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高倉健追悼『神戸国際ギャング』を鑑賞し過去の記事を振り返る

新幹線大爆破

高倉健が亡くなったというニュースで持ちきりです。手元にあったDVD『神戸国際ギャング』(1975年、東映)を鑑賞しました。高倉健が東映在籍中最後に主演した作品です。また、生涯最後の主演作『あなたへ』の時に、メディアで取り沙汰されたいくつかのエピソードも振り返ってみます。

高倉健主演の映画では、先日『新幹線大爆破』(1975年、東映)について書きました。

長年東映で仕事をしてきた高倉健は、その翌年に東映を離れてフリーになりますが、その理由は、当時の岡田茂社長との「溝」がしばしば取り沙汰されました。

その背景には、東映が『仁義なき戦い』が当たって実録路線となり、従来の任侠ヒーローものが後景に追いやられたことで、鶴田浩二や高倉健などの演者の立場が微妙になったことがあるでしょう。

その東映時代の最後の作品が、『神戸国際ギャング』です。

神戸国際ギャング

200本以上映画に出演した高倉健の代表作については議論があるかもしれませんが、本作は節目の作品ではあるので、今回はこの作品について書きます。

終戦後の1947年神戸に、“戦勝国”と称した在日外国人と組んだり対決したりしてしのぎを削っていたグループがいたという話です。

そう呼ばれた実在の組長をモデルにしたともいわれます。

が、映画の結末は、弟分の菅原文太と相討ちで終わっているので、少なくともノンフィクションではありません。

戦後のドサクサで治安が乱れていた頃は、こういう生き方をしている人びともいた、という、東映的な戦後群像物語としてまとめられています。

泉ピン子がまだ売りだした頃で、高倉健や菅原文太と、いわゆる胸ポチの下着姿で艶っぽいシーンを演じています。

高倉健はグループの頭目。

その舎弟格には菅原文太と夏八木勲がいますが、夏八木勲が忠実な弟分なのに比べて、菅原文太の方は高倉健に嫉妬し反目することがあります。

若い衆には、和田浩治、石橋蓮司、まだ現役の世界チャンピオンだったガッツ石松などが出ています。

ガッツ石松が、栃木訛りで神戸人としての会話をしています。

また、紅一点で、NHK連続テレビ小説のヒロインにもなったことがある真木洋子が入っています。

高倉健たちは、砂糖の売買を巡って中国人のグループとトラブルになりますが、頭目の大滝秀治はそれを機会に高倉健と組むことを提案します。

中国人ギャング役の、大滝秀治と今井健二(東映で高倉健と同期)の演技が巧い!

一方、朝鮮人のグループは丹波哲郎がボス。こちらは中国人のグループと諍いが絶えず、高倉健たちも巻きぞえを食いそうになります。

しかし、警察は全く無力。それどころか、「中朝の和解」に高倉健を同席させて力を借りるなど、こんにちから見るとかなりでたらめです。

しかし、当時の警察は「治安維持」の名目で、そうした裏社会のサポートを頼んだとも言われています。

しかも、進駐軍の不届き者と組んで、闇で商品を横流しするのに、菅原文太を利用する警官(戸浦六宏)まであらわれます。

その戸浦六宏にそそのかされて、高倉健と菅原文太は対決することになりますが、そのとき戸浦六宏はちゃっかり取り締まる側にまわり、2人を相討ちさせて何事もなかったことにする、という寂しい結末です。

高倉健といえば、演技派ではないが存在感や説得力がある、といわれています。私が思うに、やはり、圧巻は「目で演技する」ところですね。

顔を動かさず、目だけで演じます。

神戸国際ギャング4

神戸国際ギャング5
ともに『神戸国際ギャング』より

日活映画で石原裕次郎が、前額部の生え際を動かしてグワッと目を見開き、浜田光夫もそれを見習っていましたが、高倉健の目を真似したと思える人が出てきませんね。

高倉健の一騎当千の個性だったのですね。

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高倉健のキーワード急上昇


私が6年前から始めたものの、今はほったらかしにしていた別のブログに、にわかにアクセスが集まっています。

アクセス解析も入れていないので断定はできませんが、おそらくは「高倉健 ○○」という複合キーワードで検索されてアクセスがあったものと思います。

高倉健関連の記事は2件あり、ひとつが、高倉健の主演映画『あなたへ』(2012年、東宝)が公開されたとき、同作の、亡き妻の思い出を探すというストーリーが、高倉健と江利チエミとの関係をほうふつとさせることから、一部メディアに江利チエミとの離婚後の「悲恋」について取り沙汰されたという話です。

たとえば『アサヒ芸能』(2012年9月20日号)には、こう書かれていました。
さる芸能関係者が話す。
「実は健さんは、江利さんとの離婚後、女優の十朱幸代さん(69)と交際していた時期があった。きっかけは、71年に共演した『日本侠客伝』。以前にも健さんと共演していた当時20代だった十朱さんは、健さんの魅力にゾツコンで、2人はつきあうようになった。しかも、女性にはシャイな健さんに対し、十朱さんはかなり積極的で、『結婚したい』と強く望んでいたそうだ。しかし、健さんは江利さんとの失敗に懲りていたのか、結婚には消極的だった」
 強く結婚を迫る十朱に対し、高倉はこう言ったという。
「『タバコを吸う女は嫌いだ…』と答えたそうです。当時の十朱さんはタバコを吸っていましたが、健さんはタバコもお酒もダメ。大のコーヒー党で甘党。撮影所では、付き人に色とりどりの紙で巻かれたチョコの入った缶をいつも持たせていたほどです。健さんからそう言われた十朱さんは、その日からタバコをやめたといいます。もちろん、健さんに愛されるためです。でも、健さんとしては『タバコを吸う女は嫌いだ』は、別れの言葉。十朱さんは『私、タバコをやめました』と告げたようですが、健さんは『タバコを吸っていた女も嫌いだ』と答えフッたそうです」(前出・芸能関係者)
まあ要するに、最初から高倉健は十朱幸代を受け入れる気はなかったという話です。

もうひとつは、同作のPRを兼ねて、2012年8月18日深夜の『SmaSTATION』(テレビ朝日)に高倉健が生出演した際、草なぎ剛と香取慎吾に対してとった態度が、素朴で真面目な人間性があらわれていたという話です。

草なぎ剛が、『任侠ヘルパー』というドラマに出て高倉健をモデルにしたと言っても、「役が合わない」とバッサリ。

香取慎吾に至っては、「台本の記憶などは全て撮影現場で済ませちゃいます」というナメた発言に、「役者に向いてないんじゃないのか? オレが企画部長だったら(あなたを映画に)使わないな……」と手厳しく返しました。

撮影所に向かう前に、役作りをして台詞を入れるのは役者として当然ですからね。高倉健の指摘はもっともです。

ジャニーズ事務所に気兼ねして、誰もがいいたくても言えなかったのに、適当にお茶を濁すことができなかった高倉健だからはっきり言ったのでしょう。

このエピソードは当時、Web掲示板でも話題になったから覚えている人も多いのではないかと思います。
生放送での〝異常事態″に「ジャニーズの関係者は『聞いていない』と激怒していた」(事情通)そうだが、健さんをよく知るテレビ関係者はこう語る。
「健さんは初対面の人に対してより厳しく当たるんです。その人のことを思っての厳しさなんですが、そのフォローはちゃんとする。その証拠に番組終了後、2人に焼き肉をごちそうした」(『東京スポーツ』9月11日付)
マネージャーのI女史はどう受け止めたかわかりませんが、高倉健が現役の時にそのようなことを言ってもらえたのは、むしろ幸せなことではないでしょうか。

私の世代ですと、もしプロレスラーになったら、ジャイアント馬場に16文キックをされたいとか、もし野球ならON相手に投げたいとか、斯界の歴史に残る人と絡んでみたいと思うものです。

高倉健という、日本最後の、そして最大の映画俳優とまでいわれている大物に意見されるなら、私だったら生涯のひとつ話にするほど嬉しいですけどね。

そう思いませんか。

高倉健さんの生前のご遺徳をお偲び申し上げます。

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