So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

小川眞由美、カメラが回っていない時から“本番”を始める女優

小川眞由美、カメラが回っていない時から“本番”を始める女優

小川眞由美(小川真由美、1939年12月11日~)の誕生日です。傘寿を迎えたことになります。小川真由美といえば、70年代から90年代にかけてテレビドラマ、映画、舞台で主役を何本もつとめてきたスター女優。数え切れないほどの作品に出演し、そのプライベートも何かと話題です。(上の画像はGoogle検索画面より)



小川真由美で印象に残る作品、というと何がありますか。

Wikiには、テレビドラマが、『孤独の賭け』『浮世絵 女ねずみ小僧』『アイフル大作戦』『積木くずし』<1983年版>『葵 徳川三代』など紹介。

映画は、『母 (1963年の映画)』『二匹の牝犬』『八つ墓村』『鬼畜』『復讐するは我にあり』『食卓のない家』などが枚挙されています。

そして、もとは文学座の座員で、「杉村春子の後継者」といわれた人ですから、舞台の実績も十分です。

ということで、今年なくなった加藤剛さんの追悼というわけではありませんが、私はそこから漏れている『影の車』を付け足しておきます。

影の車




『影の車』(1970年、松竹)は、松本清張原作(『潜在光景』)、橋本忍脚本、野村芳太郎監督作品です。

松竹が、なぜか冒頭の部分だけYoutubeにアップしています。



妻(小川真由美)のある平凡な男(加藤剛)が、中学の同級生の女(岩下志麻)と再会。

深い関係に進みますが、いつもそれを寂しげに見ていたのは、岩下志麻の6歳の息子でした。

そこに殺意を感じた加藤剛は、息子に手をかけてしまいますが、その危機感は、自分も子どもの頃母子家庭で、母の恋人(滝田裕介)に手をかけた経験が背景にあることを取り調べで告白。

幼き頃の自分と、息子を重ね合わせていたのでした。

何度もドラマ化されていますが、妻は少し家庭を疎かにしているものの、器量も含めてそれほど悪い妻ともおもえないのです。

むしろ、男が母子家庭の「ほしのもと」であったがゆえに、夫婦生活が何たるかがよくわからないことが原因の「空疎な生活」に感じました。その上、自分の昔の境遇に似ている女と出会ってしまったことで、不幸の歯車が回ってしまったのです。

その意味では、むしろ妻は少なくとも外見上は「いい女」であるぐらいが原作者の意図を反映できるものとなり、当時の小川真由美のキャスティングは適役であったと思います。

ポイズン・ママ




小川真由美というと、『ポイズン・ママ 母・小川真由美との40年戦争』(文藝春秋)というタイトルで上梓された、小川真由美と細川俊之の一人娘である小川雅代の書籍が話題になりました。

内容はタイトル通り、小川真由美が毒母であったという話です。

小川真由美が、占いや新興宗教にハマッたことや、母子の確執、さらには細川俊之が再婚相手の干渉を受けて自分に冷たかったことなども暴露しています。

小川雅代は、見栄っ張りでわがまま放題で、男性関係も派手な小川真由美になつけなかったそうです。

その上小川真由美は、離婚や大女優ゆえのストレスから占いに凝り始めます。

緑と紫が絶対だめで、絵本の表紙の葉っぱの絵まで、黒いマジックで塗りつぶすほど徹底。

そのこだわりは、女優としての役作りにはプラスになるのでしょうが、家族としてはたまりません。

高校も途中でやめさせられ、大人になってからも、「48日以上この家にいるとあなたが不幸になる」と実家を追い出され、何度も引っ越しを強要されたといいますから、そりゃ、なつくどころか憎んだっておかしくありません。

ただし、憎しみ一色ではなく、エキセントリックなエピソードを次々披露することで母に対する「復讐」を行う一方で、母・小川真由美への複雑な愛憎を思わせるユーモアを忘れない書き方になっています。

こういう本が出ると、「憎」の部分だけが強調され、今まで出てこなかった「小川真由美は変わり者だ」という「エピソード」が独り歩きします。

それほど大した問題でなかったり、尾ひれをつけたりする“都市伝説”のたぐいです。

スポンサーリンク↓

カメラが回っていないところから“本番”を始める


たとえば、小川眞由美が高部知子と共演したドラマ『積木くずし~親と子の200日戦争~』での話です。

高部知子が、初めて小川真由美の楽屋に挨拶に行ったところ、小川真由美が「ドラマの役柄上、憎んでくれなきゃ困るの。だから、もう挨拶しにこなくていいから」と言ったので、それ以後撮影が終わるまで、高部知子は一切小川真由美に挨拶することがなかった、というエピソードが、Wikiに書かれています。

でもこれ、「エピソード」として仰天することでもないでしょう。なにか変ですか?

カメラが回っていないところから“本番”を始める、というのはよくある話です。

たとえば、西郷輝彦が花登筺原作のドラマ『どてらい男』(1973年10月2日~1975年3月25日、関西テレビ)に出演した時、藤岡重慶が敵役だったため飲み食いを一切ともにしなかったことから、藤岡重慶は真意を知るまで西郷輝彦に悪い印象を抱いたという話があります。

どこから“本番”を始めるかは、人それぞれで、またいちいち宣言するわけでもないので、第三者からは虚実ないまぜに見えます。

いつぞや、泉ピン子が、2時間ドラマの制作スタッフが挨拶に行った時、相手に目も一切くれずに万札(1万~5万円)を投げつけるが、実はそれが“今回よろしくね”という意味であるという話を書きました。(『東京スポーツ』2012年11月29日付)

その時、泉ピン子はトンデモない奴だというコメントもあったのですが、そう単純な話ではないんです。

「それはそれで長年の経験がなければできない高等テクニックではある。同スタッフは『金を出せばなんとでもなると思い込んでる嫌な女優』と眉をひそめるが、裏を返せば、薄給の下請け制作マンにとってはありがたい小遣い。ピン子なりの心配りとも言えるかもしれない。」

という解説が同紙に書かれている通りで、下積みの長い泉ピン子は、お金のありがたみをよく知っています。

でも、そこでにっこり笑って金を出して“実はいい人”になったら「泉ピン子」は終わってしまうので、身銭を切って「嫌な女優」の“本番”を始めているのです。

芸能報道は、それ自体がどこまで本当かということだけでなく、では事実だとしても、「真実」はどうなのか、という読みが必要です。

いずれにしても、小川真由美は、女優業にのめり込み、家庭生活から“本番”を始めていたのかもしれません。

それが親として、家族としての良し悪しはまた別として。

ポイズン・ママ―母・小川真由美との40年戦争
ポイズン・ママ―母・小川真由美との40年戦争

影の車
影の車



スポンサーリンク↓


nice!(224)  コメント(16)  [編集]
共通テーマ:芸能

nice! 224

コメント 16

末尾ルコ(アルベール)

小川眞由美、カメラが回っていない時から“本番”を始める女優・・・いいですね、小川真由美。左上の画像や『ポイズン・ママ』の表紙とか。今観てもグッと来ますね~。今で言えば吉田羊が「いい女代表」みたいな扱いを受けてますが、格が違いますね。比較の対象にもなりません。
『アイフル大作戦』って、すごくタイトルが印象的なドラマでした。なにかこう、『エスパイ』とかいうタイトルとの共通点を感じます。ロジェ・バディム、ジェーン・フォンダの『バーバレラ』のような、大人のお色気的感覚ですよね。ところがまたしても、このドラマを観ていたかどうか定かではないのです(笑)。
小川真由美は舞台で『黒蜥蜴』もやってるんですね。わたし大阪で、美輪明宏の舞台は観ております。美輪明宏がとにかく凄過ぎて、この人が出てないシーンでは眠くなるので困りました(笑)。『黒蜥蜴』は乱歩のオリジナルも三島の戯曲も大好きで、そうですね、小川真由美なら観てみたかったです。そして美輪明宏以外に今誰かいるかなと見渡してもいないですよね、『黒蜥蜴』ができそうな女優。
今村昌平や野村芳太郎の世界にも本当にピッタリでしたね。『影の車』は、しかも松本清張なのですね。これはまだ観てないですが、おもしろそうです。実は松本清張はですね、映画になったものとかは好きなのが多いのですが、ティーンの時期に何冊か読んでみたのですけれど、もう一つ合いませんでした。当時から三島とか谷崎とかが好きでしたので、松本清張の著作を読みながら、(新聞記事を読んでるみたいだ)とか感じてたのです。これも今読むと印象が変わるかもしれません。

>黒いマジックで塗りつぶすほど徹底。

強度の強迫神経的症状ですね。この前はブログ記事でパニック障害の症状について書きましたが、わたし、強迫神経症もやってるんです。20代は本当にあらゆる精神の病をやってしまってるんです。
それはさて置き、小川真由美の役作りに対する執念は女優としては至極真っ当ですよね。世の中の人は「演技・役作り」に対する認識が浅すぎて困るのですが、ハリウッドスターなどでも、役作りに没頭するあまり、精神に異常を来たした例は枚挙にいとまがありません。そしてわたしはそうした俳優たちを圧倒的に支持します。小川真由美、またじっくりろいろ観たいですね。

>ラクエル・ウェルチは、思春期に

そうなのですね(笑)!BとHが90以上ですよ(笑)!!!わたし、ラクエル・ウェルチはボンド・ガールをやってたイメージなのですが、やってないですね。この度気づきました(笑)。ウルスラ・アンドレスあたりと被っていたようです。わたしはどうも幼少時からロマンティックは方向に妄想も走る傾向がありまして、もちろん最終的には心身ともに一体となりたいわけですが、もっと思春期に野獣性を帯びていた方がよかったかもしれません(笑)。わたしは外国人女優としてはまずキャサリン・ロスのファンになりました。このあたりはいかにも「日本人の好み」という感じでしたね。フェイ・ダナウェィなんかも好きだったんですが、当時はカトリーヌ・ドヌーヴとかのよさは分からなかったです。

>半分ポルノのようなものでしたね。

「番長」というワードを入れながら、そうだったんですね(笑)!まあAVとかが出回る前は、映画館のエロは貴重でしたよね。

>真面目に読むと思わずわらっちゃいます。

わたしそういうの、大好物なんです。そういうのをある程度の人たちがやってくれると、とても愉しい作品ができるのですよね。そこで(笑)わたしも川崎めぐみの画像などを検索してみました。日本的情念を感じさせてくれる顔立ちですね。レンタルビデオが定着後、このような映画の代わりをVシネマなどが担ったのでしょうが、やはりVシネマではどうも物足りなかったです。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-12-11 03:20) 

ヤマカゼ

小川眞由美の浮世絵 女ねずみ小僧は印象が強かったですね。
by ヤマカゼ (2018-12-11 06:32) 

Take-Zee

おはようございます!
ホントに毎回懐かしい人をありがとうございます。
いましたね・・小川真由美さん。
ちょうど今日がお誕生日、79歳になるんですね。

by Take-Zee (2018-12-11 07:46) 

Rinko

積み木くずしの印象が強いです。
ストイックさ(?)やのめり込みはもはやアーティストの部類ですね。
by Rinko (2018-12-11 08:34) 

pn

役作りって言うには深いと言うか流石と言うか。けど占いとか宗教にハマるのはいいけど周りを巻き込むのは勘弁してほしいな。
by pn (2018-12-11 10:01) 

tsun

『どてらい男』、観てました、懐かしいです。
「やぁ~まぁ~したぁ」、内容はほとんど忘れていますが、これだけ覚えています。
上官の藤岡重慶さんが憎々しかったです。
by tsun (2018-12-11 10:34) 

チナリ

こんにちは。

今回の記事の小川真由美さんのことは知りませんでした。

>高部知子が、初めて小川真由美の楽屋に挨拶に行ったところ、小川真由美が「ドラマの役柄上、憎んでくれなきゃ困るの。だから、もう挨拶しにこなくていいから」と言ったので、それ以後撮影が終わるまで、高部知子は一切小川真由美に挨拶することがなかった、というエピソードが、Wikiに書かれています。

>でもこれ、「エピソード」として仰天することでもないでしょう。なにか変ですか?

私の勝手な想像ですが、こういったことが「エピソード」として記載されているのは、今の俳優・女優さんの中には、こういったことを「やれる方」がいないからではないかと思いました。

泉ピン子さんの「エピソード」も同じように捉えたのですが、今の芸能人の方は好感度が良い方が多いような気がするので、こういったことをすると天狗になったのではないかと思われるのを避けてやらないのではないかと思いました。

そのことがキッカケで週刊誌などで悪い記事として報道されると良いイメージがなくなりますから。

by チナリ (2018-12-11 10:38) 

MONSTER ZERO

拙ブログにお越し頂きご丁寧なコメントありがとうございます!(^^

フェイエット・ピンクニー!スリー・ディグリーズですね!(^^
ディスコデビュー当時は飛ぶ鳥を落とす勢いでした!
今でもダンスイベントでは定番ですね(^^;

本夕はサム・クックに献杯です!(^^;
by MONSTER ZERO (2018-12-11 11:38) 

なかちゃん

小川真由美、テレビの時代劇で何か見たような気がするんですが、番組名が分かりません。
でも、ぴったりその役にハマっていたような記憶があります。
役作りに徹していたということは、それだけプロ根性を持っておられたということなのでしょうね。
素晴らしいことと思います。

by なかちゃん (2018-12-11 14:14) 

えくりぷす

小川真由美は最近『八つ墓村』『復讐するは我にあり』を見ましたので、印象に残っています。『八つ墓村』の真犯人役も『復讐するは我にあり』での最後は殺される緒方拳の情婦役も、女の情念というものを強く感じました。
ああいう演技ができる裏には、記事にあるような役作りというか、役への普段からの、のめり込み方があるのだなと納得する思いです。
by えくりぷす (2018-12-11 14:32) 

アールグレイ

私たちは、テレビや映画での女優さんたちしか知りませんが、
実生活では、いろいろなことがあるのでしょうね。
特に追っかけられる芸能の方たちは、家族の方も大変と思うことです。
小川真由美さんなど、演技にかける心意気もにもすごいものがありますね。

by アールグレイ (2018-12-11 17:19) 

テリー

小川真由美、好きな女優の一人でした。浮世絵 女ねずみ小僧が、良かったですね。
by テリー (2018-12-11 17:32) 

ヨッシーパパ

アイフル大作戦、懐かしいですね。
小川真由美さん、格好良かったですね。
by ヨッシーパパ (2018-12-11 19:09) 

そらへい

小川真由美さん、色気のある女優さんですね。
映画「復習するは我にあり」の
緒形拳との演技は凄かった。
by そらへい (2018-12-11 20:19) 

ナベちはる

>カメラが回っていない時から
プロとしての意識が十二分に高いですね。
by ナベちはる (2018-12-12 00:17) 

足立sunny

可愛いので好きでした。
いい人を演じたほうが簡単な気がするのにわざと違うふうにもっていくのにはそれなりの持論やお考えがあるんでしょうね、泉ピン子さん。
by 足立sunny (2018-12-12 00:55) 

Copyright © 戦後史の激動 All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます