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『白い影』でテレビドラマに活路を求めた田宮二郎と山本陽子

『白い影』(1973年、TBS)という田宮二郎、山本陽子が主演するドラマが、5日からTBSチャンネル2で放送されます。田宮二郎といえば『白い巨塔』を私は連想しますが、当時のTBSもそうだったんですね。原作は『無影燈』(渡辺淳一)というタイトルがついていましたが、主人公は医師。あえて「白い」とつけたのでしょうか。

『白い影』。30代、いや、40代前半ぐらいの方までは、中居正広主演の方を連想されるかもしれませんね。でも最初は田宮二郎だったのです。

白い影TBS CS
TBSチャンネル2より

メイン脚本には倉本聰が参加しています。

タイトル通り、影のある白衣(医師)を中心にいろいろな出来事が展開するドラマです。TBSチャンネル2のページでは、毎回のあらすじも書かれています。

このドラマは、当時何が見どころだったかというと、田宮二郎にとってはテレビドラマ2本目の主演で、自らの代表作である「白い」をタイトルに付けた、シリアスドラマによるテレビドラマ本格参入だったということです。

田宮二郎は大映でせっかくスター俳優になったのに、出演映画のポスターに並ぶ演者名の序列に不満を述べて干されてしまいました。

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当時の映画界は五社協定といって、映画会社は自社の俳優を抱え込み同時に他社の俳優を使わないという、独禁法違反のような決まりごとがありました。

まだ映画をテレビ(ドラマ)よりも格上と見ていた時代なので、テレビもそれに従って大映から「除籍」された田宮二郎をしばらくドラマでは使わなかったのです。

でも、実際にはその当時も他社出演はないわけではなかったのです。

東映の進藤英太郎は、東宝クレージー映画の常連悪役でしたし、『男はつらいよ』でマドンナ役だった吉永小百合の父親役だった宮口精二や、博役の前田吟の父親を演じた志村喬は、当時まだ東宝と契約がありました。

ま、要するに、他社出演がいいか悪いかは会社の(オーナーの)気持ち一つなんです。

田宮二郎は直情的な行動をとったので、当時の大映のオーナーである永田雅一氏の逆鱗に触れたのでしょう。

71年に大映が倒産。東宝も専属俳優を契約解除するなど、もはや映画界は五社協定が成り立たなくなり、田宮二郎はやっと72年に、『知らない同志』(TBS)でテレビドラマ初主演を果たします。

これは、成績の上がらないスーパーマーケットの新店長として赴任する話。最初はギスギスしていた従業員との関係がだんだんうまくいくという、青春学園ドラマではありがちなストーリーで、田宮二郎がお茶の間向けテレビドラマでどれぐらい使えるか、という“お試し”の仕事だったんじゃないかと思います。

旧店長の夫人役は栗原小巻。一緒にブランデーを飲むシーンなどを入れて“おやっ”と思わせ、でも田宮二郎店長の心の中には、単身赴任でおいてきた夫人にあり。さてこの「三角関係」どうなるかという展開で、最後は夫人が出てきてドタバタになってしまうという、ちょっとしまらない終わり方でした。

その夫人を演じたのが山本陽子です。

映画でダメでもテレビで


『知らない同志』『白い影』で立て続けに共演した2人には、熱愛報道がありました。

情が通じたのは、2人には共通した思いがあるからかもしれません。

山本陽子といえば、私の世代では池内淳子と並んで、70年代のテレビドラマ黄金時代を支えた看板女優です。

が、もとは日活のニューフェースで女優になった人で、その当時の序列では、松原智恵子や和泉雅子や芦川いづみよりも格下でした。

でも、テレビドラマの世界では、山本陽子の方が格が上ですね。

映画の時代とテレビドラマの世界では、同じ俳優でも序列が変わることがあります。

映画から落ちこぼされた田宮二郎と、映画でくすぶっていた山本陽子が、テレビの世界で座頭芝居のポジションを獲得する実績として、この『白い影』を位置づけられるんじゃないかと思います。

作品からは、そんな2人の意気込みがご覧になれば感じられることでしょう。

『白い影』からは離れるのですが、私個人は山本陽子主演のドラマというと、『三年待った女』(1981年、日本テレビ)という作品が好きです。が、DVDにもならず、CS、BSでも放送されないので、なかなかこのブログで記事にするきっかけがありません。

CS、BSも、過去の名作は出尽くしたかのように、同じ作品が何度も放送されていますが、まだまだ放送されていないものはたくさんあるのです。

リクエストが増えるように、これからは逆に、ブログ記事から面白かったドラマを話題にして仕掛けていくのも面白いかもしれないと思っています。

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