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神風正一、歯切れのいい解説ぶりでスポーツ中継の基礎を作った男

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神風正一(かみかぜしょういち、1921年10月19日~1990年5月15日)さんの命日です。神風正一さんは、1953年3月のテレビによる大相撲中継の開始から1987年5月まで、つまりほぼ戦後の昭和にあたる34年間にわたってメイン解説者をつとめてきた、テレビ史、相撲史に残る人です。



相撲は、古くは日本書紀にも記述があるとされる神事であり、西洋文化の影響を受けたスポーツと同じジャンルか否かという議論はありますが、ここでは競技論ではなく中継の仕方ということで、「スポーツ中継」のジャンルとして捉えてみます。

さて、香川出身の神風正一さんは、高校や大学に行きながら相撲を取らせてくれるといわれて二所ノ関部屋にスカウトされ、1937年(昭和12年)5月場所に初土俵。

一時は、関脇まで上がりましたが、当時の番付編成は出羽海一門が優遇されていたことに不満を感じ、1950年3月場所限りで引退。

一時期、片男波親方として相撲界に残りましたが、まもなく廃業しました。

同じ部屋の力道山光浩も、やはり関脇まで行ったのに、同じ理由で神風正一引退の一場所後に突然髷を切っています。

そして、1953年5月場所からは、大相撲の中継で解説者として相撲界に復帰。

以来、大阪在住で身についた大阪訛りによる“関西の江戸弁”と言われた歯切れのいい解説ぶりで 仕切り時の勝負前展望と、勝負がついてからの解説をわかりやすく語ってくれました。

ただ、神風正一さんは、立て板に水のように軽やかでしたが、決して聞き取れない早口ではありませんでした。

つまり、いったん神風正一さんの途中でテレビやラジオを聞きだしたら、席を外せなくなる説得力と聞きやすさがありました。

これは、今のYoutuberも参考になるはずです。

最初から、話す前に「えー」なんて入れてのんびり話していると、間延びするので、視聴者はすぐ動画を閉じてしまいます。

かといって、視聴者が頭にいれることが追いつかないスピードで話している人も、よほどのファンでない限り、「ダメだ、この人のは何言ってるかわからない」ということになるでしょう。

まだ残っている、神風正一さんの実況動画を参考にされるといいと思います。

いずれにしても、その弁舌爽やかな解説で、土俵上のやりとりがどうしてそのような展開になったか、視聴者の理解を助けてくれ、さらに終盤戦に向けてのの展望などを聞いていると、盛り上げ方が上手く、ワクワクしてきたものです。

当時のスポーツ解説者としては、岡野俊一郎さん(サッカー)、松平康隆さん(男子バレーボールのミュンヘン五輪金メダル監督)と並び称せられていました。

もっとも、私はバレーやサッカーの中継は見なかったので、解説者というと、神風正一さん、そして交互にメイン解説をつとめる玉ノ海梅吉さんが何より印象に残りますが。

1978年ごろから、大竹しのぶの三共(現第一三共)の風邪薬ルルのCMで、画面で大竹しのぶがくしゃみをし、各界の有名人がナレーションでその人らしい何かをいうシリーズがあったのですが、何と神風正一編もオンエア。

相撲解説の調子で、大竹しのぶの風邪の解説を披露するバージョンもありました。

玉ノ海梅吉さんとの2枚看板で中継を盛り上げる


1970年代の相撲中継は、玉ノ海梅吉さん、神風正一さんの解説者と、北出清五郎アナ、杉山邦博アナによって、どちらかがテレビで、どちらかがラジオという組合せでしたが、いずれも名コンビでした。

当時、私も相撲中継を見ていましたが、力士が多彩だっただけでなく、やはり中継が面白かったのです。

玉ノ海梅吉さんは力士論や精神論、神風正一さんは技術論と、お互いの領域も守られていて個性もはっきりしていました。

神風正一さんが解説を依頼された時、玉ノ海梅吉さんとの抱合せの任用を神風正一さんが提案したそうです。

お二人には因縁があり、神風正一さんが現役時代、玉ノ海梅吉さんが親方だったのをやめさせる側にいた負い目があるから、罪滅ぼしに解説を玉ノ海梅吉さんと一緒にやりたいと推薦したとも言われましたが、もしかしたら、神風正一さんは玉ノ海梅吉さんのキャラクターが自分と違うことで、2人が交互に中継解説したら面白いと思ったのかもしれません。

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予想番付づくりを普及した人


神風正一さんは、毎場所千秋楽になると、「○○がこれに勝って十番になったから、この後の××の星いかんでは関脇のメもでてきますねえ」と、次の場所の番付予想までやっていました。

野球も、自分が監督になってオーダーやローテーションを決める野球ゲームがありますが、この予想番付を考えるのはなかなか楽しいものでした。

神風正一さんの話を参考にして、私もエンピツなめなめ、いろいろ考えたものです。

今はわかりませんが、当時は一般紙のスポーツ欄にまで、予想番付が載っていました。

きっと当時の大相撲中継をご覧になっていた方は、神風正一さんの名解説を覚えておられると思います。

神風一代―わたしの昭和相撲小史
神風一代―わたしの昭和相撲小史

NHK G-Media大相撲中継 夏場所号 2019年 5/18 号

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犬眉母

お相撲の中継は、よくわかりませんが、
結果論とか、「〇〇はここでがんばらなければいけません」みたいな
当たり前のことしか、言わない解説の人もいますから、
CMにもなった解説、聴いてみたいです。
by 犬眉母 (2019-05-15 02:16) 

末尾ルコ(アルベール)

神風正一、歯切れのいい解説ぶりでスポーツ中継の基礎を作った男・・・母が大相撲中継観戦ファンでして、現在場所中ですので、夕方の気分転換になっております。わたしはちらちら見るくらいですが、ずっと前から相撲の解説は舞の海のやや気取ったものが定着しておりますね。神風正一はまったく存じませんでした。でも解説ってどんなジャンルでも重要ですよね。淀川長治さんと比べたら、今映画解説やってる人たちの軽いこと軽いこと。まあ町山智浩はおもしろいですが、この人も理想は「淀川さん」ですから。

>テレビやラジオを聞きだしたら、席を外せなくなる説得力と聞きやすさがありました

それは素晴らしいですね。YouTubeeだけでなく、一般の人たちも見習うべきでしょうね。何がいいたいのか全然わからない人、よくおりますよね。それと、「同じこと」を言っても、「言い方」でまったく違う印象を与えるのですよね。知識がある人でも、だらだら話すだけで退屈極まりないということ、かなり多いです。あと、かつては野球解説で不適切な人がけっこういたような。

>予想番付を考えるのはなかなか楽しいものでした。

わたしは脳内プロレスワールドのランキングをいつも考えておりました。有名プロレスラーに交じって、わたしもランクインしておりましたが(笑)。中学校プロレスでランキングを作りたかったのですが、なにせ参加者が少なかったのと、やはり角が立つので(笑)、なかなか実現が難しかったです。

・・・

母の歩行能力に関してですが、やはり心臓バイパス手術のダメージはかなり大きく、そして感染症や転倒などのトラブルでリハビリが遅れてしまったこともあり、手術前までは短い距離なら普通に歩けていたものが、いまだ自力で立つこともできておりません。長期入院による精神的なケアと同時に、身体的には足腰の再強化が最も重要なテーマとなっております。まあ心臓バイパス手術に加え、およそ1か月半も、ほとんどリハビリもできない状態でいましたから、「すぐに歩ける」なんてことはもとより無理な話ですが、母にとっては2か月前まで当然のように歩けていた、どんな場所へでも行けていた記憶が強いでしょうから、現在の状態を精神的にすんなり受け入れてない歯痒さ、ストレスは大変なものなのだと思います。ただ、間違いなく日々、下半身の力も少しずつ回復しておりますし、昨日なども新たなリハビリ内容がかなり加えらえておりました。
書くことが多過ぎて、「その日のことをその日にアップ」がなかなかできなくて、これも後日に詳細のアップとなりますが、実は11日の土曜日、怪我とかではないですが、ちょっとしたトラブルを起こしてまして、しかしそれは重要な精神状態に関することだったので、母とじっくり時間をかけて対話をしました。それでわたし自身、母の気持ちを理解しているようでいて、その苦しみについてはまだまだ深く分かってなかったことを痛感しました。意識はしっかりしていて、足腰が弱体化していることと腰に痛みが残っている以外はとりたてての不調はないという状態で一日のほとんどをベッドで横になって過ごすのがどれだけ辛いことか。ここ数日も怪我に繋がりかねい「勘違い」をやってしまうことはあるのですが、とにかく母の精神的サポート、可能な限りのことをしていこうとあらためて決意しております。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2019-05-15 03:16) 

ヤマカゼ

YouTubeで聞いて見ました。なつかしい声が出てきました。
by ヤマカゼ (2019-05-15 08:13) 

斗夢

神風さん北出さん・・・懐かしい名前が出てきましたね。
杉山さんも記憶にあります。
by 斗夢 (2019-05-15 12:53) 

Take-Zee

こんにちは!
この他に玉の海梅吉さん。
アナウンサーは土門さん、いいコンビでした!

by Take-Zee (2019-05-15 15:03) 

ヨッシーパパ

神風とは、戦時中なら、縁起の良い名前ですね。
by ヨッシーパパ (2019-05-15 16:03) 

pn

うーむ、その頃なら普通に相撲見ていた筈なんだがなぁ。こんな覚えやすい名前なのに記憶に無い(T_T)
by pn (2019-05-15 16:09) 

ナベちはる

34年間という長い間続いたメインでの解説は、誰が聞いても解りやすいものだったのだろうと思いました。
by ナベちはる (2019-05-16 01:26) 

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