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『太陽にほえろ!』の若手刑事たちはなぜいつも殉職だったのか

『太陽にほえろ!』『俺たちの旅』『高原へいらっしゃい』……。これらのドラマを懐かしい!と思う世代は50代以上でしょうか。今日発売の『週刊現代』(5月3日号)では、「創刊55周年記念グラフ」として、『昭和の「TVドラマ」大集合!』という、私にとってはなんとも興味深いタイトルの記事が出ています。



記事は、ドラマの名シーン、台本の表紙と、中のト書きや台詞などに書き込みが行われているページの写真、関係者のインタビューをセットにして、いくつかの作品が紹介されています。

当時のドラマの台本は、タイプ打ちだったんですね。そこに書き込みが行われている写真は、放送された映像を思い出しながら見ると、当時のスタッフやキャストの作品に対する思いを改めて知ることができます。

週刊現代・俺たちの旅.png

トップページは『俺たちの旅』(1975~1976年、ユニオン映画、日本テレビ)。次の見開きが『太陽にほえろ!』(1972~1986年、東宝、日本テレビ)、その次が『噂の刑事トミーとマツ』(1979~1982年、大映テレビ、TBS)『俺たちの勲章』(1975年、東宝、日本テレビ)『傷だらけの天使』(1974年、東宝、渡辺企画、日本テレビ)、その次が『高原へいらっしゃい』(1976年、TBS)『赤い運命』(1976年、大映テレビ、TBS)『熱中時代』(1978年、日本テレビ)……

数ある「昭和のドラマ」の中でこれらを選んだということは、かなりターゲットとする年齢層を絞ってますね。

いわゆる団塊世代ではないでしょう。

40代後半から50代前半を対象にしていると思います。

同誌が55周年なので、それに近い年齢を念頭に置いているのかもしれません。

それはともかく、関係者の談話が興味深い。

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たとえば、『高原へいらっしゃい』では、出演していた三田佳子がコメントしているのですが、彼女がいかに女優として努力家であるかがわかります。

書き込みのために、台本のコーティングやインデックス貼付をするだけでなく、自分の手で写経のように書き写して「役作りの命、基本」を自分のものにしていったそうです。

もちろん、出演作品の台本はすべてきちんと保存。ただ、今回「日本脚本アーカイブス推進コンソーシアム」を通じて、国会図書館などに800冊以上寄贈したそうです。

いいことをしましたね。

三田佳子というと、次男の不始末と甘やかしが問題にされて、それを機会に仕事も減ってしまったように感じます。

しかし、今回の台本の寄贈は、だれでもできることではなく、彼女の仕事に対する真摯な取り組みの疑いようのない証拠になるわけですから、女優としての再評価につながると思います。

『太陽にほえろ!』は、岡田晋吉プロデューサー、いわゆる岡田Pが登場しています。

芝居で魅せることができない新人役者起用の条件として、「せめて身体で魅せよう」と長身の俳優を抜擢したと当時を振り返っています。

松田優作、勝野洋、宮内淳、山下真司……、なるほど長身ですね。

彼らはみな、降板するときには殉職します。他の刑事ドラマも真似たやり方ですが、なぜ殉職なのか。理由があるのです。

その理由については、どこかの嫁姑ドラマの女帝脚本家とは違い、脚本家の気分ではなく、降板する俳優に対するおもいやりが感じられます。

詳しくは同誌をご覧ください。

『俺たちの旅』は、オメダ役の田中健が登場。



脚本家・鎌田敏夫が、登場人物と、演じる人の距離をいかにして縮めたかを語っています。

後に、『男女七人夏物語』や『男女七人秋物語』に出演した明石家さんま、池上季実子、岩崎宏美などはみな一様に、鎌田敏夫脚本におけるドラマの役柄と自分自身が重なることに驚いていました。

明石家さんまなどは、「ドキュメンタリー」とまで表現し、大竹しのぶとの関係(結婚→離婚)を、ドラマの今井良介と神崎桃子の関係に重ねてコメントすることもありました。

そのノウハウは、おそらくこの『俺たちの旅』の中で身につけたものではないかと思います。

田中健はさらっとコメントしているのですが、フリークにはかなり意味深いインタビューになっています。

いずれにしても今回の記事は、昭和の名作ドラマを思い出し、新たな真実に触れることができるいい企画だと思いました。

週刊現代 2014年 5/3号 [雑誌]

週刊現代 2014年 5/3号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/04/21
  • メディア: 雑誌


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