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鈴木則文監督の命日に『トラック野郎』などを思い出す

鈴木則文監督の命日に『トラック野郎』などを思い出す

鈴木則文(すずき のりぶみ、1933年11月26日 - 2014年5月15日)監督の祥月命日ということで、振り返ってみたいのが『トラック野郎』シリーズです。菅原文太の初主演である『関東テキヤ一家』や、ポルノというジャンルを確立した『温泉みみず芸者』なども撮っており、大衆的な肩のこらない作品を多数残しています。(画像はGoogle検索画面より)




鈴木則文監督といえば、何と言っても『トラック野郎』シリーズ。

アサヒ芸能・鈴木則文.png
『アサヒ芸能』(2014年6月12日号)より

『トラック野郎』は、東映のヒット作『仁義なき戦い』が一段落した1975年~1979年の東映で、ドル箱だった全10作のシリーズ作品です。

『トラック野郎』の設定は、長距離を走る、いわゆるデコトラ(電飾したキンキラキンのトラック)に乗る菅原文太(一番星こと星桃次郎)と、愛川欽也(やもめのジョナサンこと松下金造)の巻き起こす騒動。

基本的な展開は、当時人気絶頂で年間2作公開されていた『男はつらいよ』と同じで、マドンナが出てきて主人公の星桃次郎はフラれる展開です。

私は上映当時、青年、というより少年で映画の奥深さがわからず、『男はつらいよ』(松竹)に比べると、『トラック野郎』が下品で粗い作り方であると評価して、3作ぐらいで見るのをやめてしまいました。

が、最近になって鈴木則文監督を再評価し、残りの7作も全部観ました。

その頃の『男はつらいよ』の方は、寅さんも歳を取り分別がでてきて、自分の方でマドンナを諦めたり、相手の申し出を断ったりする展開も時々でてきたので、ちょっと男女の機微の描き方がむずかしくなってきたのですが、

アサヒ芸能・トラック野郎.png
『アサヒ芸能』(2013年11月7日号)より

『トラック野郎』の星桃次郎は、車寅次郎のような「哀愁」などあったものではありません(笑)

『トラック野郎』は、初代マドンナは中島ゆたか、2代目があべ静江、3代目が島田陽子、4代目が由美かおる、5代目が片平なぎさ、6代目が夏目雅子、7代目が原田美枝子、8代目が大谷直子、9代目が小野みゆき、10代目が石川さゆりと森下愛子。

星桃次郎は、このマドンナたちにはフラレるのですが、『男はつらいよ』と違うのは、逆に星桃次郎を好きなサブマドンナが登場します。

途中からは、その人と星桃次郎のキスシーンがお約束になっています。

たとえば、第2作目の『トラック野郎・天下御免』(1976年)では、松下金造(やもめのジョナサン) の妻の春川ますみと、物の弾みですがジョナサンの眼の前で濃厚なキスをしているし、4作目の『トラック野郎・天下御免』(1976年)では、マッハ文朱の自称「プライベートを含めて人生の初キス」をしてしまうし、6作目の『トラック野郎・男一匹桃次郎』(1977年)は、成り行きで恋人同士を装っていた飲み屋の女将の浜木綿子と大人の口づけシーンがでてくるし、7作目の『トラック野郎・突撃一番星』(1978年)では、樹木希林に唇を奪われます。

とにかく、桃次郎はモテるのです。

そして、『トラック野郎』に桃次郎の自宅はでてきません。

どうやらデコトラで寝泊まりして、長距離の仕事の合間のオフは、ソープランドを貸し切りにしています。

そして、クライマックスシーンでは、よんどころない用事のため無茶な走行で車のライトやミラーをメチャメチャにし、パトカーにいつも追いかけられています。

現実なら、免停どころかブタ箱行きと思いますが、今見ると、トラッカーの憧れの生き方や人物像なんだろうなあということがわかり、トラッカーでない私も楽しくなってしまいます。

小津安二郎映画の流れをくむ松竹映画もいいですが、「娯楽」時代劇や「実録」ヤクザ映画の東映の「わかりやすい」展開もいいなあと思ってしまいました。

『トラック野郎』の鈴木則文監督はなぜ桃次郎をえげつなく撮ったか

鈴木則文監督の座右の銘は「下品こそ この世の花」(wikiより)だそうですが、まさにその世界で、難しいことを考えさせず映画の楽しさを堪能できます。

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初主演も鈴木則文監督だった菅原文太


以前このブログでも書きましたが、『関東テキヤ一家』(1969年)も鈴木則文監督です。

菅原文太が新東宝→松竹→東映に移籍して、初めての主演作品と言われています。

まだ、『仁義なき戦い』のような実録ものではなく、高倉健の『網走番外地』シリーズのような、創作任侠モノです。

その中で、露天を仕切るテキ屋が、石井富子率いる女子プロレスの興行を打つことになり、当時旗揚げ2年目だった全日本女子プロレス協会の、看板選手のコンビによるタッグマッチが劇中で行われました。(画像はいずれも『関東テキヤ一家』より)

岡田京子
岡田京子と柳みゆき

京愛子
巴ゆき子と京愛子

ポルノというと、私の世代では「にっかつ」を連想しますが、実はその言葉を使ったのは「東映ポルノ」であり、それを撮っていた鈴木則文監督です。

『温泉みみず芸者』(1971年)は、日本ポルノ女優第一号を標榜する池玲子デビュー作ですが、池玲子とともに東映ポルノを支えた杉本美樹のデビュー作でもあります。

杉本美樹は同作では脱いでいませんが……。

ただまあ、全盛期が私の思春期より少し前の人だったんで、私が思う東映のお色気路線の女優といいますと、片山由美子>杉本美樹>>>池玲子ぐらいの位置付けですね。申し訳ない。

片山由美子
片山由美子、『プレイガール』より

現在の片山由美子さんです。私をフォローしてくださっている、ひし美ゆり子さんのツイートからです。




鈴木則文監督作品、みなさんは何かご覧になりましたか。

トラック野郎 爆走一番星
トラック野郎 爆走一番星
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nice!(238)  コメント(12)  [編集]
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コメント 12

nikki

トラック野郎、見た記憶はありますが、細かいところまでは覚えてません。

ポルノは東映が初めてだったのは知りませんでした。

by nikki (2018-05-16 00:14) 

末尾ルコ(アルベール)

鈴木則文監督の命日に『トラック野郎』などを思い出す・・・今夜もまた素晴らしいレヴュー!有難うございます。とは言え、不肖わたくし、鈴木監督作品は鑑賞してないものだらけですが、何と言っても、『緋牡丹博徒シリーズ』の生みの親ではありませんか!もうこのシリーズ、最高に好きなのです。東映のシリーズものとして最も好きなのを二つ挙げるとすれば、『緋牡丹博徒シリーズ』か高倉健と池部良がコンビの『昭和残侠伝』です。藤純子のカリスマ性たるや凄まじく、寺島しのぶが若い頃、誰かに「お母さん(藤純子)の映画は観ない方がいい」と言われたくらい。つまりあまりにスターの藤純子の姿を観てしまうと、娘としては自信を無くしてしまうという配慮だったのですね。それも納得の緋牡丹お竜の艶姿で、わたしが邦画史上最も好きな女優を選ぶとすれば、若尾文子と藤純子です。
と、つい興奮してしまいましたが、実は『トラック野郎』シリーズは、(何本か観たかな?観てないかな?)くらいの記憶しかないく、これはわたしも鑑賞し直す必要がありますね。そしてマドンナの豪華なこと。特に気になるのは、あべ静江、夏目雅子、へえ~、原田美枝子や石川さゆりも出てるんですね。そして今や「カンヌ常連女優」と化した樹木希林も!もちろん菅原文太のカリスマも強烈です。このようなシリーズものの人気作は、実力十分のスター俳優あってこそ後々まで残る作品になるのですよね。『社長シリーズ』しかり、『寅さん』しかり、『釣りバカ日誌』しかりですね。その観点から見れば、本物のスターのいない現状でおもしろいシリーズ映画ができるはずありません。ハリウッドに目を向ければ、現在マーベルのスーパーヒーローシリーズが全世界で天文学的な興行を展開しておりますが、莫大な製作費をかけているのもさることながら、出演俳優が皆超一流ばかりなのですよね。だからこそ観客は、(あの俳優の、あのキャラクターにまた会いたい)と、お金を払って映画館へ足を運ぶのです。「俳優の魅惑」については新旧を問わず、どんどん語っていきたいものです。そして鈴木則文監督、ヤクザ物やポルノなど、「映画ならでは」の題材が中心なのも素晴らしい!映画って、ハイブロウなアートもあれば、常識人(笑)が眉をひそめるような見世物的な作品もあると、それでこそ「豊か」なのだと思います。

「中性的」というのは特に70年代から日本の芸能などの大きなポイントですね。実は最近フランス人の友人が羽生結弦がなぜ日本でここまで人気があるかについて、「男でも女でもないから」と語っていました。要するに、「まだ誰のものでもない、特にどこかの自分以外の(笑)女のものではない」という幻想を持ちたいというのが大きいのでしょうね。
あいさき進也は数日前にふとしたひょうしに思い出したのですが、「あいざき進也」という名前には何がしかの印象的なものがあるにしても、何をやっていたか、どんな歌を持っていたのかなどはまったく思い出せずについつい調べてしまいました。城みちる=「イルカに乗った少年」とか三好英次=「雨」とかいう代表作も思い浮かばなかったですし。
少女漫画の影響は日本では本当に大きいですね。今でもティーン女子向け映画の原作はたいがい少女マンガですし。クオリティの高い少女漫画が多いことは分かってますが、大人の年齢になってまだ「壁ドンに憧れる」なんて言ってる人にはかなり引いてはしまいます。

わたし実は、小坂明子と小林明子がややかぶっていて、名前も「坂」と「林」の違いだけですし(笑)、二人ともほぼ一発屋だった点も共通していますが、年代がぜんぜん違いましたね。かぶっていたがゆえに、小坂明子もけっこう最近の人と勘違いしていたようです。

最近観たのですが、宮路オサムがぴんからの宮史郎が亡くなる直前にテレビで共演していて、宮は体を震わせながらもどうにか歌うのですが、それはそれで感動をもよおすシーンでした。わたしは子どもの頃、ぴんからよりも殿様キングスと言いますか、宮路オサムの印象がとても強くって、その宮路が「ぴんからがいなければ、自分はいなかった」と言う姿にも昭和の薫りを感じました。

『俺たちの勲章』はできあがった二人のスター俳優の競演というイメージでしたが、そうでもなかったのですね。お話を拝読して、中村雅俊にもけっこうきわどい綱渡りの時期があったことがよく分かりました。

>杉村春子が「あなたうちの座員だったの?」と無視する程度

杉村春子は比較的若い頃から巨匠の映画へよく顔を出していますが、やはり凄いです。少ない出演シーンでも(ハッ)として見惚れてしまいます。銀幕の大スターというわけではないですが、まさしく不世出の大女優ですね。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-05-16 01:33) 

犬眉母

トラック野郎。タイトルだけ知ってます(笑)
by 犬眉母 (2018-05-16 04:40) 

ヤマカゼ

ずいぶん懐かしいのを出してきましたね。
by ヤマカゼ (2018-05-16 06:21) 

チャー

トラック野郎と言えばデコトラを思い出します
by チャー (2018-05-16 07:31) 

pn

下品こそこの世の花、良い言葉だなぁ。どれもこれも表は無駄に綺麗になりすぎてる気がします。
by pn (2018-05-16 09:00) 

kiki

トラック野郎、観たことないです。
by kiki (2018-05-16 11:52) 

nikki

昨日の記事で行き過ぎた表現を修正しました。
名古屋市で意見が通らないからと言って名古屋城の運営にはかかわってないはずの愛知県まで障がい者団体が抗議するのはどうかと思いあのような表現になってしまいました。
お詫びして訂正します。ごめんなさい。
by nikki (2018-05-16 12:46) 

taekozue

トラック野郎好きでよく見ていました。
かなり前には良くテレビで放送されていましたね。
数年前、菅原文太さんが亡くなった後も、
懐かしくなってレンタルしてきてみましたが、今では放送できないような下品さや無謀な走りは、今見ると逆に新鮮味もあり、
貴重な映像かもしれないですね。
by taekozue (2018-05-16 14:43) 

JUNKO

トラック野郎は結構見ましたよ。菅原文太が好きなので。
by JUNKO (2018-05-16 16:19) 

ヨッシーパパ

監督は存じ上げませんが、「トラック野郎」シリーズは、興味深かったですね。
デコトラなんてのも、流行りましたね。
by ヨッシーパパ (2018-05-16 19:17) 

makkun

トラック野郎は文太とキンキンのコンビが
最高でしたね~(v^ー°)
とても楽しい映画だったです(*∩ω∩*)
by makkun (2018-05-17 15:41) 

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