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『大都会 闘いの日々』渡哲也・石原裕次郎の社会派刑事ドラマ

『大都会 闘いの日々』渡哲也・石原裕次郎の社会派刑事ドラマ

『大都会 闘いの日々』(1976年1月6日~8月3日、石原プロモーション/日本テレビ)という刑事ドラマが以前放送されていましたが、久しぶりにDVD鑑賞しました。肋膜炎で2度倒れた渡哲也の主演復帰第一作。石原裕次郎が出演者序列の「トメ」(主役に次ぐ役、もしくは別格)に回り、倉本聰が脚本を手がけて話題になりました。



渡哲也と病気といえば、1991年の直腸がんが取り沙汰されるのですが、長期療養の重篤な病気なら、それ以前の1974年にも胸膜炎(肋膜炎)を患っています。

所属していた日活が、路線を変えたことで退社。石原プロモーションに入社した渡哲也は、テレビに活路を求めて同年、NHKの大河ドラマ『勝海舟』に抜擢されるのですが、病気のためにわずか9回で降板してしまうのです(後任は松方弘樹)。

1年後に復帰して、東映と本数契約を結ぶものの、2作出演した後、また倒れてしまいます。

そして、2度目の復帰作が、今回の『大都会 闘いの日々』。

倉本聰が脚本を書き、石原裕次郎宍戸錠、高品格など日活時代の先輩が共演しています。

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ネタバレ御免のあらすじ


東洋新聞記者の滝川(石原裕次郎)は、仲間から博打好きの“バクさん”と呼ばれることを喜ぶグータラキャップ。

大都会闘いの日々の石原裕次郎
『大都会 闘いの日々』より

いつも、他社の記者クラブ詰めの人と誘い合い、石原裕次郎と寺尾聡(東洋新聞)、宍戸錠(毎朝新聞)、柳生博(タイムス社)で雀卓を囲みます。

一本気な新人記者の神田正輝にその理由を問われると、「人を傷つける記事を書かないようにするため」というものでした。

マスコミの事件報道は、被害者のデリケートな事情も構わずに書きまくるので、その点に憤り、センセーショナリズムと覗き見、横並びという大手マスコミの体質そのものを批判。上層部とはいつも対立しています。

黒岩刑事(渡哲也)は地方署の暴力犯係だったとき、妹(仁科明子、現仁科亜季子)が暴力団に報復の強姦事件にあい、他県勤務で冷却期間を置いた後、深町課長(佐藤慶)の要請で警視庁捜査第四課(暴力団事件担当)に勤務します。

そこから城西警察署暴力犯係に派遣され、古くからの知り合いだった滝川と再会。以来滝川は、黒岩を気にかけ陰ながら見守ります。

黒岩は、暴力団絡みの事件で、妹と同じ目にあったバーのホステス・直子(篠ヒロコ、現篠ひろ子)と知り合い、お互いどこなく惹かれ合っています。

ドラマは、関西暴力団・潮会が城西署管轄に進出してきたことで暴力団壊滅作戦を展開。一般市民を巻き込む抗争に発展するなど、かなりシビアなストーリーが毎回展開されます。

比肩する作品が見当たらない社会派ドラマと豪華な出演者


このドラマ、子供の頃観ていましたが、他の刑事ドラマとは雰囲気が違うことを感じていました。

ひとつは、他の刑事ドラマのような“刑事と犯人の対決”だけでなく、そこに新聞記者が絡み、犯罪報道とは何だろう、社会正義とは何だろう、ということを考えさせるより高次な作り方になっていること。

もうひとつは、犯人が組織的犯罪、簡単に書くと暴力団関連事件の非業を描いていることです。

刑事ドラマは当時からたくさんありましたが、個別に何々組若衆が逮捕されることはあっても、特定の暴力団組織をドラマを通して一貫した敵として位置づけたものはありませんでした。

過去にも『黒部の太陽』という、リアリティのある作品を作り上げた石原プロモーションらしい力作だと思います。

さらに、脚本の倉本聰がよかった。

ドラマの定番で、記者クラブ詰めが年中雀卓を囲んで、ああでもないこうでもないと話をしています。

それはまさに、かつての『ぶらり信兵衛』『6羽のかもめ』『前略おふくろ様』など倉本聰ドラマの定番シーンだった、井戸端会議やヒソヒソ話の同一線上にあるもので、事件記者の下世話なリアリティを表現していたと思います。

『6羽のかもめ』に出演していた中条静夫、北浦昭義などもそれぞれ刑事や新聞記者の役で出演しています。

それだけでなく、会議中でも無表情で板チョコを食べている警視庁捜査第四課深町課長・佐藤慶、課長代理の玉川伊佐男、巡査部長の草薙幸二郎などベテランも多数起用しています。

ただ、視聴率はあまり振るわなかったそうですね。

そのため、その後作られた「PARTII」や「PARTIII」は、『西部警察』のプロトタイプのような、ハードアクションと単純な勧善懲悪の路線に変わってしまいました。

当時はそれでがっかりしてしまい、「PARTII」や「PARTIII」はほとんど観ていないし記憶にも残っていません。

ただ、以前書いたように、『西部警察』も今観直してみると面白いので、いずれ機会を見て、「PARTII」や「PARTIII」も観たいと思っています。

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