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『日本一のホラ吹き男』高度経済成長を象徴するキャラクター

『日本一のホラ吹き男』高度経済成長を象徴するキャラクター

『日本一のホラ吹き男』(1964年、東宝)が、明日1日のBSプレミアムで13時から放送されます。植木等主演の『無責任』シリーズに続く、『日本一』シリーズ第2作。ホラを吹いて大出世をねらうお調子者のサラリーマンの活躍を、軽妙なテンポで描く痛快コメディーです。(画像は劇中より)



植木等・クレージー映画については、これまでこのブログで何度もご紹介してきましたが、実は『日本一のホラ吹き男』は、まだご紹介したことがありませんでした。

日本一のホラ吹き男.jpg

東宝が、植木等主演の映画を作り、『ニッポン無責任時代』(1962年7月)、『ニッポン無責任野郎』(1962年12月)が立て続けにヒットしたのですが、どちらかというと体制に媚びない個人主義的な主人公でした。

しかし、明るく楽しくハイソな東宝映画としては、それはちょっとまずいということになったそうです。

そこで、会社のことを思って猪突猛進のモーレツぶりで仕事を成功させる、まさに高度経済成長時代の先頭を行くようなキャラクターに路線がかわりました。

それが、『日本一』シリーズです。

その第2弾として作られたのが、本作『日本一のホラ吹き男』だったのです。

「ホラ吹き」というタイトルは、当時話題だったカシアス・クレイ(モハメッド・アリ)からとったものです。

ところで、モーレツ社員という言葉は、ある世代以上でないと意味わからないとおもいますが、ご存知ですか?

植木等演じるのは、オリンピックを目指していた三段跳びの代表選手・初等(はじめひとし)です。

ケガで失意の引退をして実家に戻るものの、実家の土地を掘った際に出てきた瓶の中に入っていた祖先の伝記を読みます。

そこには、大ボラ吹いても必ず実現して、浪人から一万石の大名に三段出世した話が書いてありました。

201807312351.png

そこで気を取り直した初等は、一番就職が難しい日本一の大会社である「増益電機」に就活。

相手にされないと、臨時の守衛で、とにもかくにも増益電機に潜り込み、そこから社長に直談判⇒本社資料係に採用⇒残業代もとらず働いて宣伝係長に任命⇒商品のヒットで課長に抜擢⇒発電機の受注をとり営業部長に昇進と、まさに三段跳びの出世をします。

タイトルは「ホラ吹き」ですが、要するに有言実行です。

そして、ミス増益電機(浜美枝)とも結ばれるものの、こちらは結婚後尻に敷かれるという話です。

仕事は成功するけれど、女性では必ずしも首尾よくというわけにいかないのは、社長シリーズと同じパターンです。

それもそのはず、脚本は、社長シリーズでおなじみの笠原良三です。

監督は古澤憲吾、出演は植木等、浜美枝、草笛光子、谷啓、飯田蝶子ほか。脚本は笠原良三、音楽は宮川泰、萩原哲晶。

クレージー映画も30本ありますから、そうしょっちゅう放送はしないと思いますので、明日はぜひご覧ください。

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戦後の東宝映画黄金時代を支えた役者


もうひとつ、映画繋がりで、今日は加東大介(1911年2月18日~1975年7月31日)の命日です。

加東大介
『続・社長漫遊記』より

兄は沢村国太郎、姉は沢村貞子、甥は長門裕之・津川雅彦、そしてマキノ雅弘、轟夕起子、黒澤明らとは姻戚関係にある映画・演劇一族です。

社長シリーズのイメージが強いですが、『南の島に雪が降る』『七人の侍』『用心棒』『陸軍中野学校シリーズ』『大番』など、大作にも出演。

1950~70年代の東宝映画では、主演も助演もこなす、貴重な役割を果たしました。

今回ご紹介したいのは、最後の仕事になったテレビドラマの『6羽のかもめ』(1974年10月5日~1975年3月29日、フジテレビ)です。

『6羽のかもめ』

倉本聰、お得意の(?)暴露ものです。

劇団が分裂に分裂を繰り返し、残った淡島千景、加東大介、長門裕之、高橋英樹、夏純子、栗田ひろみの6人が、稽古場兼住宅兼事務所の小さな自社ビルに住み、仕事でいろいろな出来事を経験するストーリーで、そのエピソードが実話だったというものです。

テレビ局課長の中条静夫がこれでブレイクし、後に演出家として頭角を現した蜷川幸雄が、この頃はまだ端役のプロデューサー役で出演しています。

『6羽のかもめ』で蜷川幸雄

倉本聰の暴露物というと、昨年の『やすらぎの郷』が有名ですが、もう面白さのレベルが違うでしょう。

女優は監督と寝て大きくなる、ことをはっきりとゴールデンタイムのドラマで明らかにしているのは、当時子どもだった私には衝撃的でしたが、それだけタブーに踏み込んだ作品だったのです。

こんな傑作を、44年経ってほとんど誰も語っていない。もったいないですね。

加東大介は、このドラマの撮影途中でがんが発覚。

ある回から急激にやつれて声も出ず、見た目にも異常がわかりましたが、最終回まで演じぬき、エピローグでは、1人杖を持って座っていたのを今も忘れることができません。

『6羽のかもめ』第1回劇中より
第1回劇中より

『6羽のかもめ』最終回劇中より
最終回劇中より

『6羽のかもめ』加東大介をねぎらうディック・ミネ(打ち上げシーンより)
加東大介をねぎらうディック・ミネ(打ち上げシーンより)

でも最終回まできちんと出演されて生涯を終えられたことは、せめてもの救いといいますか、よかったとおもいました。

フジテレビ開局50周年記念DVD 6羽のかもめ
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ナベちはる

守衛から忍び込んで社長に直談判して最終的には営業部長、今ではありえない話ですが、それだけの行動力があれば何事も問題なく解決していけそうで羨ましいです。
by ナベちはる (2018-08-01 00:29) 

末尾ルコ(アルベール)

『日本一のホラ吹き男』高度経済成長を象徴するキャラクター・・・以前に録画したものを最近鑑賞したばかりです。おもしろかった~~!!ハイスピード、ノンストップコメディとして、行きつぐ間もないおもしろさでした。展開として、植木等が常に不利な状況になるのですが、その状況を利用して必ず逆転していくのですよね。その逆転ぶりが安っぽいポジティブ思考などとは違い、地に足はつけながらも、「どんな状況でも突破口は見出せる」というメッセージを発しているように感じました。(映画だからできる)とかじゃなくって、「恐れず進め!」というメッセージをカリカチュアしている感じなのですね。
もちろんそれは、植木等という稀代のスターあってのことです。現在の俳優やコメディアン、誰がやっても成立しなかったでしょうね。そしてよく見れば、顔立ちもとてもいい。
観どころいっぱいの作品だったのですが、例えば、時代劇部分のしっかりした作りも素晴らしかったです。御前試合のシーンとか、剣豪好きのわたしにはお宝状態でした。
そして衝撃的(笑)だったのが、浜美枝のあまりの綺麗さです。あの洋服の着こなしと見事な立ち姿、歩き姿・・・これまた今の女優でいるかなあ~と思ってしまう素晴らしさです。浜美枝の出演作は『007』を含めけっこう観てますが、今までのところ、この作品が「浜美枝トップ1」です(笑)。

戦後の東宝映画黄金時代を支えた役者・・・やはりだいぶん痩せてられますね。このところ社長シリーズをしょっちゅう観ておりますので、我が家では馴染みの俳優さんとなっております。蜷川幸雄もこうしてドラマに顔を出したりしてたんですね。さすがに巨匠になってからとは雰囲気が違います。
監督にしても、俳優にしても、そして脚本家などにしても、彼らが「本当に語り継いでほしいと思っている作品」というものがあると思うんです。しかしもう既成のメディアのほとんどにそれを期待しても無益です。そしてまさにそうしたことをやっておられるのが、いっぷく様のお記事だと思います。本当にいつも素晴らしいです。
もちろん志ある作家や批評家の中にはそうした仕事を積極的にやっている人たちもおりますが、とにかく平成日本に大きく欠落している「素晴らしいものを語る、語り継ぐ」という行為、わたしも常に意識して、できるだけのことはやっていきたいと考えております。

「不破」という文字を見ると、不破万作は素晴らしい俳優ですが、まず不破哲三、そして金子書記局長が脳裏に浮かぶっていうのも困ったものですが、何かこの二人、セットで印象的でした。金子書記局長の街頭演説で身振り手振りを交えてのパフォーマンスを見ながら、(絶対、レーニンになり切ってる)と思っていたものでした。それと選挙で落ちて涙目になっている顔が報道番組で度アップになった瞬間も、昭和の一コマとしてよく覚えております。

金魚女のお話、わたしは詳しく知りませんでしたが・・・スゴイですねえ~。ここまでの「バ×」だと逆に清々しくなりますね~(笑)。新しい情報では、「二度としない」と述べたとありますね~。いや~、清々しい(笑)!
しかしこんなツイートが広まって炎上とか、まったくおかしな世の中です。そもそも日本人が世界でどのくらい魚を食べているのかというお話にもなりますし。まあ、はあちゅうみたいに中途半端に小賢しい人物が話題を集めるよりは、ここまで「バ×」が話題になる方がより清々しい気がいたします。どうせなら剛力彩芽にはこんな素人女(笑)の後塵を拝すことなく、次の投稿では『恐怖新聞』が雨戸を突き破って入って来る戦慄のシーンを再現していただきたいものです。

>垢抜けないっていうのは武器です。

そう言えば日本では、ニュースキャスターでも米国風のいかにもデキる女性は敬遠される傾向にありますね。特にテレビは主婦層が多く観てますから、そのニーズから逸れることはなかなかできません。RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-08-01 02:01) 

ヤマカゼ

ニッポン無責任時代は見たことあるかも。高度成長期の日本の元気を象徴していたような。
by ヤマカゼ (2018-08-01 06:24) 

pn

ちょこっと野田元総理に似てなくもない(笑)。
治療しながら出続けてたって事ですよね?凄いな。
by pn (2018-08-01 07:42) 

ピンキィモモ

こんにちは。
昨日は休みだったので、父親に付き合って「ニッポン無責任野郎」を見ました。
今なら考えられないほどの無責任ぶりでした^^;
by ピンキィモモ (2018-08-01 10:47) 

みうさぎ

午後から良くテレビで放映されていたので
見ていたわい。クレージキャッツのファンになって歌も練習したなあー
時代反映された映画ですよね
駅前シリーズやら
映画館では観てないけど
面白かった記憶があります
元気な日本を表現してたと
思うわ
今は日本どうなんやろ
ワッハハ!て笑えない感じする
by みうさぎ (2018-08-01 12:14) 

なかちゃん

昔のクレイジー映画って、何本か見たけど全部面白いですよね ^^
これは確か今日なんですよね。
留守録の予約を忘れていました(^^;

by なかちゃん (2018-08-01 14:23) 

ヨッシーパパ

植木等は、気持ちのスカッとするような笑った顔が良かったですね。
by ヨッシーパパ (2018-08-01 18:23) 

犬眉母

もちろん映画だからうまくいったのでしょうけど、
現実も、気持ちはいつも前向きにありたいですね。
by 犬眉母 (2018-08-01 19:19) 

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