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世IV虎対安川惡斗の“凄惨マッチ”はそんなに大事件か?

世IV虎対安川惡斗の女子プロレス“凄惨マッチ”。ここのところ少しおさまってきましたが、先週はこの話題でもちきりでしたね。ネット掲示板ではスレッドがいくつもたって、怪我をさせたのは、プロレスの枠を超えたことだからけしからんという論調です。さらに、「キレやすい」と世IV虎の性格が取り沙汰され、川崎の事件の犯人と重ねあわせる指摘さえ出ていますが、いくらなんでもそれはないだろうと思います。

世IV虎対安川惡斗
Googleで「世IV虎対安川惡斗」と検索するとヒットするページが多数

私は女子プロレスはもう何年も見ていないし、世IV虎という人も全く知りません。

今回なぜそのような試合になったかの真相は語られていませんが、そんなに大騒ぎするのものなのかという気がします。

たしかに、プロレスとしての予定調和を無視した不穏な結末は、仕事としてのプロレスを全うできなかったわけですから、世IV虎は下手くそ、いわゆる“しょっぱい”レスラーということになります。

ただ、「不穏」は安川惡斗が仕掛けたという見方もあります。

安川惡斗のコメントはそのほうが辻褄があいます。

だとすると、たんに“しょっぱい”者同士が本気で喧嘩して世IV虎が殴り勝った、というだけの話なんですよね。

もとより、リング上の闘いは、体を張っている以上、自分のミスであろうが相手が下手くそだからであろうが、成り行きで今回のようなこともあり得るものです。

プロレスは、かつて大田区出身のプラム麻里子のように、リングの戦いが直接の原因で亡くなった選手だっているのです。

台本があって監督もいる普通の映画の撮影だって、殴るシーンで、誤って唇を切ったり歯を折ったりすることがあるじゃないですか。

人間のすることですから、想定を超えることだってあるのです。

主催団体のスターダムは公式サイトで、「プロレスの範疇を逸脱した攻撃で大怪我をさせてしま」ったと、世間を気にして謝罪しています。

興行者としてはそう言わざるをえないでしょう。

でも、同業者なら、「プロレスを八百長の慣れ合いと思った世間の皆さん。私たちは体はって本気でやっているということが少しはわかっていただけましたか」ぐらいのことを言ってもいいんじゃないでしょうか。

アントニオ猪木道場(IGF)では非公式にそう言っているらしいですが、私もそれに賛成です。

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『流血の魔術 最強の演技』の真実


プロレスは八百長なんだろうと世間は言います。

新日本プロレスでレフェリーをつとめたミスター高橋が、プロレスの試合は事前に勝敗や試合展開の打ち合わせがある、と書かれた『流血の魔術 最強の演技』(講談社)を上梓して、いよいよその認識が定着しました。

が、同書は、だから八百長だという書き方ではありません。

よく読めば、むしろその逆であることがわかります。

今回の、世IV虎対安川惡斗のような殴るというわかりやすい形ではなく、組んだ時に指や足を折りにいくなど、試合の中では、ときに観客にわからないところで“打ち合わせ”にない不穏なファイトをするレスラーもいるそうです。

そういう信頼関係を壊す不届きなファイトがあったら、シュート(本気)に切り替えて相手をつぶす強さが、レスラーには求められるそうです。

つまり、勝ち負けは予め決められていても、本当に強くないと勝者は演じられないし、また本当に強い相手だからこそ、相手は負け役を受ける。

同書には、そういうことが書かれているのです。

日本で馴染みのある選手としては、鉄人ルー・テーズが、約束事を守らない大木金太郎を病院送りにしたこともあります。

世IV虎は、安川惡斗の信頼関係を破る不穏な攻撃がきっかけで、シュート(本気)に切り替えるという、同書に書かれたプロレスの掟に従った可能性もないとはいえません。

不穏試合は確信犯だったか!?


あまり話題になっていませんが、あの試合は、そうなるまでレフェリーが試合を続行させています。

レフェリーは全日本プロレスの和田京平。

普段からスターダムのリングには上がっていますが、あくまでゲストであり、同団体のマッチメーカー等の現場監督ではありません。

ということは、和田京平は、スターダムから、どういう試合にするかという意向を受けてレフェリングをしています。

ですから私は、不穏試合は、むしろ団体が求めていたフシもあると勘ぐっています。

もともと、世IV虎と安川惡斗は、“合わない関係”だったそうです。

プロレスは、信頼関係がなければできませんから、そういう試合を組んだ時点で、スウィングしない試合になる可能性が高い。

それでも試合を組んだということは、不穏試合としての興趣を狙っていたと疑わざるを得ません。

団体とすれば、あそこまでボコボコにしなくてもいいのに、とか、世間の反響が思った以上にあったので、「やり過ぎた」と思ったか、そういう気持ちはあるかもしれませんが、一方では、次の興行のこの上ない宣伝になった、と思っているかもしれません。

プロレスというものはそういうものです。

いずれにしても、この一戦だけで、世IV虎の人格を云々したり、プロレスを蔑んだりする議論は、ピントが外れているのではないかと私は思います。

流血の魔術 最強の演技 (講談社+α文庫)

流血の魔術 最強の演技 (講談社+α文庫)

  • 作者: ミスター 高橋
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/05/21
  • メディア: 文庫


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