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源氏鶏太、『七人の孫』など多数映像化もされた昭和の大衆小説家

源氏鶏太、『七人の孫』など多数映像化もされた昭和の大衆小説家

源氏鶏太(げんじけいた、1912年4月19日~1985年9月12日)さんの命日が12日です。サラリーマンの会社生活や家庭生活などを描いた小説で有名です。昭和らしいストーリーを展開した作品が多く、『七人の孫』など作品の多くが映画・テレビドラマ化されています。



サラリーマンの生活を描いた作家は、たとえば先日ご紹介した山口瞳もそうです。

が、山口瞳の場合は自分の体験をそのまま書いた私小説です。

源氏鶏太の描く物語は、キャラのたった社員が、幾多の出来事を通して、結局はハッピーエンドという、昭和的エンターテイメントとしての完成度が高い典型的な大衆小説です。

源氏鶏太
Google検索画面より

それだけに、映画化、テレビドラマ化がしやすいようで、これまでにも多くの作品が映像化されています。

印象的なものでは、たとえば東宝映画のサラリーマン路線に道を作った『三等重役』(1952年、東宝)、テレビドラマにホームドラマの時代を作った『七人の孫』(1964年1月6日~1964年7月6日、TBS)など、映画界、テレビ界にとってエポックメーキングな作品があります。

七人の孫
https://www.youtube.com/watch?v=BfOHV-lygAI より

森繁久彌の祖父、父母(大坂志郎、加藤治子)、七人の孫(高橋幸治、松山英太郎、いしだあゆみ、島かおり、勝呂誉、長谷川哲夫、田島和子)の織りなす大家族ホームドラマです。

七人の孫
Facebookより。島かおりといしだあゆみの区別がつかなかった子供時代(笑)

主人公は73歳の設定ですが、森繁久彌はこの時点でまだ49歳でした。

その2年前に撮った『喜劇駅前探検』では、松山英太郎は息子だったのに、このドラマでは孫の設定です。

脚本は、井手俊郎、松木ひろし、窪田篤人ら。

ナショナル(現パナソニック)の単独スポンサーです。

月曜8時。後にあの『水戸黄門』が放送される枠です。

テレビ史的には、『七人の孫』と、同時期に同じような設定で始まったドラマ『ただいま11人』(1964年6月4日~1967年3月23日、TBS)を併記して、「ホームドラマの時代が始まった」といわれます。

ただいま11人
Google検索画面より

『ただいま11人』は、山村聡と荒木道子夫妻に、2人の息子(山本圭、石崎吉嗣)、7人の娘(池内淳子、渡辺美佐子、中原ひとみ、丘さとみ→大空眞弓、松尾嘉代、田村寿子、沢田雅美)の設定です。

プロデューサーは、石井ふく子

木曜8時、資生堂の提供です。

そう、このドラマから、『肝っ玉かあさん』や『ありがとう』といった高視聴率の連続ドラマにつながっていったのです。

源氏鶏太原案ドラマと石井ふく子ドラマの違い


どちらも大家族のホームドラマとしては同じですが、作風が少し違っていたとおもいます。

『七人の孫』は、植木等の『ニッポン無責任時代』や、『ニッポン無責任野郎』、一連の石立鉄男ドラマでお馴染みの松木ひろしが執筆しています。

泣けるところもあるけれど、からっと明るいシチュエーション・コメディ。

いわゆるシットコムといえるドラマでした。

つまり、お茶の間を舞台に、1話完結で、レギュラー(森繁久彌プラス9人の夫婦と孫プラスお手伝いの悠木千帆)が全出演者で、毎回登場人物のキャラクターならではの出来事でストーリーが展開します。

『ただいま11人』は、どちらかというと『サザエさん』に近いですね。

キャラの著しくたった人はおらず、父親の定年問題、娘の結婚や就職・進学問題など、どこの家庭でもおこる定番問題をオーソドックスに進めていきます。

父親の山村聡は、××重工設計部長、月収20万円の設定です。

今なら100万円を超えるでしょう。

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「男は黙って」源氏鶏太作品


それ以外には、OLを主役にした有馬稲子と三船敏郎の『ひまわり娘』(1953年、東宝)、

ひまわり娘
Google検索画面より

若尾文子主演、増村保造監督の『青空娘』(1957年、大映)

201809120406.png
Google検索画面より

など、日本映画を代表する大物も出演させています。

また、『御身』という作品は、1962年に叶順子と宇津井健主演、監督島耕二で大映が映画化しましたが、

御身
Google検索画面より

その18年後に『愛の旅路』(1980年9月1日~10月31日)とタイトルを変えて、TBS「花王 愛の劇場」枠で大出俊と樋口可南子の主演でリメイクされています。

18年といえば、決して侮れない時のうつろいですが、源氏鶏太作品は普遍的な面白さがあるのでしょう。

源氏鶏太の作品、もしくは原作・原案になった映画やテレビドラマは、ご覧になったことありますか。

青空娘 (ちくま文庫)
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青空娘 [DVD]
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七人(シチニン)の孫 (角川文庫 (5800))
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nice!(205)  コメント(11)  [編集]
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コメント 11

Rinko

若かりし頃の有馬稲子さんの美しさに目が釘付けです!!
by Rinko (2018-09-12 08:11) 

pn

いつもは記憶のあるやつがあるのですが今回紹介の作品は何故だろう全部記憶に無い。1967年生まれなので仕方ないのですが愛の旅路も覚えてない(T_T)
by pn (2018-09-12 09:04) 

扶侶夢

「青空娘」も源氏鶏太・原作でしたか…若尾文子が好きな頃があって観ましたがそれは知りませんでした。
源氏鶏太と言えばやはり「七人の孫」ですね。少年時代のご贔屓TV番組のひとつとして記憶に残っています。特に父親が森繁久彌の若い頃からのファンだったので毎週欠かさず家族全員が観る茶の間の定番だった記憶があります。
by 扶侶夢 (2018-09-12 09:59) 

末尾ルコ(アルベール)

源氏鶏太、『七人の孫』など多数映像化もされた昭和の大衆小説家・・・「大衆小説」という言葉から連想する作家でわたしがよく読んでいたのは、山岡荘八や山手樹一郎らで、どちらも時代物なのですが、独特のテンポや言葉使いがあって、読み始めるとしばらく病みつきになるのですよね。源氏鶏太は読んだことないのですが、おもしろそうですね。
映画の『青空娘』は何度も観ています。まずタイトルにインパクトがあります。なかなかここまでてらいのないタイトルは付けられないですよね。しかもこのタイトルで若尾文子主演(笑)。若尾文子は三島由紀夫とW主演(笑)の『からっ風野郎』も大好きで、主演でありながら浮きまくりの三島にウケました。
「ひまわり娘」なんていう歌もありましたが(笑)、映画の『ひまわり娘』については知りませんでした。この洒脱な三船、興味あります。
『少女フレンド』の表紙が目を引きますね。同誌や『マーガレット』などの表紙と言えば、「ウニのような目」をしたヒロインというイメージが大きいですが、このように人間が表紙の時期もあったのですね。

>源氏鶏太原案ドラマと石井ふく子ドラマの違い

このお話も興味深いです。近年の「3か月完結」のテレビドラマはまず初回に登場人物の紹介とその後の展開のフリがあり、2話目以降は主要な脇役を一人ずつ軸に据えたエピソードを順番に2か月くらいやって、残りで物語を展開させて最終回へ繋げるというパターンがほとんどです。正直なところ、(毎度毎度よくやるよ)と思うのですが、このような昨今ですから、『ただいま11人』のような作風は新鮮に見える気がします。


>その人たちの演出とは少し違うと思えるところがあります。

そうなのですね。いや本当に、山田洋次監督を含め、邦画喜劇についていつもいろいろお教えいただいて、鑑賞しながら、(なるほど、これがいっぷく様のおっしゃっていることか!)とハッとすることしばしばです。
それにしても『釣りバカ日誌8』の室井滋の表情には驚きました。室井滋は素晴らしい知性を持った役者ですが、どうしても「にぎやかし」的役が多く、性愛どころか恋愛に絡むものもあまり観た記憶がなく、それが同作品の一瞬の「女そのもの」の表情・・・このようなシーンが存在することは、どんどん語っていきたいと思うのです。

>「人との競争に勝つにはそれぐらいあるよなあ」という納得ができます。

そうなのです。スポーツ選手はその競技での「凄さ」を求めてくれればいいのであって、人間的にはどこか弱さとか、不備な点があってもその方がシンパシーを感じますし、俳優など表現者の分野でもそうですね。
そもそもわたしはどちらかと言えば、「ラケット破壊」「猛抗議」大好きなんです。もちろん2流以下の選手がやったら見苦しいだけですが、一流同士の戦いは極限のやり取りであって、一般人のヌルい倫理観で判定してほしくありません。今回の決勝戦も5年後には、「とてつもない試合」として、「世界スポーツ界」の伝説になること間違いなしです。そういうある程度長い目で、そして俯瞰して見ることも必要ではないかと思います。

淡路恵子のプロフィールを見ていて、この人は宝塚出身ですよね、他にも日本映画黄金期に宝塚出身女優は多くいたのですが、昨今は生まれ難くなっているなと思い至りました。と言いますのは、近年の宝塚スターって、男役も娘役も背が高くてプロポーションがとてもいいんです。それはステージ映えという点ではいいのですが、そのまま女優になってしまうと、あまりのプロポーションのよさで浮いてしまうことが多くなるだろうなと。わたしはバレエファンになる以前はよく宝塚大劇場へ高速バスで(笑)行っていたのですが、やはりその頃にスターだった人たちも、退団後映像系の女優になっているケースはほとんどありません。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-09-12 10:00) 

えくりぷす

子どもの頃父親の実家に行くと、源氏鶏太の小説が何冊もありました。父の兄(伯父)が就職したころ、買い込んだそうです。なんでも、サラリーマンとして辛いときに読んで元気を貰っていたとか。
私自身は、映画『三等重役』がNHK BSでやっていたのを観ました。たしか山田洋次監督が選ぶ名作(喜劇50本)のうちの1つだったと思います。
by えくりぷす (2018-09-12 14:27) 

ヨッシーパパ

少女フレンドは、映画雑誌か何かでしょうか?
フレンドという少女漫画雑誌は知っていますが、それは、知りません。
by ヨッシーパパ (2018-09-12 18:41) 

kiki

『七人の孫』は観てました。
いしだあゆみが末孫だったような?
内容は覚えてないのですが、懐かしいと思いました。
映画は見てないです。
by kiki (2018-09-12 19:00) 

ヤマカゼ

七人の孫とは、題名からするとどの子もかわいくて困ってしまいそうですね。
by ヤマカゼ (2018-09-12 21:09) 

犬眉母

三船敏郎さんは、コミカルな役も厭わないのがいいですね
by 犬眉母 (2018-09-13 13:56) 

そらへい

7人の孫、小6から中1の頃に見ていたことになりますね。
テレビ欄の出演者の名前が懐かしいです。
by そらへい (2018-09-13 19:58) 

うつ夫

ホッとした気持ちにさせてくれそうな小説ですね。
by うつ夫 (2018-09-18 23:51) 

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