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『青春とはなんだ』を石原裕次郎さんの命日に思い出す

『青春とはなんだ』とは、現在衆議院議員である石原慎太郎氏が、1963年~64年にかけて新聞に連載した青春小説です。同作は1965年7月に日活で映画化され、同年11月にはテレビドラマ(当時はテレビ映画)化されました。映画の方は、今日が祥月命日にあたる石原裕次郎主演です。青春学園ドラマの先駆けとなったTV版とはまた違った作風に仕上がっています。



石原裕次郎さんは、「1934年12月28日に誕生、1987年07月17日に亡くなりました。生誕79年が経過しました。没後27年が経過しました。暮らした時代は、昭和(54年間)です」と、「死去ネット」に説明されています。

昨年の27回忌には、石原プロモーションの登記簿上の役員に石原まき子さん(代表取締役会長)だけを残し、渡哲也、舘ひろし、神田正輝らなど、役員を兼ねていた俳優たちは解任。一所属俳優となりました。

詳しい事情はわかりませんが、何か区切りをつけるという意味があったのでしょう。

しかし、映画俳優としての石原裕次郎さんは、たくさんの作品を残しており、私達はこれからもそれを見ていつでも思い出すことができます。

石原裕次郎ファンからすれば、また別の評価はあると思いますが、私の好きな作品は『青春とはなんだ』です。

『青春とはなんだ』(1965年、日活)

原作は石原慎太郎。企画は水の江滝子。ストーリーは、夏目漱石の『坊っちゃん』を、昭和を舞台にリメイクしたものと思えばいいでしょう。

アメリカ帰りの野々村健介(石原裕次郎)は、田舎の高校に英語教師として赴任。外に出て「青空教室」を開いて恋愛談義に花を咲かせ、ガリ勉優等生がそれをボイコットしても処罰しない毀誉褒貶のある型破り教師です。

ラグビー部の部長になって、いわゆる落ちこぼれや不良を鍛えますが、練習の監督だけでなく、他校とのイザコザで退学になった不良グループのリーダーの名誉を回復したり、野球部との対立を暴力を使わず我慢することを説いたり、家庭の事情で学校に行けない女子生徒へのカンパ運動を行ったりと活躍。高校には明るさが見えてきた、という話です。

映画の冒頭に、繁華街で喧嘩をしている高校生が、逃げていった相手に「俺はまってるぅ~ぜ~」と歌っていて、それを見た野々村先生がクスッと笑うシーンがあるのですが、石原裕次郎の表情には幾分照れのようなものが感じられて、こちらもクスっと笑えました。

この頃の石原裕次郎は、『太陽にほえろ!』に出ていた頃と違い痩せていて、日本人の俳優としては脚も長くてバランスがとれたかっこいい俳優だったと思います。

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映画のとテレビドラマの違い


同年に、東宝と日本テレビが、夏木陽介主演でテレビドラマ化。こちらは1年の長丁場で何度も再放送を行ったため、『青春とはなんだ』というと、東宝が制作して日本テレビが放送した、夏木陽介主演のテレビドラマをイメージする人が多いようです。

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作品としては、ハイソで明るく楽しい東宝と、荒削りなバイタリティを感じる日活の違いが出ているように思いました。

つまり、私は「どっちがいい」ではなく、原作は同じでも全く別のモチーフの作品として見ています。

テレビ版では、1年にわたる放送のうち、野々村先生が1度だけ生徒を殴るシーンがあるのですが、同僚の先生(藤山陽子)に体罰の自己批判を告白し、悩んだままその回が終わってしまうというなんともナイーブでお上品な展開もありました。

映画の方は、生徒を殴るシーンはなかったのですが、たぶんあったとしても、日活だから「成り行き」ということでそんなに悩まないんじゃないかな(笑)、なんて思いました。

映画の女教師役は十朱幸代。今で言う肉食系で自分から野々村先生に告白してます。テレビの藤山陽子では、それはなかったし、また、あったとしても似合わなかったでしょう。

『坊っちゃん』の山嵐にあたる“参謀格”も、テレビの加東大介がプライドの高い先生だったのに比べて、映画の高城淳一は、幇間のような話し方をする下世話な人でしたし、悪役である金高組の組長も、テレビ版は平田昭彦というインテリヤクザがぴったりの人で、日活は深江章喜とちょっと庶民的な人が演じています。

いずれにしても、以降、映画やドラマの教師ものというと、たとえば石坂洋次郎の『若い人』に出てくるような先生ではなく、必ず「型破り」なキャラがお約束になってしまいました。

まあ、実際の学校現場を考えると、当時であっても、「こんな先生はいないよなあ」と思うのですが、こういう先生がいたらいいなあ、という夢を与えてくれたということだと思います。

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