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精神障害者保健福祉手帳問題から障害者福祉を考える

精神障害者保健福祉手帳ってご存じですか。今年4月から、全会一致で精神障害者保健福祉手帳の1、2級の人は医療費が全額扶助になるという投稿がFacebookのタイムランに流れてきたのですが、残念ながら全国的に、というわけではありません。それ以外にも、福祉行政は自治体の担当者レベルで変わってくるので改善が求められます。

精神障害者保健福祉手帳

障がい者には、身体障害者手帳、療育手帳(知的障害)とともに、文字通り精神障害を対象とした精神障害者保健福祉手帳があります。

精神障害者保健福祉手帳の対象者は、統合失調症、うつ病、躁うつ病などの気分障害、てんかん、薬物やアルコールによる急性中毒又はその依存症、高次脳機能障害発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)、その他の精神疾患(ストレス関連障害等)などとなっています。

それぞれ障がいの程度が3~6級まで区分されて、それに応じた手当てや支援、税金や公共料金の減免などが定められています。

今日、Facebookのタイムランに、それに関連した投稿が流れてきました。

精神障害者保健福祉手帳

投稿には具体的な自治体名が書いてありませんが、刈谷市ですね。

民主党系議員と日本共産党の尽力で、最終的には全会一致で、精神障害者保健福祉手帳の1、2級の人は2015年4月から医療費が全額扶助になるという話です。

それはいい話なのですが、ただ、検索するとすべての自治体がそうだということではないようです。

たとえばYahoo!知恵袋では、「中国地方の東部は違います」と具体的な地域まで挙げて、必ずしも全国的に同一水準でそれが実現しているわけではないという報告もあります。

「報告もあります」という書き方になったしまったのは、私の勉強不足、調査不足といわれてしまえばそうかもしれませんが、すべての自治体の福祉内容を一覧表示・比較したデータを見たことがないからです。

そうしたデータは自動的にできるわけではなく、誰かが調べてまとめなければ存在しません。

関連団体か、マスコミが調べるのを待つか、知りたければ自分で調べるか。でも膨大な手間がかかりますけどね。

みなさんに知っていただきたいのは、自治体によってサービスの差があるということと、それを客観的に示せるデータがおそらくはない、ということです。

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妊婦健診公費助成は23区内ですらサービス内容が違っていた


自治体ごとのサービスの差自体は、障害者福祉にかぎらずよくある話です。

私は次男が生まれた2008年に、妊婦健診公費助成を、東京23区と政令指定都市に絞って調べたことがあります。

2008年5月11日更新の『アサヒ・コム』で、九州・沖縄・山口全312市町村の妊婦健診公費助成の回数を調べたところ、平均は4.83回分にしかならず、厚労省が「望ましい」とした14回どころか、「最低限必要」とした5回にすら届いていないという由々しき報道を見たからです。

今は共通になったようですが、その時点では、東京23区内でさえ、妊婦健診公費助成の内容がバラバラだったのです。

豊島、練馬、江戸川の3区が、厚労省の「望ましい」とする「14回の健診」相当の助成に到達できていませんでした。

調べてびっくりしました。特別区は、23区が共同で運営している国保連合会を通して一括委託しているので、助成の内容も一律だと思うじゃないですか。


話を今回の障害者福祉に戻すと、たとえば東京23区を調べるだけでも、妊婦健診以上にいろいろ調査項目は増えると思います。

たとえば、移動支援ヘルパーは何時間までどういう基準で認められるか。同じ区内でさえ、担当者レベルで認められる時間が変わってくる、という話が現実にあるのです。

自治体によって財政的な問題があるのはわかるのですが、妊婦健診のように、望ましい水準と、到達できていない自治体を調査するなどして、全国一律にできるサービスの水準を上げる方向で啓蒙活動なども行って欲しいと思います。

障がい者の権利を「メリットがない」と思わせない体制を


もうひとつの問題は、身体障害者手帳にしろ、療養手帳(東京では愛の手帳)にしろ、精神障害者保健福祉手帳にしろ、1、2級と3級以下では受けられる援助に雲泥の差があることです

2級と3級のハザマはかなり広いのです。

診断書の作成や日常的な病院との付き合いなど、手間ばかりかかってメリットがないと、3級以下は該当しても、申請しない方もずいぶんおられます。

それなら福祉予算を使わずに済むからいい、と短絡的に思う人もいるかもしれませんが、手帳の申請が行われることは、障がい者の数と程度のリアルな定量化につながります。

それによって障がい者にやさしい町づくり(使いやすいトイレとか、スロープとか、音楽付きの交差点信号など)が進められ、社会全体の成熟につながると私は考えます。

ですから、3級でも4級でも、手帳の申請はしたいけれど見合わせる、ということのないよう、認定の緩和ないしは3級以下のサービスの改善などもあるといいのではないかと私は思っています。(だふんここはいろいろ意見があると思いますが)

ちなみに私の長男も、火災事故後の診断で、精神障害者保健福祉手帳の1級に認定されましたが、2年後の更新はしませんでした。

精神障害者保健福祉手帳の手引き―診断書作成・障害等級判定マニュアル

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本公衆衛生協会
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: 単行本


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