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『白い巨塔』、田宮二郎と児玉清の脚本を超えた対決が楽しみだった

『白い巨塔』といえば、先日亡くなった山崎豊子さんの代表作です。『アサヒ芸能』(10月17日号)では、『沈まぬ「山崎豊子」の激情』というタイトルで、これまで映画化やドラマ化された山崎豊子さん原作の作品を振り返っています。

アサヒ芸能・山崎豊子.png

『白い巨塔』『華麗なる一族』『女系家族』『不毛地帯』『沈まぬ太陽』『運命の人』……。

いずれも1度ではなく、2度3度と映像化されています。

中島みゆきが、70、80、90年代そして21世紀とオリコン1位になって話題になりましたが、60年代から現代まで複数の作品が何度も映像化され続けている山崎豊子作品もそれに匹敵、いやそれ以上にすごいと思います。

時代がかわっても高い評価を受け続けるのは、普遍的な人間のテーマや時代の深奥を描くダイナミズムがあるのでしょうね

その中でひとつ選べといわれたら、私はやはり『白い巨塔』です。

過去5回映像化されています。

1966年、大映(田宮二郎)
1967年、NET(佐藤慶)
1978年、フジテレビ(田宮二郎)
1990年、テレビ朝日(村上弘明)
2003年、フジテレビ(唐沢寿明)

私は1967年の佐藤慶版以外は一応見ています。

やっぱり1978年がいちばん印象に残っていますね。

1966年の大映映画とは、大河内教授の加藤嘉や、鵜飼教授の小沢栄太郎など出演者も重なるのですが、劇画チックなインパクトや、田宮二郎の地じゃないかとも思える、財前五郎の人間的な弱さなどは、73年のフジテレビ版の方がよく表現されていたと思います。

ドラマは31回かけてゆっくり見せましたから、2時間29分の映画よりも色々見どころはあって当然なんですけどね。

私の妻はこのドラマが何よりのお気に入りで、田宮二郎の財前五郎もさることながら、東都大学の船尾徹教授役の佐分利信が渋かったと言っています。そのセンス自体が渋いと思いますけどね。

メインタイトルの教授総回診で一番後ろにいた医局員役は、私が同じ事務所で一緒に通行人をやっていた人なので、懐かしさもあります。

見所は、対決する関口弁護士役が児玉清だったことかな。

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リアルで対照的な生き様


田宮二郎と児玉清。

このふたりの生き様は実に対照的でおもしろい。

ほぼ同じ年(児玉清が2学年上ですが一浪しているので1学年違い)。同じ学習院大学出身。同じ頃映画会社に入り、また同じ頃テレビに。ともに人気クイズ番組の司会者。

経歴は似てるのに、役者としての哲学は180度違っていました。

田宮二郎は大映時代、「スターはハッタリが必要だ」という持論から、大部屋なのに借金して外車を買い乗り回したといいます。

『白い巨塔』の役作りと言って、人気番組だった『クイズタイムショック』をあっさり降板。

『白い巨塔』の撮影中は、飛行機に乗っていて病人が出た時、「医師の方はいらっしゃいませんか」という呼びかけに、「私は医師です」と名乗って出たという仰天エピソードもあります。ホントかどうか確認はとってませんが(笑)

当時騒がれていたM資金問題でくたびれていたのかわかりませんが、とにかく、役者道、スター道を追求していた人というイメージがありましたね。

一方、児玉清は、大学院に進んで学者になりたかったのに、父親が亡くなったために断念。「生活のために」東宝ニューフェイスへ。

映画界が斜陽になると、食べられないからと躊躇なくテレビにうつりホームドラマで堅実に仕事をこなしました。

そして、『パネルクイズアタック25』の司会を勤めましたが、長く続けられたことについては、そのギャラで生活が安定したことを率直に感謝しています。

勝新太郎のような破天荒さもなく、高倉健のようなミステリアスな面もない。ごく普通の紳士が、生活のためであることを隠さず、真面目に俳優という仕事をコツコツこなした。それが児玉清なのです。

この生き様が180度違う2人の俳優が、脚本を超えた対決をしているかと思うと勝手にドキドキしました。

だって、年齢も学歴も経歴も似ていたら、お互いどこかで意識すると思うんですよね。

これは、村上弘明VS江藤潤や、唐沢寿明VS上川隆也にはない“ドラマ”ですから。

映画にしろドラマにしろ、一時的な話題性ではなく、山崎豊子原作のような重厚な作品をまた見たいものです。

アサヒ芸能 2013年 10/17号 [雑誌]

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コメント 10

isoshijimi

白い巨塔ってこんなにも放映されていたのですね。
さすがに昔のは知りませんが、やはり名作なのですね。

by isoshijimi (2013-10-09 03:54) 

hatumi30331

全部知ってるお年頃です。^^
by hatumi30331 (2013-10-09 07:29) 

じゅんぺい

母の影響で山崎豊子さんはほとんど読みました。
1978版白い巨塔の印象は強烈でした。
当時まだ中学生くらいでしたが…
真面目な山本学さんが好きでした(笑)
by じゅんぺい (2013-10-09 07:31) 

ちゅんちゅんちゅん

おはようございます!
小説しか知りません~☆
もちろん ドラマがあることは知ってます(^^)
by ちゅんちゅんちゅん (2013-10-09 07:34) 

Silvermac

田宮二郎の財前五郎は当たり役でしたね。
by Silvermac (2013-10-09 09:37) 

ryuyokaonhachioj

まだ、山茶花の花を早いように感じます。
早咲きなんでしょう~
by ryuyokaonhachioj (2013-10-09 11:41) 

わんわん

田宮二郎の白い巨塔は学生時代に見た筈なのですが、あまり記憶にありません。。。じっくり見たのは唐沢さんのドラマです。田宮二郎の主演した物をもう一度観たくなりました。
by わんわん (2013-10-09 12:45) 

伊閣蝶

私も、田宮二郎のTV版に感心した口です。
特に、自身ががんで死んでしまうラストで、普通は代役を立てるストレッチャー上の死体の役まで本人が演じていたのには驚きました。
白い布で覆われた財前五郎の体が微妙に震えていたことを思い出します。

by 伊閣蝶 (2013-10-09 22:36) 

k_iga

財前五郎はやはり田宮二郎ですね。

フジでドラマ放映中に書店で「続・白い巨塔」を購入しようとして
「ま、今日でなくても良いか」と棚に戻し、帰宅したらTVで
「田宮二郎、自殺」のニュースが・・・。

本を一度、手にしたのに購入を止めたことと因果関係は
もちろんありませんがしばらく気になりましたっけ(苦笑)
by k_iga (2013-10-10 00:34) 

桜貝の想い出

田宮二郎さんの「クイズ、ターイムショック!」も好きでしたが、「白い巨塔」も好きでしたので、自殺のニュースを聞いた時はとてもショックだった事を覚えております。
by 桜貝の想い出 (2013-10-10 08:23) 

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