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逆張り健康法、既存の健康法にskepticsな発想を!

「『逆張り健康法』腹八分目を続けたら病気になる」。そんな衝撃的なタイトルの記事が、今週号の『週刊現代』(7月5日号)に出ています。では、「少食」や「糖質制限」とは一体何なのでしょうか。健康問題にはskeptics(懐疑論者)然としたものの見方が求められるのかもしれません。

週刊現代・逆張り健康法

今年の4月に、人間ドッグの検査が言うところの「健康」の数値を大幅に緩めるべき、という調査結果が発表されてから、メディアでは血糖値や血圧やコレステロールなどの数値論争が盛んです。

そうした数値を正常化する食生活として、以前から「糖質制限」と「少食」が、健康キーワードとしてもてはやされてきました。

しかし、少なくとも私は、その効果を実感できません。

「腹八分目」や、「糖分の含まれる食物の制限」を実践すると、体重がすぐに落ちて健康を害します。

先日も、「ジャンボ鶴田メモリアルが決まり「人生の踊り場」の健康管理を考えた」で書いたように、ヘモグロビンA1Cの値が少し上がったので、少々制限してみたら、すぐに調子悪くなってしまいました。

お腹を壊さない適度の満腹感を得られる食生活が、精神的にも肉体的にも自分にはもっとも合っているように思えるので、失礼ながら、南雲吉則氏らのマスコミにおける少食のすすめの大合唱は、懐疑的にならざるを得ません。

「腹八分目」なんて、何をもってそう判断すればいいのか、客観的な数値すら示されていないんですから。

そんな「健康法懐疑論者」の私が思わず繰り返し読んでしまったのが、今回の「『逆張り健康法』腹八分目を続けたら病気になる」です。

記事は、奥村康順天堂大学医学部特任教授(免疫学)のコメントから始まっています。
「粗食が身体によい、腹八分目にしなさいなどと言いますが、とんでもない話です。健康管理をしっかりている真面目な人ほど、不健康になっている可能性があります。
 コレステロールの数値を心配する人も多いですが、気にする必要はありません。検査の数値をあまりにも気にしすぎるのは、かえって病気になりやすい。情報が溢れている現代では、健康のための正しい知識が浸透していないと感じています」
奥村康氏は、「長生きしたいなら、食べたいものを食べたいだけ食べた方がいい」という意見です。

ごちそう

3つの根拠を挙げています。

1つ目は、さまざまな食べ物を摂取することが栄養的に長寿につながるから。
2つ目は、食べたいと思ったものは、今からだが必要としているものだから。
3つ目は、カロリー制限が長寿につながるという調査は動物実験ばかりでヒトを対象としていないから。


動物は食いだめをせざるを得ない環境に生きているが、人間は「次にいつ食事ができるかわからない」ということはないから体を壊すほど食べ過ぎず調整できる、と述べています。

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少食で長生きするという学術論文はあるのか?


1つ目と2つ目については、老年学者の柴田博氏も、「『年をとったら肉より魚を食べた方がいい』は間違い」と記事の中でコメントしています。

柴田博氏は、コレステロールが低いと総死亡率は上がる、という見解を発表したことで有名な方です。

『肉食のすすめ』(経済界)という書籍で柴田博氏は、日本人は高度経済成長期の昭和40年頃から牛乳や牛肉の摂取量が次第に増えていき、その結果、昭和22年にやっと50歳だった平均寿命が伸び、昭和45年には世界一の長寿国になったと日本人を根拠にして「肉禁忌論」に反証しています。
「たった20年余りの間に、日本人の寿命が伸びた最大の貢献者は、いうまでもなく肉食です。それまで、日本は脳卒中天国で、これが平均寿命を低下させている最大の原因でした。この脳卒中の予防に、肉食が大きな力を発揮し、日本人の平均寿命は、猛スピードで上昇したのです。
肉には、植物性タンパク質や魚では補えない栄養素や生理活性物質が含まれています。戦後、肉を上手に食卓に取り入れたからこそ、日本人は世界で最も長生きになれたのです。
なのに、まだ一部では肉を悪玉扱いして、高齢者には肉は必要ないなどという俗説が大手を振って歩いています。いわれなき肉への差別は、早く払拭しなければなりません」
3つ目については、私も以前から疑問に思っていたことです。

少食で長寿になると主張した「流行」の起源は幕内秀夫医師といわれていますが、メディアの露出は、動物実験のデータ等を根拠に、書籍などを出している断食療法の専門医だった甲田光雄氏の方が多かったのではないでしょうか。

甲田光雄氏ご本人は亡くなりましたが、少食を勧める甲田医院はいまもあります。

甲田光雄氏は、たとえば『少食の実行で世界は救われる』(三五館)で、現代人は胃腸を酷使しすぎているのが万病の元であるとし、ネズミやサルを使った「少食で寿命が延びる」実験結果を紹介していました。

しかし、どこを読んでも、ヒトを対象にしたまともな統計が出てこないのです。

たとえば、「少食で免疫力が高まる」とする根拠として、247名の患者に「腹七分の少食を三年以上実行」すると、「風邪を引く度合いが目に見えて減ってきた人」が76%いた。

だから、少食によって身体の抵抗力が「明らかに強くなった」「手や足にケガをして傷ができても、化膿しないで早く治るようになったという人もたくさんおられた」などと言い切っています。

これははっきりいって、医学的には全く価値のない根拠です。

医学者でも科学者でもない私がエラソーに書く話ではありませんが、コントロール群(調査で違いを見るための比較群)もないし交絡因子(食べ物以外に「抵抗力が強くなった」ように見える生活の変化)も考慮されない後ろ向き考察ですから。

もちろん、だからといって肉をガバガバ食べていればいいということではないと思いますが、要はこの「食べ方と健康の問題」は、まだ決着がついた話ではなく、引き続き調べる必要がある、ということです。

にもかかわらず、わずかな臨床体験で、何を食うな、何をしないと長生きしない、などと夜郎自大な話をメディアで喧伝するのはやめてほしいのです。

私たちは、そもそも健康はオーダーメイドの問題であるということを忘れず、かつセンセーショナリズムのマスコミや、目立とう精神満々の医師・医学博士らの話は鵜呑みにしないことですね。

健康情報・本当の話

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  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本


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