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『白昼堂々』渥美清と藤岡琢也、スリ・コンビの友情を描く

白昼堂々

『白昼堂々』(1968年、松竹)を観ました。もちろん、長野まゆみの同名の小説ではなく、野村芳太郎監督作品です。結城昌治原作の実在した泥棒村の話で、ユーモアミステリーといわれる独自のジャンル。出演者は渥美清、藤岡琢也、田中邦衛に、東宝で喜劇に多数出演してきた有島一郎やフランキー堺、さらにコント55号など、喜劇作品らしいメンバーが揃っています。(画像は『白昼堂々』DVDより。中央が渥美清。右から倍賞千恵子、藤岡琢也、生田悦子、坂上二郎、萩本欽一、有島一郎、田中邦衛、フランキー堺)

野村芳太郎監督といえば、松竹蒲田撮影所出身の、いわば松竹生え抜きの邦画界では大物監督です。

作品はすべてを観たわけではない、というより観たほうがまだ少ないのですが(汗)、観た限りでは、『影の車』(1970年)や『砂の器』(1974年)『八つ墓村』(1977年)『鬼畜』(1978年)など、サスペンス調の作品と、一方で一連のコント55号主演作品や、ハナ肇の為五郎シリーズ、『ダメおやじ』(1973年)など、喜劇も撮っています。

今回の『白昼堂々』は、スリの話で、出演者は喜劇人。

つまり、サスペンスと喜劇の両方の要素が入った作品ということでしょうか。



原作は、結城昌治の『白昼堂々』。スリ、万引きが一家を成す泥棒村で、実際に取材をして著したユーモアミステリーです。

まさに、野村芳太郎監督にもってこいの作品だったのでしょう。

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ネタバレ御免のあらすじ


松竹が予告編をYoutubeにアップしています。


ワタカツこと渡辺勝次(渥美清)は、斯界では名の通ったスリ。スリ係一筋の刑事森沢(有島一郎)の説得で、九州の炭坑で働いていることになっていました。

しかし、炭坑がつぶれ、妻にも先立たれて、失うものが亡くなったワタカツは、スリや万引きが集団(家族を入れて40人)で暮らす泥棒村(組合)を構えます。

組合員から上納金を徴収し、組合は逮捕された組合員の弁護士費用や、家族の生活費の面倒を見ます。

村は、刑事が入ってくると、見張りのマーチ(田中邦衛)が「軍艦マーチ」をかけて仲間に知らせる仕組みです。

しかし、集団は地元では仕事をしないので、近隣の評判も悪くなく、地元の警察は手が出せません。

村の八百橋ユキ(生田悦子)が、デパートで半人前の仕事をした時に、たまたま居合わせたのが、かつてスリだった富田銀三(藤岡琢也)でした。

それがきっかけで、久しぶりにワタカツは銀三と再会。

ワタカツは、村がジリ貧のため、起死回生で東京のデパートで大仕掛けな万引きを計画。盗品をさばく役目を銀三に依頼します。

銀三はすでに足を洗い、デパートの保安係に就職した身。妻(三原葉子)は洋品店を営み、娘・桃江(大貫泰子)は中学生です。しかし、昔の仲間に頼まれ、結局承諾します。

ここで出てきた桃江(ももえ)は、名前やヘアスタイルや年頃から、一瞬、山口百恵と間違えてしまいました。山口百恵がデビューする6年も前の作品なんですけどね。

大貫泰子
『白昼堂々』より。桃江役の大貫泰子

銀三はデパートで捕まえた女スリ・腰石よし子(倍賞千恵子)に逆に財布をすられ、その実力を見込んでワタカツ集団の客分に推薦します。

一方、一貫してスリ係で勇退を迫られている老刑事・森沢(有島一郎)は、村のとよよ(桜京美)とマーチの逮捕から村の存在に気づき、親分がワタカツであることをつきとめます。

森沢や部下の寺井(新克利)らの徹底したマークで村のスリたちは次々逮捕されていきます。

顧問弁護士の坂下(フランキー堺)は弁護料の値上げを求め、マンパワーも金銭的にも進退窮まったワタカツは、残った者たちで大掛かりな計画を決行。

銀三は、自分には妻子がいるからとメンバーから外れましたが、結局計画に協力し、2人は捕まってしまいます。

では、泥棒村は解散したかというとさにあらず。その後、ワタカツと結婚したよし子が、残された“村人”たちを守って力強く生きているというラストです。

豪華出演者がきっちり仕事をする傑作


映画が始まると、いきなり登場するのが坂上二郎。そして萩本欽一。

「あれ、これはコント55号の映画だったかな」

と、一瞬戸惑うと、次に出てくるのが藤岡琢也。

そして次のシーンでは田中邦衛、渥美清、と続々主演級が出てきて、途中からは弁護士役でフランキー堺まで登場。

レビューの中には、豪華出演者と評価するものもありますが、まさにそのとおりです。

渥美清が、『おかしな男渥美清』の中で、コント55号やフランキー堺について言及しているのですが、実際に共演していたのですね。

役者はみんな仕事のできる人たちばかりなので、安心してみていられます。

ネットのレビューを見ても、おおむね評判が良いようですが、それも頷けます。

1966年の作品ですが、いま観ても十分に傑作と評価できます。

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