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『喜劇駅前女将』60~70年代オールスターと当時の人気力士が出演!

『喜劇駅前女将』(1964年、東京映画、東宝)を鑑賞しました。喜劇駅前シリーズ7作目です。地方の地場産業にフォーカスしてきた同シリーズ。今作の舞台は東京・両国です。同地の「地場産業」といえば大相撲。出羽錦、佐田乃山、栃の海、栃光など当時の人気力士のほか、森光子、京塚昌子、大空真弓など、後のテレビドラマで主演級に出世する女優も出演する見どころいっぱいの作品です。



まず、出演者と設定から。

両国で酒屋を営む森繁久彌と森光子の夫婦。その叔父は漁師の加東大介。息子は峰健ニ(峰岸徹)。恋人は中尾ミエ。

森光子の兄で、やはり両国に寿司屋を開くのは伴淳三郎。妻は京塚昌子。伴淳三郎と森光子の弟で板前見習いがフランキー堺

森繁久彌と伴淳三郎が入れ込むバーのマダムが淡路恵子。フランキー堺の恋人が池内淳子。その姉で、かつて森繁久彌の恋人だったのは淡島千景

淡島千景と池内淳子の置屋のお母さんが沢村貞子。池内淳子の幼なじみが大空真弓。

伴淳三郎が淡路恵子に入れ込む証拠を京塚昌子に見せてしまう近所のクリーニング屋の夫婦が、三木のり平と乙羽信子。出演者たちに店を喫茶店代わりに使われるラーメン屋のオヤジが山茶花究です。

森光子が実年齢で10歳年下の京塚昌子を「お義姉さん」呼んだり、7歳違いの池内淳子と大空真弓を同年代の扱いにするなど、実際との乖離はありますが、とくに違和感はありません。

今作は、主な演者がみんな姻戚や血縁がある設定ですが、それゆえにややこしい問題が生じます。

発端はフランキー堺と池内淳子の縁談。

ところが、森繁久彌が過去に関係があった淡島千景の飲み屋開業に協力したことで、淡島千景を警戒して親戚になりたくない姉の森光子は結婚に反対。大空真弓と結婚させようとするのですが失敗に終わります。

2人は加東大介のいる銚子に逃げ、峰健ニや中尾ミエの協力を得て駆け落ちのフリ。結局結婚は許されて、フランキー堺は伴淳三郎から暖簾分けをしてもらうというハッピーエンドです。

『喜劇駅前女将』の見どころ


この作品はいくつか見どころがありますが、私が印象に残ったシーンから。

絵がないとわからないので画像使用御免

森繁久彌と森光子の夫婦


粋な江戸っ子夫婦を演じていますが、2人とも実は関西の人。ともに下積みが長く息はぴったり。後に『どてかぼちゃ』(1974年、テレビ朝日)という森繁久彌主演のドラマでも2人は共演。見とれていたハナ肇が出番を忘れてNGを出したというエピソードが当時の新聞に書いてありました。

森繁久彌と森光子
『喜劇駅前女将』より

淡路恵子


駅前シリーズ“レギュラー出演”の淡路恵子は、今回はロングヘアーでバーのママ役。

駅前女将・淡路恵子
『喜劇駅前女将』より

キャラクターは、当時人気ドラマで映画にもなった『男嫌い』(1963年、日本テレビ)をスピンオフしています。

クールな表情と独自の抑揚で、「○○のようよ」「△△かもネ」という話し方は、当時バーのママがみんな真似をしたといいます。

そういえば、『男嫌い』というのは越路吹雪、淡路恵子、岸田今日子、横山道代の4姉妹なんですが、岸田今日子のその後のキャラクターがまさにそうでした。

でも、淡路恵子は最後に結婚するんですが、引っ越しをするシーンで、それまでのキャラクターではなく、トラックの荷台に夫と乗って、2人で嬉しそうにピョンピョンベッドの上で弾んではしゃいでいるのです。女性は結婚が決まると人柄も変わるということでしょうか。いずれにしても淡路恵子はそちらの方が似合ってるように思いました。

人気力士


駅前シリーズは、当時の人気スポーツ選手をゲスト出演させています。

『喜劇駅前飯店』(1962年)では、その年に初めてホームラン王になった王貞治。

喜劇駅前茶釜』(1963年)では、アメリカ本土で3大世界選手権連続挑戦の偉業を成し遂げ、堂々凱旋帰国した若き日のジャイアント馬場。

『喜劇駅前茶釜』でジャイアント馬場
『喜劇駅前茶釜』より

そして、今回は両国が舞台なので力士。出羽海一門から、長老格の出羽錦、のちの横綱、そして理事長になる当時大関の佐田乃山、春日野部屋からともに当時大関の栃の海と栃光です。

出羽錦は私には「田子ノ浦親方」のイメージが強いですね。佐田乃山は理事長時代には見せたことのない笑顔を見せていました(真ん中は京塚昌子)

駅前女将・佐田の山と出羽錦
『喜劇駅前女将』より

左が栃光で右が栃ノ海です。

駅前女将・栃光と栃の海
『喜劇駅前女将』より

これ以外に、子どもたちと相撲を取るシーンがありますが、全員、セリフは1~3つですからカメオ出演(作品に華を添える程度の特別出演という意味)に近いですね。

こうしてみると、『喜劇駅前茶釜』のジャイアント馬場の7シーン出演は、本格出演だったことが改めてわかります。

ラストシーン


ラストシーンは、主要な演者が暖簾分けしたフランキー堺の店に集まります。

駅前女将ラストシーン
『喜劇駅前女将』より

左から、京塚昌子、三木のり平、森光子、伴淳三郎、加東大介、森繁久彌、フランキー堺、池内淳子、淡島千景、沢村貞子。

60年代の喜劇映画と、70年代のホームドラマを支えたオールスターです。

でも、みんな鬼籍に入ってしまったんですね……

そういえば、私はここ1年ぐらいの間、映画DVDというと東宝喜劇映画が95%。しかもひとつの作品を、時間の許す限り何度も繰り返し見てきました。

今は、DVDを再生して、最初に「TOHO」の社名表示とともに鳴る電子音を聞くと、自分は唯物論者のはずなのに、森繁久彌やフランキー堺らの霊魂がホワ~ッと出てくるような気がしてしまいます。

映画ファンの方は、そういう経験てありませんか。

私は少し入れ込み過ぎてるかもしれませんね。

以上、『喜劇駅前女将』でした。

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