯を平野貞夫氏にうかがったことがあります。

平野貞夫氏によると、最初、村上正邦氏と筆坂秀世氏から誘いがあり、「あんたらスネに傷をもつ人と同じ席につけるか」といったんは断ったが、村上正邦氏から「あんただって公明党から訴えられたことあるだろう」と切り返されて仕方なく受けた、とのことです。

まあそう聞いたのは事実ですが、ただ、これは冗談半分だと私は思っています。

村上正邦氏がKSDの不正経理疑惑で逮捕されたときは、その経緯や逮捕の仕方について平野貞夫氏は検察を批判していますから……。

前置きが長くなりましたが、今回のタイトルは「老人党 結党宣言」。

といってもまた立候補しようというわけではなく、「テレビタックル」の悪党党のようなもので、自分たちの現在の立場に名前を付けただけなんですが、彼らの話の憲法の部分を要約すると、

自由民主党の安倍晋三政権の改憲構想は、本気ではなく脅しの道具である

連立を組む公明党がそれに反対の姿勢を見せることで、同党も「平和」の旗印と連立参加の意義をアピールできる

自公のそれぞれの思惑を実現できる「アングル(芝居)」になっているということです。

要するに、自公は“プロレス”をやっているという話です。

本物のプロレスはアングルに説得力があればショービジネスとして成立しますが、政治でそれを行うことがはたして許されるのか。

それは国民をだましていることになるからです。

で、実際のところはどうなのでしょうか。

アングルかどうかは、私にはもちろんわかりません。

アングルのつもりが、選挙で望外の勝ち方をして色気を出すかもしれません。政治の世界は誰も先は読めませんから何とも言えません。

ただ、いずれにしても、駆け引きや観測気球で政局や国民世論を巧みに動かす“プロレス的”やり方は、自由民主党の長年やってきた得意技である、ということです。

先日、古賀誠・元自由民主党幹事長が、日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」で憲法守れのインタビューに登場して話題になりました。

以前は、野中広務氏も同紙に登場したことがあります。

が、憲法改正を綱領に持つ自由民主党の引退したばかりの大物、とくに京都の日本共産党員知事を引きずりおろすなど血みどろの戦いを行ってきた野中広務氏が、今更日本共産党と同じ旗を掲げるはずがないんです。

これは、バッジを外して党内からアピールしにくくなったから、日本共産党という「確かな野党」を利用して、自分をアピールしたものだと私は解釈しています。

つまり、彼らがインタビューに登場したのは、日本共産党と手を携えたりともにたたかったりするためでなく、すべては自分のためなのです。

自由民主党というのは、ある意味さすが長年の政権党といいますか、もっとも距離のある政敵であろうが、じょうずに利用してしまうことです。

たとえば、岩手といえば、最近は怪しくなってきたようですが“小沢王国”といわれます。

ここの陸前高田市では、「反小沢」で一致できると見るや、自由民主党は日本共産党員の中里長門氏を担いで当選させ、いまの戸羽太市長はその後継者です。

自由民主党は反共といわれますが、実際にはそういう大胆なことも行うことができるのです。

自由民主党に対する国民の長年の「信頼」の根拠は、本質的には、そこだろうと私は思います。

つまり、勝つための方法論は偏見なくシンプルで、一方でそれ以前の段階では非常に狡猾に準備をするということです。

やり方自体の是非は意見が分かれても、国民を穏やかに引きこむ手法としては全体として非常に合理的なものです。

残念ながら、他党のほとんどはそういう芸当ができる前提にはない。

なぜなら、議員の離合集散で作られた議員党ばかりなので、綱領と組織力による戦略が描けず、そのときの「風」でしか勝てないのです。民主しかり、維新しかり。

綱領と組織力を備えた党といえば、日本共産党だけでしょう。

その意味で「自共対決(というには差があり過ぎ!)」というのは、本当にそうなら、その時々の風に惑わされず本質的なことを問えるいい選挙になると私は思います。

ただ、同党には、自由民主党がもっている「『信頼』の根拠」がない。

同党がその点でより積極的な判断や実践を行うことで、日本の政治全体がもっとひきしまり、有権者の意識も高まり、くだらない風頼みの流行政党が出ては消え、という回り道をしなくて済んだのに、と思うリベラルな人々も少なくないと思います。

今回の選挙は、すでに自由民主党の「勝利」を予測する事前調査が報じられていますが、有権者の私たちは、あちこちのいいことしか言わない政策に右往左往して“つい”投票するのではなく、そうした政党の手法や主張の見通しなども含めて、その賛否や期待等を込めた重い1票を投じたいものです。

週刊ポスト 2013年 8/2号 [雑誌]

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/07/19
  • メディア: 雑誌


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