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新京成バスの車椅子乗車拒否、立川志らくの炎上について考える

新京成バスの車椅子乗車拒否、立川志らくの炎上について考える

新京成バスの車椅子乗車拒否報道では、すでにバス会社が対応がベストでなかったことを認めているにもかかわらず、立川志らくが「みんな心が狭く、ゆとりがない」という意見はネットで叩かれています。立川志らくの意見は間違っているのでしょうか。なぜ、ネットではそんなに叩くのでしょうか。



今日、Facebookで興味深い質問とコメントが盛り上がっていたので、まずそれからご紹介します。

どうして障害者はバスや電車が無料になったり映画が割引になったりするのでしょうか?

無償化や割引自体は、国会で決まったわけではなく、自治体によってそれはあったりなかったりまちまちです。

いずれにしても、こういうことをもって、障害者は儲けているという馬鹿らしい思い込みが、一部国民の心の中に沈殿しており、何かあると、障害者たたきのバックボーンになるんですね。

厚生労働省によるアンケートでは、平成25年10月現在の障害者の平均賃金(月)は、健常者が30万円のところ、身体障害者が59,000~251,000円、知的障害者が35,000~130,000円、精神障害者が47,000~196,000円です。

金額に幅があるのは、フルに働けない場合があるからです。

要するに、障害者、とくに知的障害と精神障害者の賃金が低いのです。

しかし、商店の値段は、個々の商品の価格において原価やサービス料がかかりますから、いちいち障害者に安くはしてくれません。

そこで、公共の交通機関や、映画館、博物館、美術館などで配慮をしましょうということです。

自治体によって違いますが、たとえば都営交通(都営地下鉄や都バス)は無料パスがあります。

ただし、その場で自己申告でも改札は通してくれません。パスを取る手続きが必要です。

私鉄は半額です。

というとまた、障害者が得をしているという話になってしまうのですが、手帳持ちの障害者には付添がつくことが多いので、2人で1人分という勘定で、別に障害者が得をするわけではありません。

ちなみに付き添いが介護サービスならそれ自体有料です。

まああとは、障害者はお金もないし不自由だからつい家に引きこもってしまいがちなので、安くしますから外に出て是非映画でも観てください、という意味もあると思います。

というとまた、「障害者でも実家が金持ちはいるだろう」と食い下がるつまらない人たちがいるのですが、実家が金持ちなのはその人の個人的な「ほしのもと」の話であって、「障害者だから配慮する」という“社会的な話”とは関係ありません。

それに、こうした「優遇」は障害者ならみな黙っていても受けられるわけではなく、自ら手続きして申告しなければできません。

「交通費減免? 映画館半額? いいよ、手帳取るほうが面倒だし外聞悪い」

と、経済状態関係なく価値観の違いで、手続きする人もいればしない人もいます。

それ以外に、受給者証を使った障害者福祉サービスもありますが、所得に応じて課金されていますので、障害者でも世帯として裕福ならちゃんとお金は取られています。

余談ですが、その障害者福祉サービスで会社が立ち上がったり雇用が発生したりしますから、社会にとっては経済活性化に貢献していることもお忘れなく。

交通弱者である身体障害者の交通権を保障した法律


ということで、無料か割引かというのは自治体によってまちまちですが、以下の話は法律で定められていることです。

交通バリアフリー法を継承して2006年に施行された『高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律』は大変重要です。

身体的な障害を理由として、移動が制約される、交通弱者である身体障害者の交通権を保障した法律です。

具体的には、

駅構内へのエレベータ、エスカレータ、スロープなどの設置による段差対策の促進。
車椅子やオストメイト(人工膀胱・人工肛門利用者)対応トイレの設置。
運賃表や案内板などへの点字表示。
鉄道車両への車椅子スペースや、次駅表示装置などの設置。
ノンステップバス、ワンステップバス、低床路面電車の導入。
交差点などへの音声案内付き信号機の設置。
駅プラットホームや歩道などへの点字ブロックの設置。

などが定められています。

我が長男が、車椅子時代、電車がホームに来ると、駅員がホームとドアをつなぐスロープを持ってきてくれて、車椅子が車内に入るまで見届けてくれ、たしか降りる駅を言うと、降りるときも待っていてくれ、私としてはありがたかったですね。

これらは善意だの心がけだのではなく法律で決まっているのです。

ですから、電車(バス)が遅れてしまうじゃないか、ではなくて、車椅子の昇降も想定した時刻表を定めるのが本来のあり方なのです。

ということで、先日の、立川志らくが叩かれた話です。

松戸新京成バス(松戸市紙敷)の路線バスの男性運転手が、車いすの男性の乗車を「あと30秒で発車なので無理です」と男性に伝えて発車した件。

これは、上記の法律に違反の疑義があり、同社はすでに正式に、「乗客に状況を説明した上で、遅れてでも乗車対応すべきだった」と述べています。

ところが、立川志らくが、

「運転手さんも車いすの人が自分の息子だったら、親だったらって想像したら、やっぱり絶対乗せてあげるでしょう。そういう想像力もないから、みんな心が狭く、ゆとりがない」

と指摘したところ、ネットで叩かれました。

立川志らくはもう一つ、乗車拒否をめぐって「他の客は何故黙っていたのか。乗せてあげなよの一言があってよかった」と、周囲の反応についても疑問を呈しています。




立川志らくは、今までにも問題発言をしているので、それも含めてきちんと批評をすべきですが、今回の限りでは志らくはおかしなことは言っていないと私は思います。

私は志らくの2つ目の指摘、「他の客は何故黙っていたのか」という点に興味をもちました。

たとえば、逆ギレして何をしでかすかわからないようなものならともかく、客として運転士にものが言えないというのはどういうことなのか。

1.文句を言わないことがお行儀がいいことという「道徳」をお上に刷り込まれている
2.障害者に加勢する気などサラサラない

などが考えられないでしょうか。

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障害者は感動の具か


昨年、『24時間テレビ』が批判の的になり、障害者を感動のダシに使うのはやめろという声があったことをこのブログの記事で取り上げました。

24時間テレビ、従来から言われる2つの批判にもうひとつ追加する

にもかからず、「感動しているんだからいいじゃないか」と、全く批判の意図を理解しない意見もありました。

そういう人はきっと、「感動してやっている(自分て素敵)」という障害者に対して“マウンティング”の心理があり、そういう人に限って、新京成バスのような場面では障害者を「見殺し」にするんだろうなと寂しい気持ちになりました。

みなさんは、どう思われましたか。

Q&A バリアフリー新法―高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の解説
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コメント 14

犬眉母

障害者とか、炎上タレントとか、
誰か何か敵役のような人を作って、鬱憤を晴らす
自己逃避や責任転嫁の世相を感じます。
by 犬眉母 (2019-03-03 02:08) 

末尾ルコ(アルベール)

新京成バスの車椅子乗車拒否、立川志らくの炎上について考える・・・とにかく現在の風潮として、「障害者に関しては何でも叩いてしまえ」と決め込んでいる愚劣な人間がごまんと存在するというのが一つでしょうね。そうした手合いのメンタリティの大きな要素として、「戦後の日本はメディアも教育も偽善ばかりだった。もう本音の時代だ。タブーはないんだ。自分たちは本音で勝負しているカッコいい人間だ」と、このような愚劣極まりない思い込みがあるのだと思います。この意識は障害者に対する話題でもそうですし、様々な話題で頻繁に見られます。

>障害者は儲けているという馬鹿らしい思い込み

まったく困ったものですね。日本もある時期までは社会的フレストレーションが政界や財界に向けられていたのですが、昨今はそちらへ向くことなく、障害者などを叩くことで自己満足している人間が多くいる。社会が病んでいますね。

>『高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律』

この法律については恥ずかしながら存じませんでした。お教えいただき、感謝です。わたしの母は、歩けないことはないのですが、腰痛と脚痛で長距離歩かせるのは絶対にできません。しかし我が家は車椅子をまだ購入してなくて、行った場所でそれがあると本当に助かります。

>車椅子の昇降も想定した時刻表を定めるのが本来のあり方なのです。

これはもう、母と同行することが多いので、心の底から同感いたします。前にも書かせていただいたかと思いますが、母と山手線へ乗った時、さっと席を譲ってくださった方に何度となく出会っております。心から有難いと感じますね、そのようなご厚意は。

で、新京成バスの件なのですが、もしわたしの母がまごまごしていて(脚腰の状態から、まごまごせざるを得ないですから)、運転手が「もう間に合わないので出すよ」などと言ったら、もうその場で食って掛かります。バス会社にも抗議の電話を入れます。場合によってはそれ以上のこともします。その運転手の態度を絶対に看過はできません。

>「感動しているんだからいいじゃないか」

巷で言う「感動」とか「泣ける」とかいうことの内容について、わたしも今いろいろ考えております。「感動と簡単に言うけれど、それは本当に感動なのか?」ということですよね。『24時間テレビ』の場合、「感動してやっている(自分て素敵)」という感覚の人たちにウケそうなエピソードを集めているという点も取り沙汰されていますし、「涙活」なんていう言葉が生まれるようなレベルの社会の象徴的番組だと思いますね。


>検索すると同じような内容の記事がズラーッと出ますよね。

そうなのですか!わたしもチェックしてみます。ネットには役立つ医療健康情報も多いのですが、多くの人が安易で出鱈目なサイトに流れているのでしょうね。それとどうしても多くの人たちは、「この症状は生活習慣すべてを見直し、地道に実行していかねば改善しない」といったまともな情報は興味ないのでしょうね。ほとんどの疾病の予防や改善には地道で長きに渡る努力が必要なものですが、それができない・やる気のない人たちは最初から、「これを飲んだらすぐに治る」的な出鱈目情報を内心求めているのだと思います。ネットもそうなのですけれど、ちょっとテレビをつけたら、健康情報バラエティ番組やサプリの通販などが氾濫しています。母は1日のほとんどをテレビをつけたまま過ごしてますので、どうしても見てしまい、すぐに真に受けるので、その都度「そんな番組、嘘言ってるだけだ」と否定するのが大変です。こういう情報流してあくどくお金にしている連中はいずれ懲らしめられねばならないのではと。                      RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-03-03 03:20) 

ハマコウ

直接その場面に出合ったら、決して言えない言葉だと思います。直接言えないことを、書きこんでしまうのは、一度考える段階を飛ばしてしまうからでしょうか。
by ハマコウ (2019-03-03 05:52) 

Take-Zee

おはようございます!
難しい問題ですね。

by Take-Zee (2019-03-03 07:27) 

ヤマカゼ

1~2年前ですが、通勤列車の京急が飛びこみで止まったことがあります。駅をでてすぐだったので人が列車の下敷きになっていました。救急班がすぐさまジャッキをかけて下敷きになった人を取り出そうとしていて、それを数人の人たちが写メ撮っていたのですがその光景が信じられませんでした。
この人たちは血だらけになって死んだ人を撮って何が楽しいのだろうと。
by ヤマカゼ (2019-03-03 07:38) 

kohtyan

障害者という呼び名は代えないといけません。
害という字が気になります。
by kohtyan (2019-03-03 09:23) 

ねこママ

炎上自体は残念なことだと思います。余裕のない社会になってきているのを感じます。
そしてバスの件に関しては、考えさせられます。介護業界とサービス業界両方で仕事をしたことがあるので。
「あと30秒で」っていうのも微妙です。出発時間過ぎてるからと急いで乗せたら事故になった、というのも問題だし。10分待って次のバスが来るならそのほうが安全だし。
あとは利用者さんの側が車椅子の扱いに慣れているかも、気になることです。大手スーパーだと車椅子の貸し出しをしているところが多いのですが、借りていく人は使う時大抵ブレーキもかけずフットステップを上げることもしません。お客さんを制止してブレーキをかけたこともあります。それはとても危険だと、危険につながるのだと知っているのか。自分が貸し出す立場だと不安になってしまうのです。
企業側は安全第一とか時間厳守とかいうけど、十分な人員とか対応があるのか。
日々のニュースの中でも判断がつかない事が沢山あると思うのです。ニュースはその部分だけを切り取って流していることもあるので、その前後のやりとりがわからない事も多いので。企業側、本人、介護者、すべての人が取り組んでいく問題だと思います。
その部分だけを問題として扱うのではなく、社会としてより良い状態にあるにはどうしたらいいのか。
by ねこママ (2019-03-03 09:29) 

pn

本人にとってはもっともな事を言ったつもりでも他人は不快な気分になるだろうからねぇ。
by pn (2019-03-03 10:01) 

なかちゃん

誰が何を言ったとかでどうこうする問題ではないと思いますが、志らくが言ったことで出た反応もあるのではないかと思っています。
言っていることは当然すぎるくらいにまともなんだけど、志らくはいつも文句ばっかり言ってるような気がして、お前は一体何様?って感じでボクも素直には聞けません。
まぁ、ボクが人間が小ちゃいってことなんですが(^^;

by なかちゃん (2019-03-03 10:31) 

hana2019

>どうして障害者はバスや電車が無料になったり映画が割引になったりするのでしょうか?
乗り物が無料になった事はありませんし、美術館、博物館へ出かけても、車いすの方も含めて見かけた経験はないです。そこへ行くまで手段と同行者がいない場合、本人がその気になっても行けないのが実情でないかと。
公共の施設は無料と言いつつ、実際に利用する状況を予想していない場合が多いのです。
些細な事でも、ウンザリしてしまうくらい待たされるのは常。
地方の駅のエレベーターは端の方に一機くらいです、JRの乗車中は揺れが激しくて、おトイレまでの移動、利用が難しくて、どうしても水分を我慢してしまいがちです。
当地のバスの運転状況も酷いもので、安全とはいいがたくて一人では絶対に乗れそうもないですね。
新京成バスの車椅子乗車拒否は、その時の状況、運転手の判断で違ってくる問題かと。
立川志らく発言をたたく、そういった人々はその場にたったら何も言わい、何もしそうもないよう思えます。
>「障害者でも実家が金持ちはいるだろう」と食い下がるつまらない人たち
家は決してお金があるわけではないものの、以前ヘルパーさんにそれに近いことを言われました。
自分の方が上と言った意識から出た言葉かと思いました。
by hana2019 (2019-03-03 11:01) 

エンジェル

私の母は目に障害があり、1級の障害者手帳を持っています。一人では暮らせず姉がほとんど世話をしています。手帳のお陰で高速代も安くなり、東京に帰ってく時も助かっています。母は生まれつきではなく手帳をもらったのは数年前です。障害者にはいつなるか分からないのです。決して他人事ではない事を理解して欲しいと思います。
by エンジェル (2019-03-03 17:30) 

足立sunny

「他の客はなぜ黙っていたのか?」
乗客の方については、バス運転士と当該車いすの人とのやりとりが直接わかるわけではなく、さらに車いすの人に気づく人は停留所で待つ人が見える一部の人だけなので、「車いすの人を乗せなかったことで他の乗客達を非難する」のは普通に考えておかしい、状況を考慮していない無理な非難と思います。たぶん、自分がこのバスに乗っていても、車いすの人置き去りは気付かなかった可能性が高いと思います。
志らくさんへの具体的批判内容は知りませんけれど、この点は、志らくさんの意見に非難が出るものと思います。
by 足立sunny (2019-03-03 20:45) 

ナベちはる

障がいのある人への対応は「法律で決まっているから」だけではないようにも感じます。
by ナベちはる (2019-03-04 01:28) 

coco030705

このごろ、私鉄でも車いすの方に親切な対応をしています。駅には割合たくさんの駅員がいるので、充分対応できますよね。
でも、バスは運転士さん一人で対応しなくちゃいけないので、大変かもしれません。でも今回のことは、やはり一人の人間として、不親切だったと思います。
法律で決まっているからとか、そういうことではなく、人の立場に立ってものを考えるということが薄れているからではないでしょうか。
志らくさんは、間違ったことは言っていないのですが、あまり好きな落語家ではないので、同じくファンでない人が書いちゃったのかしら。

by coco030705 (2019-03-06 21:52) 

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