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太地喜和子、小悪魔でも心優しい役を演じた太く短い女優人生

太地喜和子、小悪魔でも心優しい役を演じた太く短い女優人生

太地喜和子さん(たいちきわこ/本名読みたいじきわこ、1943年12月2日~1992年10月13日)の27回忌です。東映ニューフェース、俳優座養成所、文学座と、役者としては華やかな表舞台を歩き、テレビドラマや映画も多数出演。実績を重ねるごとにますます嘱目されました。



が、1992年10月13日、乗っていた車が桟橋から海に転落する事故により、49年の太く短い人生を終えました。

太地喜和子
Google検索画面

太地喜和子を語る時、まずでてくるのが出自です。

実母は別にいる、と公言していたため、芸能マスコミは山田五十鈴の娘という「複雑な身の上」話が確定したことのように囁きましたが、当事者がそれを認めた事実はありません。

デビュー時は、「志村妙子」という芸名で仕事をしていたので、それが本名かなと思いましたが、墓誌を見ると「太地家先祖代々之霊」とあるので、たぶん「太地喜和子」が本名であり、ちゃんと太地家の子孫として墓に入っていました。

太地家先祖代々之霊墓誌
https://drunkenjohnny.muragon.com/entry/1636.html より

まあ、私が見て、山田五十鈴の娘である瑳峨三智子に似ていると感じたことはありますけどね。

いずれにしても、このような出自のギミックが、女優・太地喜和子の陰翳あるイメージ作りに貢献していたとおもいます。

過去の出演作品は、このブログで過去にご紹介したものだけでも、たとえば田宮二郎版の『白い巨塔』(1978年6月3日~1979年1月6日、田宮企画・CX/CX)があります。

財前五郎(田宮二郎)の愛人である花森ケイ子を演じました。

白い巨塔の太地喜和子
DVD『白い巨塔』より

財前五郎が、実は弱い人間であることを見透かして、ケイ子は五郎に意地悪な質問をするなどからかうのですが、弱った五郎を見ると論破しきれず抱きしめてしまいます。

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』(1976年、松竹)では、芸者ぼたんを演じました。

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
アマゾンプライムビデオより

寅次郎のマドンナというと、たいていの人はリリー(浅丘ルリ子)を挙げるのですが、私は以前も書いたように、寅次郎のセンシティブなところを見れば、ズケズケ言うだけでフォローのないリリーより、からかう限度を知った上で相手をしているぼたんこそふさわしいとおもっています。

さて、太地喜和子は、生涯出演映画39本中7本が喜劇で、70年代に集中しています。

日本一のショック男』(1971年、東宝)『喜劇泥棒大家族天下を取る』(1972年、東宝)は、クレージー映画のメイン監督で、のちに『クレクレタコラ』を監督した坪島孝

日本一のショック男タイトル
クレージー映画の最終作品(Youtubeより)

『喜劇男の泣きどころ』(1973年)『喜劇男の腕だめし』(1974年)『喜劇女の泣きどころ』(1975年)が松竹の旅行シリーズを撮っていた瀬川昌治。

そして、1976年には、山田洋次監督の『男はつらいよ寅次郎夕焼け小焼け』に出演しています。

当時、喜劇映画で注目された監督ばかりですね。

そして、今回ご紹介するのは、ブラックユーモアも織り交ぜた野村芳太郎監督による『コント55号とミーコの絶体絶命』(1971年、松竹)です。

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わがままな市会議員の娘で萩本欽一の婚約者役


坂上二郎と萩本欽一
DVD『コント55号とミーコの絶体絶命』より

坂上二郎と萩本欽一は両親のいない兄弟で、坂上二郎が萩本欽一を、苦労して大学まで出したという設定。2人とも神奈川の湘南市役所につとめています。

ふとしたことから、萩本欽一は、市会議員の愛人の娘(太地喜和子)に気に入られますが、

太地喜和子
DVD『コント55号とミーコの絶体絶命』より

ガソリンスタンドで働き、夜はゴーゴーバーでで歌う由美かおるが気になっています。

由美かおる
DVD『コント55号とミーコの絶体絶命』より

太地喜和子はわがまま娘の設定ですが、結局萩本欽一のことは諦めます。

一方、坂上二郎は、倍賞美津子・田中邦衛の2人に美人局で騙され自殺をはかりますが、由美かおるに助けられます。

そこで、由美かおるが、母親の手術代のために働いていることを知り、彼女のためにお金を用立てようとします。

それを知った萩本欽一は、自分を苦労して大学まで出して、青春のなかった兄のために身を引きます。

が、そもそも由美かおるは坂上二郎をそういう対象としては見ておらず、手術を担当した主治医(なかにし礼)と結ばれる、というオチです。

まあとくに傑作というほどでもない、ありふれたストーリーですが、美人局というカタギがやらない悪どい話をユーモラスに描く、野村芳太郎ワールドが見どころと言えるでしょう。

太地喜和子で、何か印象に残っている作品はありますか。

白い巨塔 [DVD]
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男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け HDリマスター版(第17作)
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シネマ de 昭和 コント55号とミーコの絶体絶命 [DVD]
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日本侠客伝 花と龍 [DVD]

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nice!(258)  コメント(13)  [編集]
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Labyrinth

映画はあまり覚えていませんが
帝劇で、『近松心中物語 それは恋』を観られたことは嬉しい思い出です。
彼女は艶っぽくて綺麗でした。
by Labyrinth (2018-10-13 02:35) 

末尾ルコ(アルベール)

太地喜和子、小悪魔でも心優しい役を演じた太く短い女優人生・・・太地喜和子は事故で亡くなっているんですね。そう言えば、そのような報道に接した記憶があります。年齢を重ね、より迫力のある役を演じていたこと間違いない人だけに、とても残念なことでした。
太地喜和子出演作品を多く観ているわけではないですが、最近『獄門島』を観ました。ブログにも書いたのですが、この作品は、大原麗子、司葉子、太地喜和子、そして坂口良子と、女優パラダイス(笑)のような作品でしたね、思い返せば。この錚々たる顔ぶれの中で、太地喜和子のインパクトは十分発揮されておりました。
『コント55号とミーコの絶体絶命』はおもしろそうですね。ハリウッドではコメディアン主演の爆笑映画ってずっと制作され続けておりますが、日本は今、映画で観たいコメディアンとかおりませんものね。コント55号のことを考えれば、今のお笑いのショボさがよく分かります。「ご意見番」になりたがる連中は多いですが(笑)。
こうして太地喜和子のお写真を拝見しながらつくづく思うのは、今の日本で、このような女優は受け入れられるだろうかということです。現に太地喜和子のような女優は見当たりませんよね(それを言うなら、見当たらない女優がいくらでもおりますが 笑)。そして仮に昭和の太地喜和子が今生きていて、もしテレビドラマへ出たら、ネットで「あんなキモいおばさん、見たくもない!」とか叩かれそうな気がします。だから吉田羊のような適度にヌルい女優が持ち上げられるのでしょうね。映画もテレビドラマもつまらなくなるはずです。
太地喜和子出演の『男はつらいよ』、ぜひじっくり観てみたいと思います。

そこで(笑)、わたしも吉田羊に対して(いいな)と感じたことはありません。木村拓哉の『HERO』でにわかに名前が売れたのですが、結局これも、中年以降の女優が現在はあまり活躍してないということも大きいのではと。活躍してない以前に、人材もおりませんし、活躍の場もないですからね。濃厚な悪女とか、昭和であれば映画はもちろん、テレビドラマでも出番があったと思いますが、今ではヌルくて頭がカチカチに固まった人たちがすぐに叩きそうですね。吉田羊、「悪い」とは思いませんが、そんなに持ち上げるほどの実績、実力があるとは思えず、今やってるドラマにしても、「デキる女&バイセクシャル」という設定がいかにも取ってつけたようです。キスシーンの件も同様なのですが、懸念するのは、このくらいのシーンが「神!」とかいう、あるいは女教師と中学生の恋愛という「設定」を知っただけで、ドラマが始まる前から(笑)「気持ち悪い!」とか言って叩く連中の低レベルに映画やテレビが落ちていくことなのですね。

>指原が1位というので

そう言えば、指原莉乃も「ご意見番」ぶってるようですね。わたしは実はこの人、顔もよく知らないし、この人が出るような番組は敬遠する傾向にあるのですが、ネットを見ていたらちょいちょい「指原がこう言った」的情報が出てきます。こんな人物の「意見」をありがたがる人間もまさに情弱そのものですね。

>ハブに噛まれたほうが「らしい」

これは素晴らしいセンスだと思います。この最終回を観てないのにその映像が頭の中に勝手に出来上がっているのです。もちろんその映像は実際のドラマとはまったく違ったものでしょうが、それだけ想像力を刺激してくれるエピソードになっています。凡百の作家がウケ狙いで突飛な設定にしているのはダメですが、この『寅さん』のように一流の人が書いた、(そんなご無体な)というエピソードは素晴らしものが多いです。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-10-13 02:57) 

pn

皇帝のいない八月かな覚えてるのは。
多分エロシーンだからだと思う(^_^;)
by pn (2018-10-13 06:16) 

Take-Zee

おはようございます!
喜和子ねえさんが亡くなってもう27年ですか?
ずいぶん、むかしのことになってしまいました!

by Take-Zee (2018-10-13 06:29) 

kou

自分も太地喜和子は山田五十鈴の娘だと信じていましす。
妖艶な演技も山田五十鈴と共通点があると感じてましたし。
by kou (2018-10-13 06:30) 

kiki

太地希和子さん、印象に残る作品はありませんが、
昔の番組で亡くなったのが不思議で『唐人お吉』との共通点をあげているのを観たことがありました。
ネットで検索すると、4人乗った車が桟橋から海に落ち、
3人は簡単に抜け出せたのに、1人だけ亡くなったそうです。
謎が多い人のようです。
by kiki (2018-10-13 08:03) 

ヨッシーパパ

お色気担当でしたね。
by ヨッシーパパ (2018-10-13 16:41) 

なかちゃん

いくつかの作品で見たことがあると記憶してますが、やはりボクは『ぼたん』ですね。
あの作品のストーリーどころか、ところどころのセリフまで憶えています。
ま、単なる寅さんファンの戯言ですね(^^;

by なかちゃん (2018-10-13 20:50) 

ヤマカゼ

太地喜和子,美人の女優さんでしたね
by ヤマカゼ (2018-10-13 22:21) 

ナベちはる

49年という短い人生で終わってしまった女優さん、その演技をもっと見てみたかったと思った人が多そうです。
by ナベちはる (2018-10-14 00:27) 

coco030705

こんばんは。
トーク番組などに出ると、ケラケラとよく笑っていたように思います。とても色っぽい、上手い女優さんでしたね。亡くなり方が衝撃的でした。好きな女優さんだったので、残念です。

by coco030705 (2018-10-14 00:42) 

いっぷく

みなさん、コメントありがとうございます。

>トーク番組などに出ると、ケラケラとよく笑っていたように思います。
>by coco030705 (2018-10-14 00:42)

そうですね。その「明るさ」でなおさら
「実母が違う」話にリアリティを感じさせました。
いずれにしても不幸な結末になってしまいましたが。

by いっぷく (2018-10-14 14:01) 

森田惠子

知人が出るということでちチケット購入に協力した文学座の舞台で見た太一喜和子さんは存在がすごかった。
とにかく、舞台に太一喜和子さんが登場すると目がそちらにいってしまうのでした。
ひときわ、大きく、輝いて見えました。
by 森田惠子 (2018-10-14 22:38) 

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