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『幕末太陽傳』居残り佐平次がデジタル修復版で蘇った

『幕末太陽傳』(1957年、日活)を鑑賞しました。東海道品川宿・相模屋を舞台にした時代劇です。フランキー堺を中心に、石原裕次郎、小林旭、二谷英明、左幸子、南田洋子など、当時から映画で活躍していた顔ぶれが揃います。オープニングには、懐かしい八ツ山橋や北品川の町並みも写っています。



先日の記事、「『喜劇誘惑旅行』今日はフランキー堺の生まれた日」で、「『幕末太陽傳』については、後日改めて記事を書きたいと思います」と予告しましたが、さっそく鑑賞しました。

私がこのブログで、フランキー堺について以前から書いてきたのは、東宝昭和喜劇の喜劇駅前シリーズや、社長シリーズや、松竹の喜劇旅行シリーズといった人気シリーズでしたが、そのコメディ映画俳優としての始まりはこの作品からといわれています。

若くして亡くなった川島雄三監督の評価を高めた伝説の作品です。

もっとも、1957年公開ですから私は生れてもいません。本来ならお目にかかれなかったかもしれない作品ですが、デジタル修復版DVDで発売されたことで鑑賞できたわけです。

あらすじネタバレ御免


舞台は東海道品川宿。遊女屋相模屋です。

佐平次(フランキー堺)は、文無しのくせにそこで遊んだために、宿の主人夫妻(金子信雄、山岡久乃)は居残り奉公をさせることに。

でも要領の良い佐平次は、下働きの奉公だけではおさまりません。

宿の息子・徳三郎(梅野泰靖)と、女中のおひさ(芦川いづみ)の仲のとりもちを10両で引き受けたり、御殿山英国公使館の焼打ちを謀っている泊客・高杉晋作(石原裕次郎)のために、出入りしている大工に公使館の地図を作らせたりして小金を稼ぎます。

そして、焼き討ちを見届けた佐平次は宿を発とうとしますが、看板女郎のおそめ(左幸子)とこはる(南田洋子)から求愛を受けます。

しかし、結核を患っている佐平次は、自分の将来もわからないのでどちらも断ります。

そして、こはるが嫌がっているこはるの客には、こはるは急死したといって、適当な墓を教えて東海道の松並木を去って行きます。

……と、佐平次は無一文でも苦にせず、要領と口先で上手に世の中を渡っていくキャラクター。

連想するのは、後に東宝でヒットした植木等の「無責任男」です。

実は「無責任男」は、当初フランキー堺主演で企画されていたといわれます。

『幕末太陽傳』の佐平次を、無責任男のプロトタイプ、という視点で鑑賞すると、また新たな興趣を添えることになるでしょう。

実在の町・品川を舞台に豪華出演者


とにかく出演者が豪華ですね。

フランキー堺の麻布中学の同級生である小沢昭一も出演。加藤武はナレーターです。

石原裕次郎が、フランキー堺を助演する形になっています。

石原裕次郎だけではありません。日活ダイヤモンド・ラインといわれた当時の主役組では、小林旭や二谷英明も五番手ぐらいの役で出ています。

二谷英明はそれなりにサマになっていましたが、小林旭に時代劇は似合いませんね。

当時の映画界は、序列がはっきりしていたはずですから、こういうキャスティングはかなり斬新なものだったと思います。

映画は、オープニングで、57年当時の八ツ山橋と北品川の町並みを写します。

八ツ山橋
『幕末太陽傳』より

八ツ山橋は、京急線が品川を出て、次の駅の北品川に向かう所で、京急マニアの撮り鉄の聖地です。

八ツ山橋

それだけでなく、東海道品川宿の説明板もたっています。

八ツ山橋の説明板

品川宿

画面は引き続いて、遊郭の町である北品川の「カフェ街」がうつります。

舞台となった「相模屋」は、その後「さがみホテル」として名前を残していることを見せています。

前年に赤線が廃止されたので、町並みを写す最後の記録映画になったかもしれません。

「さがみホテル」は今はコンビニになっているものの、相変わらずご当地の名所として知られているそうです。

冒頭のシーンに映る橋は北品川橋かもしれません。

幕末太陽傳より
『幕末太陽傳』より

北品川橋

実在の場所を舞台とした作品というのは、たとえストーリーが架空のものでも、感情移入してしまうものです。

このへんは、『釣りバカ日誌』の浜ちゃんが住んでいた地域でもあるはずですが、まだゆっくり歩いたことはありません。

1度、機会を見て町巡りをしてみたいなあという気になりました。

幕末太陽傳 デジタル修復版 DVD プレミアム・エディション

幕末太陽傳 デジタル修復版 DVD プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD


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