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ぼく、もう我慢できないよーある「いじめられっ子」の自殺

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『ぼく、もう我慢できないよーある「いじめられっ子」の自殺』(金賛汀著、講談社文庫)という書籍をご存知ですか。埼玉県上福岡市の在日朝鮮人三世である中学生が、いじめを苦に自殺したことが書かれています。少年の亡くなった日が1979年9月9日でした。
ぼく、もう我慢できないよ―ある「いじめられっ子」の自殺 (講談社文庫)
ぼく、もう我慢できないよ―ある「いじめられっ子」の自殺 (講談社文庫)

いじめで自殺した少年は在日朝鮮人だった


『ぼく、もう我慢できないよーある「いじめられっ子」の自殺』(金賛汀著、講談社文庫)の冒頭には、埼玉県上福岡市にある12階建てマンションの中庭に、空手着を着た少年が大の字になって死んでいるのを住人に発見されたことが書かれています。

投身自殺したのは、市立上福岡第3中学校1年の林賢一さん(当時12歳)。

わずか12歳の少年が、12階から飛び降りなければならないような理由はいったい何だったのか。

それは、小学校時代から続く、壮絶ないじめでした。

卒業時の、回し書きノートにこんな事書かれたらどう思いますか。
「中学は林といっしょなんて、神様はなにをやっているのだ」(女子)
「林へ―――。一生のおねがいです。…死んでください(今すぐに)。…ただうれしいことといえば林と別れることであります」(女子)
「中学は同じだ。いやだいやだ。おまえとぜったい同じクラスになりたくない」(女子)
「中学はいっしょでないのでほっとしています。そんなかおみてたらいつしぬかわからないもん。ではサイナラ、なぜだかへんになってしまった」(女子)
「好きな人、林以外の人。嫌いな人、林。林のBAKA」(男子)
「林のバカアホトンママヌケ早く死ね!!というのはほんの重いじょうだん。」(男子)
「もう→牛→でっかい→きん→きたない→うんこ→林のするもの→自殺→田宮二郎…」(男子)
http://yabusaka.moo.jp/hayashi-ijime.htm より
中学入学後も、暴力、ケチャップを制服にかけられるなどの仕打ちを受けました。

林賢一さんはいじめに絶えられず教室にいられなくなり、休み時間のたびに職員室の前にたち、始業ベルで先生が出てくるのを待って、一緒に教室に入っていったといいます。

いったん自殺未遂をしましたが、周囲の生徒は反省どころか、逆に「自殺野郎」といじめに拍車がかかったといいます。

そんなことが積み重なり、もはや林賢一さんには、逃げ場がなかったのです。

韓国と日本のマスコミはどう動いたか


林賢一さんは、在日朝鮮人三世だったことから、韓国はこの事件をドラマ化し、追悼会を開きました。

日本テレビの深夜バラエティ番組『11PM』は、『アジアとともに生きる、韓国・朝鮮と日本』という5回シリーズを組みましたが、最終回でこのことをとりあげました。

林賢一さんのドラマが泣けるように作られていて、当時はまだ純粋な青年だった私には衝撃でした。

日本人というのは、なんてひどいことをするんだと、大きく心が傷つきました。


韓国政府は駆け引きに使っているのか


そこで私は、この件について専門家の意見を聞きたいと考え、川越敬三さんという朝鮮問題研究者にお尋ねしました。

川越敬三さんというのは、労働新聞を読める研究者としてその世界では知られている方で、林賢一さんの事件はこのような見解でした。

1.民族的圧迫が行為の背景にはあるが、大きな枠組みでは教育問題(いじめ)である。
2.韓国政府は、林賢一さんの死を特別経済協力金交渉(下記参照)の駆け引きに使っているのではないか

つまり、「差別、かわいそう」というだけの単純な話ではないということでした。

が、それを伺った私は一本気な思考で、今度は逆に、「教育問題を差別問題として捉えるのは間違っているのではないか」などと考えるようになりました。

そのような疑念を抱いた私は、次に本書の著者である金賛汀さんに手紙を書いて、この件をお尋ねしました。

「いじめ」の中にはヘイトもある


今にして思うと、随分不躾な尋ね方だったと思うのですが、金賛汀さんには、「教育問題を民族差別問題にすり替えていないか」というような糾弾的な聞き方をしてしまいました。

いや、若気の至りといいますか、狭量な一本気でおはずかしい。

それに対して、金賛汀さんは、「教育現場で起こった問題ではあるが、そこに民族差別はなかったのかという疑問から取材を進めたものです」というような内容の丁寧なご回答でした。

今はその意味はよくわかります。

つまり、そもそも「教育問題か差別問題か」と二択で選ぶ話ではなく、「いじめ」の中にはいろいろなきっかけや口実があり、今で言う在日朝鮮人差別やヘイトもそのひとつになり得る、という話だったんですね。

ですから、今の私の意見は、韓国政府に対する見解とヘイトの問題は区別して、ヘイトについては「いじめ」の根拠になり得るものである、と思っています。

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いわゆる「タカリ」とヘイトスピーチ


現在の日韓関係は最悪です。

ネットでは、韓国は日本に対して「タカリ」じゃないかとも言われています。

☆日本から韓国への主な巨額支援金
1965年8億ドル+α(経済協力金)日韓基本条約締結
1983年40億ドル (特別経済協力金)
1977年100億ドル(通貨危機時にIMFや世銀経由で)
2006年200億ドル(ウォン高救済)

建国して60年以上もたつ主権国家が、基本条約を締結してからもいつまでも援助してもらい、それでも我が国を悪し様に言い続けている。

それを庇い立てる人たちは、一見韓国を思いやっているようでいて、実は後進国と見下しているようにしか私には解せません。

言葉そのものの適切さは色々意見があるでしょうが、戦争責任とは無縁の世代までが働いて収めた血税ですからね。

その意味では、日本人はあらゆる言い分を無原則に受け入れなければならない、とは思いません。

そこは是々非々で良いと思います。

ただ、いずれにしても在日朝鮮人・韓国人というだけで、何をしても言ってもいいということにはなりません。

そもそも、我が国は障碍者など社会的弱者、マイノリティに対するヘイト大国です。

「いじめ」にしても、それ自体が許しがたい行為ですが、被害者が日本人であっても、年がら年中そんなニュースがあるじゃないですか。

理屈をつけて、暴力や暴言を良しとするヘイトな価値観や行動原理は、きっぱりと否定しましょう。

ぼく、もう我慢できないよ―ある「いじめられっ子」の自殺 (講談社文庫)
ぼく、もう我慢できないよ―ある「いじめられっ子」の自殺 (講談社文庫)

ぼく、もう我慢できないよ―ある「いじめられっ子」の自殺 (講談社文庫)

ぼく、もう我慢できないよ―ある「いじめられっ子」の自殺 (講談社文庫)

  • 作者: 金 賛汀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1989/05
  • メディア: 文庫



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コメント 10

ヨッシーパパ

いじめ問題は、目にする度にやるせなさと、憤りを感じます。
by ヨッシーパパ (2019-09-09 19:14) 

なかちゃん

このイジメの問題は、相手が在日だろうと何だろうと関係ないような気がします。
たとえ彼がいなくても、その時は他の誰かがターゲットになると思います。
こんな文章を最初に書いたバカタレの脳みそが腐っているんですよ。

by なかちゃん (2019-09-09 19:45) 

沖田 翼

虐めに関してはうちの親おかしいんですよ。
僕が中学の時、他の生徒から暴力を受けていて、親呼び出しで話し合いになったんですけど、うちの親は、私の息子も反抗しないのも悪いんですって言うんです。平和主義過ぎるのも悪いって。頭おかしいのかなって思いましたね。
by 沖田 翼 (2019-09-09 21:08) 

pn

79年で12歳って事は俺と同じ歳か。
どちらかっちゃーいじめられていた側なんですがここまで酷くなかったなぁ。
by pn (2019-09-09 23:31) 

犬眉母

もう40年にもなるのに、いじめ問題は何も解決していないですね。
いじめについては、「逃げる」もありだと思います。

by 犬眉母 (2019-09-10 02:13) 

プー太の父

痛ましいことですね。私はガキ大将のほうでしたが個人をみんなでいじめるなんてまったくなかったです。昔はみなそうだったと思いますが、今はあちこちでいろんな集団でのいじめがあるのではないかと思います。いじめや小さな子供への虐待はなんとかなくなって欲しいものですね。
by プー太の父 (2019-09-10 08:10) 

Rinko

同級生の書いた言葉を読んでいるだけで胸が締め付けられます。
イジメってなくならないのかな・・・って心が重くなります。
by Rinko (2019-09-10 13:15) 

エンジェル

この時代、いじめがあってもマスコミで報じられる事もなく自殺は犬死にだったと思います。この本が書かれる事によって林君の人生が少しでも意義のあるものになったのかなと救われる思いです。
by エンジェル (2019-09-10 15:24) 

ヤマカゼ

日本の悪しき風習、言わないのが美徳が続いているのでしょうか。
by ヤマカゼ (2019-09-10 16:26) 

kou

この時代は教師のいじめも問題にならなかった頃ですね。自分のクラスでは教師が生徒一人を何度も罵倒し、他の生徒がそれを見て笑っていたように記憶しています。
今現在、状況はあまり変わってなく、もっと陰湿になったように思えます。
by kou (2019-09-10 18:36) 

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