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アントニオ猪木対モハメド・アリ、ノーカット版の見どころは?

アントニオ猪木対モハメド・アリの“異種格闘技戦”が行われたのが1976年6月26日。38年目の明日、当時の試合(ノーカット版)がDVDで発売される、と今週号の『週刊現代』(7月5日号)が報じています。媒体は集英社のDVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』の増刊号です。

週刊現代・猪木対アリ.png

DVDマガジンは、最近流行の、読み物をつけて雑誌のコードでDVDを売るというパターンです。

映画などは、以前DVD単体を買ったり、すでに観たりしたものでも、読み物が気になって買ってしまいます。





さて、この頃のプロレス界は、1971年に日本プロレスを追い出されたアントニオ猪木が新日本プロレスを作り、翌年に日本テレビの意に沿ってジャイアント馬場が日本プロレスをやめて全日本プロレスを創設。

以後、両者・両団体の緊張関係が始まりました。

当時の全日本プロレスは、日本テレビが後ろ盾になって設立され(つまり潤沢な資金が約束され)、“本場”アメリカの一流レスラーをほぼ全域からブッキングできた上に、日本のプロレスの祖といわれる力道山家を役員に取り込んで「伝統」も独り占め。これ以上ない船出でした。

一方、アントニオ猪木は、自分と倍賞美津子の私財で新日本プロレスを設立。倍賞美津子は三度の食事も満足にできない経済状態でチケットを売ったといいます。テレビ(NET→テレビ朝日)がつくのは1年以上たってからで、外国人も全日本プロレスに抑えられているので、自前で無名のレスラーを育てなければならない状態でした。

しかし、ここは私たちも教訓になる話ですが、それほどないないづくしだと、逆に新しいことに思い切ってチャレンジできる(チャレンジせざるを得ない)ビジネスチャンスでもあるわけです。

新日本プロレスは、当時まだタブーと言われた、日本人(陣営)大物選手と対決したり、無名のインド人レスラーと新宿の往来で立ち回りを行って稀代の悪役レスラーとして世間に売り出したり、アリ戦のような異種格闘技戦を行ったりと次々新しい企画にチャレンジ。1974年を境に、旧来のスタイルを守り続ける全日本プロレスを凌駕するところとなったのです。

ただ、アントニオ猪木対モハメド・アリ戦の試合自体は正直あまり興味がわきませんでした。

全く異なるルールと概念の世界に生きる者を、いったいどうやって戦わせるのか、普通に考えたら成立し得ない話だからです。

変な喩えですが、ドル札と円札をそれぞれ半分に切って、半分同士をつないでももはや紙幣としての価値はないですよね。

両方のルールを2で割る異種格闘技戦なるもののルールというのは、それと同じことだと私は思ったのです。

アントニオ猪木は、当時すでに「誰の挑戦でも受ける」「プロレスは最強だ」と言っていたのですから、「ボクシングの試合」でアリと戦えばよかったのです。それではあまりにもハンデがあるのなら、2人に無関係の競技、たとえば柔道でもいいでしょう。

そのほうがわかりやすいし、猪木の“最強論”を証明できたのではないでしょうか。

まあ、これは飽くまでも私の意見で、猪木ファンの方はまた別の意見や感慨があるでしょう。

ノーカット版なので、試合前後の様子やセコンドの雰囲気も確認することができます。

ファンなら必見の映像でしょう。

余談


それはそうと、私はアントニオ猪木について、最近見直すことがありました。

『GスピリッツVol.31』(辰巳出版)というムックを見たのですが、日本プロレス時代を振り返る内容で、どちらかというと、アンチジャイアント馬場の色合いが強い編集です。

そこで、アントニオ猪木がインタビューを受けているのですが、当時、あれだけ言っていたジャイアント馬場の誹謗を全く行っていません。インタビュアーに水を向けられても、それにものろうとしません。

その分別。あくまでも当時の馬場挑発は営業上のものだった、ということと、お前らには俺と馬場さんとの関係はわかんねえよ、というアントニオ猪木のインタビュアーに対するメッセージであると私は解釈しました。

70年代~80年代のプロレスは、馬場と猪木の緊張関係のもとに成立していたことを、ご本人たちはわかっていたのでしょう。

だから、馬場も挑発に乗らず“耐える馬場”を貫き、猪木も安心して誹謗していたのだろうと思います。

まさにプロレスを象徴するような関係ですね。

Gスピリッツ Vol.31 (タツミムック)

Gスピリッツ Vol.31 (タツミムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 辰巳出版
  • 発売日: 2014/03/26
  • メディア: ムック


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