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津川雅彦さん訃報で『砂糖菓子が壊れるとき』の出演を思い出す

津川雅彦さん訃報で『砂糖菓子が壊れるとき』の出演を振り返る

津川雅彦さん訃報で昨晩からもちきりです。すでに葬儀は近親者で済ませたといいます。60年の俳優歴で、数え切れないほどの作品に出演。とくに渡辺淳一作品、伊丹十三作品の常連と言われましたが、今回は『砂糖菓子が壊れるとき』(1967年、大映)を思い出してみます。(上の画像はGoogle検索画面、および劇中より、以下の画像もことわりのないかぎり劇中より)



今年5月の朝丘雪路さん訃報会見では、酸素吸入の姿で報道陣の前に姿を現し、自らのコンディションが良くないことを明らかにしていましたが、その3ヶ月後の8月4日に心不全のため78歳で亡くなりました。




16歳のときに、『狂った果実』(1956年、日活)に出演して芸能活動を本格的にスタートさせた津川雅彦。

1958年に松竹に移籍したものの大きな実績は残せず64年に退社します。

以後はフリーで、各映画会社の仕事をしますが、1967年には、大映の『砂糖菓子が壊れるとき』に出演しました。

砂糖菓子が壊れるとき

タイトルは、「砂糖菓子にむらがる蟻のように……。男によって育まれ、男によって壊されたいとしい女の愛の遍歴! 」というのがコピーです。

売れない女優の話ですが、世間は彼女に肉体派女優のレッテルを貼っているものの、彼女は幸せな結婚生活を夢見ていました。

どこかで聞いたような話……?

そう、マリリン・モンローをモデルとした、いうなれば翻案作品で、原作が曽野綾子、脚本が橋田壽賀子、監督が今井正という、興味深い顔合わせです。

千坂京子(若尾文子)は、頼りにしていた映画プロデューサー(志村喬)が亡くなリ、失意のどん底にいたところを、新聞記者の奥村(津川雅彦)に救われます。

砂糖菓子が壊れるとき

砂糖菓子が壊れるとき

砂糖菓子が壊れるとき

しかし、奥村は京子をステディな関係とはせず、京子はその後もいろいろな男と遍歴を重ねていきます。

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映画人としては「右」も「左」もない!?


津川雅彦は、近年保守的な論客と見られています。

しかし、本作は、日本共産党員監督といわれた今井正です。

その点が興味深いと思い、数ある出演作品から、『砂糖菓子が壊れるとき』をご紹介しました。

その本質は、ビートたけし「監督」にも注文をつけるなど是々非々でものを言うということがあり、ジェームス三木や今井正、山田洋次監督の作品にも出るなど、映画人としては「右」「左」ではなく、作品や個々の信頼関係を大事にした人だとおもいます。

伊丹十三を意識してのこととはおもいますが、ビートたけし監督についても批判を述べていたことがあります。

多くの俳優がビートたけしに媚を売り、マスコミが「ビートたけし監督」にちやほやしだした中で、「俺は違うぞ」と釘を刺すところは、思想の右左というより、根拠のない「雰囲気」には負けないぞという気骨を感じました。

「左」そのものを嫌っているなら、なせ、日本共産党シンパが公然としているジェームス三木作品や、党員監督の今井正作品に出たのでしょう。

実は、日本共産党東大細胞出身の山田洋次監督の『男はつらいよ』にも出ているのです。

後に『男はつらいよ』については批判をしていますが、頭から嫌ったのではなく、国民的映画になってしまい、誰もものを言いにくくなってしまったので、「でも俺は言えるぞ」という気骨を見せたのでしょう。

もともと沢村国太郎一族は左翼的な立場にあり、沢村貞子が治安維持法で検挙されたり、長門裕之が美濃部都知事への支持を巡って南田洋子を暴力で従わせたことを告白したりなどの話がありますが、そんな中で、政治思想に対してはデリケートな思いがあったのだろうとおもいます。

津川雅彦さんの生前のご遺徳をお偲び申し上げます。

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nice!(187)  コメント(13)  [編集]
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コメント 13

dolphy

 津川雅彦さん 素敵なお名前ですね そしてなんともセクシーな雰囲気の俳優さんでした 今なら菅田将暉とか佐藤健君とかが育っていけば成れるかな‥‥ 私は北海道在住ですのでサンタランドも思い出します
 ご冥福をお祈りします
by dolphy (2018-08-08 06:50) 

Rinko

津川さん逝かれてしまいましたね。
ご冥福をお祈りいたします。
by Rinko (2018-08-08 08:37) 

ヨッシーパパ

奥さんが亡くなられてまだ、そんなに経っていないのに。
by ヨッシーパパ (2018-08-08 18:16) 

kou

また昭和の大俳優が亡くなってしまいましたね。
寂しい思いでいっぱいです・・・。
by kou (2018-08-08 18:40) 

たじまーる

津川誠彦さんのご冥福をお祈り致します。
また一人名優が天国へ行ってしまいましたね。
コメントありがとうございました<(_ _*)>
おかげさまで家族関係が修復出来ました^^;
by たじまーる (2018-08-08 19:09) 

poko

素敵な俳優さんでしたね。
若い時の作品はよくわかりませんが
かわいくて面白いおじいちゃん役が浮かびます。
by poko (2018-08-08 21:13) 

ナベちはる

津川さんの訃報、驚きでした…
by ナベちはる (2018-08-09 00:41) 

末尾ルコ(アルベール)

津川雅彦さん訃報で『砂糖菓子が壊れるとき』の出演を思い出す・・・若尾文子が日本映画史上最高の女優だという持論のわたしですが、この作品は未鑑賞です。実におもしろそうですね。しかも脚本が橋田壽賀子、監督が今井正という・・・橋田壽賀子にもこのような時代があったのだと、認識を新たにいたしました。そしてこの時代の津川雅彦はあまり観てないと思います。興味深いです。
中年以降の津川雅彦は、やや演技がワンパターンに見えたのと、かなりクセが強く感じたことなどにより、さほどいい印象は持っておりませんでした。しかしごく最近、現在高知在住の安藤桃子が高知ロケで制作した『0.5ミリ』という映画に出演しているのを観て、(これは凄い人だなあ)と非常に畏敬の念を持ちました。『0.5ミリ』は結果的にはとても高い評価を得て大成功の作品となったのですが、それまでの安藤桃子は必ずしも監督としての評価が定着していたわけではなかったのです。インディ作品で当然ギャラも安かっただろうに大俳優と言っていい津川雅彦が出演する・・・伊達や酔狂ではなく、心から映画を愛しているのだなと感じたものです。
わたしは津川雅彦の言動をつぶさに見ていたわけではなかったのですが、思想などはいっぷく様のご意見を拝読し、とても納得させていただきました。世上の皮相的な流れに流されたくないという点、一徹なものがあったのでしょうね。単細胞的に右とか左とかで切って捨てる今どきの人たちとはまったく違うところがあったのだと感じます。実は個人的に渡辺淳一という作家はやや苦手で、その映画化作品もどうも好きになれないものが多く、その点でも津川雅彦にいい印象を持てなかっつた時期が長かったのですが、遅ればせとは言え、『0.5ミリ』での姿を観て畏敬の念を持ちました。今後ぜひ出演作を観ていきたいと思います。

妄想対象としてであれば、松坂慶子、大原麗子、夏目雅子よりも坂口良子なのですが、心を鬼にして(笑)、特に「大輪の花」という言葉がしっくり来る女優を選んでみました。あと、「大物感」ですね。そうなると島田陽子とかはそれなりの「大物感」はあるけれど、あまり「大論の花」感はないかなあと。
その意味では現在、「大輪の花」もいないし、「大物感」も見当たりませんね。宮崎あおい、蒼井優、宮沢りえ、深津絵里、綾瀬はるか、新垣結衣、石原さとみなど現在活躍中の女優を挙げてみても、松坂慶子、大原麗子、夏目雅子らの横へ並べられる人はいませんよね。こういう現状がいいか悪いかと言えば、わたしとしては「よくない」と考えておりまして、「時代が変わったんだから、仕方ない」という意見には流されたくないと思っております。そういうのはプロレスも同様ですが、いずれまた(やっぱり昭和の方がずっとクオリティが高かった・・・)という意見が多くなる時が来ると思っておりますし。

>早逝者の評価に下駄を履かせてしまうところ

これは確かにわたしにもありますし、どうしても若くして亡くなった人は神話化う傾向がありますよね。しかも夏目雅子も松田優作も、「いよいよ絶頂を迎える」という段階での死でしたので、(あと10年生きていたら、どんな俳優になり、どんな作品へ出ていたのか)と、いろいろ想像してしまいます。世界史的に見れば、もしマリリン・モンローが80歳を超えるまで生きておれば、「永遠のセックスシンボル」ではなかったでしょうし、キューバ革命のゲバラが長生きして、カストロが早く亡くなっておれば、カストロの方が「永遠のヒーロー」になっていたのは間違いありません。しかし返す返すも夏目雅子、20代の死は辛いことでした。

わたしが挙げた3人の中ではやはり松坂慶子のキャリアが飛び抜けてクリアですね。堂々たる作品出演歴ですし、女優賞受賞も多数、(しばらく見かけないなあ)と思い始めた時期に、少々お太りになって、社交ダンスとか踊っていたのには驚きましたが(笑)、現在も女優現役ですから、ものが違います。そうした文脈とはまた別に(笑)、例えば松坂慶子初期の出演映画の『高校生番長 ズベ公正統派』なんていうタイトルを見ると、(70年代、いいなあ~!)と、ノスタルジーとかではなく、70年代独特のパワーを感じます。『ジャパン・アズ・ナンバーワン』が出たのが1979年で、やはり80年代辺りからでしょうか、日本からむき出しのパワーが失われてきたのは。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-08-09 01:33) 

pn

やっぱあれですね、悪役エロオヤジの印象が(笑)
それと大河の家康ですかね、やたら家康役をやっていたような気がしますが適役でしたね。
by pn (2018-08-09 06:10) 

ヤマカゼ

自分も大河の家康役が印象に残ってます。
by ヤマカゼ (2018-08-09 06:20) 

チャー

奥様の朝丘雪路さんの訃報を聞いた時 津川さんの健康状態が心配でした 今はお二人仲良く永眠となりました お悔やみを申し上げます
by チャー (2018-08-09 07:35) 

starwars2015

最近の作品では、テレビの相棒で元気な姿を
拝見していたのに…。
ご冥福をお祈りします。
by starwars2015 (2018-08-09 08:15) 

beny

そこまで言って委員会は、最高でした。存在感抜群。
by beny (2018-08-09 21:37) 

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